集英社新書
戦場の現在(いま)―戦闘地域の最前線をゆく

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202830
  • NDC分類 916
  • Cコード C0231

内容説明

世界各地で繰り広げられる戦争や紛争。テレビなどのメディアを通じて、私たちはそれを見ている。しかしそれは本当の戦争の光景ではない。弾が飛び交い、爆弾が降り、諜報機関が暗躍し、地雷が敷設された戦場の現実とは、果たしてどのようなものなのか―。戦争の現実を知るためには、ゲリラや兵士たちと行動を共にし、戦場を自ら体験するしかない―。十五年以上もの間、チェチェンや旧ユーゴ、イラクをはじめ、中米、アフリカ、中東、旧東欧など世界各地の戦場を渡り歩き、さまざまな危険な状況に身をおいてきた戦場ジャーナリストが、現代における戦場の実態を描く。

目次

01 戦場の音と風景
02 チェチェン・ゲリラとともに
03 戦争は「激しかった」と誇張される
04 メディアが戦況を変える
05 諜報機関との闘い
06 近代戦の現実

著者等紹介

加藤健二郎[カトウケンジロウ]
1961年生まれ。早稲田大学理工学部土木工学科卒。建設会社勤務を経て、戦場ジャーナリストになる。中米、中東、旧東欧、アジア、アフリカなど世界各地の戦争地域に赴き、戦場取材を続ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろ

9
☆5 人柄としては、日常が嫌いで戦争が好きなアウトローという感じで、決して優秀であったり尊敬できたりするタイプではないと思うけど、その分体当たり的で先入観のない取材しているので現場の空気が伝わってくる。普通の人々——特に日本人が思う戦争とは大分違うと感じた。やはり戦場にいる人も人間として強いというわけではなく、鳴らされてしまっているだけで、戦争をしたくないのはみな同じだと思った。近代の戦争の形はメディアや政治が作り上げているものだということの分かる目線の本だった。2010/11/19

B型が苦手

1
少し古くなってしまった(2005年刊)本ですが、戦場ジャーナリストの方が最前線の現実を綴った著作です。印象に残るのは3章「戦争は「激しかった」と誇張される」で、死傷者の数は双方ともに過大に発表する必要があることを、現場と発表の差異から説明します。他にも「滅びゆく国家のために命を投げ出したい人などあまりいない」や、「セルビア当局のプレスセンターはメディア戦争を仕掛けられていることに気づかず対応していた」には学ぶべきことがありそうです。2017/08/16

サフィ

1
戦争が好きで戦場に行きたくてしょうがない、という変わった性格の戦場ジャーナリストである筆者による文章。 拘束された時の興奮、戦場独特の高揚感が描かれる反面、現代の戦争におけるメディア戦力の発揮する威力。大手メディアによる情報操作にも近い偏りすぎた報道。その全てを書き切ったあとで散々戦場に焦がれた筆者は戦争は虚しいと結ぶ。 読後はなんとも切なかった。2015/11/27

rbyawa

1
正直言ってしまうと、妙に気負った正義感がなくて素直に読めた。ジャーナリストでござい、という顔で「実はそうではない」ならともかく、最初からそう明言しているし、行動がほとんど一般人のものなので現地の人と目線が近くて結果的に良かったと思う。2009/11/17

MORITA

0
「戦場のハローワーク」が面白かったので作者繋がりということで。今やユーゴスラビアやセルビアもツアーで訪問することができるので本書が刊行された頃とは隔世の感を感じるが、その場に居たものが感じた生々しさは色褪せることが無いと思った。2015/06/29

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