内容説明
大阪の製菓会社社長・狭間の前に姿を現すという「お姫様の霊」を探るために、秘書兼ボディ・ガードとして会社勤めを始めた直江。高耶と綾子も、怨将・荒木村重を追って、京都に来ていた。一向宗は荒木一族の怨念を封じ込めた「遺髪曼陀羅」を使って強力な「荒木大砲」を作ろうとしているのだ。ついに村重を見つけ出した高耶たちだが、村重は綾子の二百年前の恋人・慎太郎そっくりだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
22
京都編。大河サイキックアクションと直江さんの愛憎劇の2本立てなのは1巻から変わらないのだが、毎編ごとに雰囲気が違うから凄い。今回は綾子姉さんの200年の愛がメイン。後半はずっと涙腺が緩んだ。天狗と怨霊の総力戦や遺髪曼荼羅、荒木村重の過去など、今までで一番好きな巻かも。直江さんの感情が「カリスマに対する絶対的な敗北感」だと分かり、少しだけ腑に落ちた。同性だからこそ抱く感情であり、男同士でなかったら描けない関係性なのだと思う。ホテルで押し倒される場面より、鞍馬寺で後ろから首を絞められる場面の方が官能的で好き。2018/06/02
フキノトウ
19
いろいろどん詰まりですね。何百年も生き続けるのは、人との出会いがそれだけあるってことだし、辛いですね。マザー・テレサの言葉に「苦しいほど愛し続ければ、苦しみは消え、さらなる愛だけが残る」この言葉を知ったとき、直江にぴったり!と思いました^^愛が残ればいいですね。2014/01/07
カキ@persicape
14
突然ですが2次元のヤンデレが好きです。なかなか理想のヤンデレが現れないのだが、直江は逸材である。アブノーマルにひたすら病んじゃダメ。それじゃただのイカれ野郎です。緩急、これな。ピアノからメゾピアノにぞわぞわ少しずつ上がっていくかと思いきや急速にクレッシェンドかけて一気にフォルテッシモまで駆け上がった後にそろそろとデクレッシェンドしてシン...っとピアノに戻ったと思いきやフォルテまでぶり返し最後は緩やかにピアニッシモに収束が理想。え?何がって?狂気の旋律がだよ❤︎ヤンデレだけで文字数がやれやれ困ったぜ→2018/02/01
枯伍
14
京都編。綾子ねーさん200年前の恋人そっくりな男に出会うも、それは一向宗に追われる荒木村重であった…な巻。一方直江は社長秘書として大阪に。別件かと思いきや遺髪曼荼羅で繋がるのだった。別の男(おっさん)に仕えてるって嫉妬する高耶さん可愛いなあ。勝者とか敗者とかいちばんぐるぐるしてる頃だよね。直江は愛だけじゃないから厄介なんだよなあ。景虎もトラウマ持ちだし。綾子を慰める村重やさしい…… ラストシーンも小鳥が肩寄せ合ってる感じできれいだった。2018/01/07
藤月はな(灯れ松明の火)
12
綾子姉さんが自分が愛していた人を待っていたのは自分が生き続けることへの正当化だと疑いながらも決心する場面がすごく悲しいです。しかし、もう、初心だと言える齢ではないのですがあの章はあまりのことでパニックで絶叫しそうになり、親指の付け根を強く、かむことになりました。今も震えています。あとがきでは「駆け込み訴え」で号泣した作者に「この人、筋金入りの人だ・・・・」と思ってしまいました。2012/01/15
-
- 和書
- 廃墟巡霊