内容説明
巻き返しを図る攘夷の志士と佐幕派が血腥い争いを続ける幕末の京都。カゲトラと名乗り、勤王派ばかりを狙う人斬りがいた。お蔦(柿崎晴家)は正体を見極めようと「人斬りカゲトラ」を追うが…!?表題作ほか、長州の潜伏志士のもとに潜入した景虎の暗躍と池田屋事件の裏側を描く一編「獅子疾走る」を収録。激動の時代を生きる夜叉衆が京の街を駆け抜ける。『炎の蜃気楼』幕末編。
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
9月23日千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。1989年下期コバルト読者大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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神城冥†
30
幕末編なので、幕末に活躍した人達が出てきます!新選組とか桂小五郎とか吉田稔麿とか! それだけでも面白いけど、炎の蜃気楼だからもっと面白い!景虎と直江の仲が邂逅編の時より微妙に変化してるのが気になります。邂逅編と幕末編の間に何があったんだ〜。しかし、思い切りがいいぞ直江! 私には直江の〇〇頭なんて全く想像できない(*´艸`)プッ 獅子疾走るは切なかったな…大高先生…。2016/01/08
はるき
21
久しぶりの蜃気楼。やっぱり重苦しくネチッコイ性分の直江が懐かしい。幕末物って設定が既に加算要因。ギクシャクしつつ離れられない、愛憎渦巻く主従関係が良い。2016/03/14
藤月はな(灯れ松明の火)
13
攘夷、勤王と思惑が入り乱れた幕末の京都、新撰組、見廻組、桂小五郎、池田屋事件など史実が物語に組み込まれて大変、楽しかったです。マニアックな所まで懇切丁寧に教えてくださった高校の日本史の先生に感謝です。晴家が景虎に対して負い目を感じているという心境や存在理由の希薄と長いこと生きていることに倦んでいた景虎が遣る瀬無かったです。そして直江は悩みつつも共に歩むと熱いです。ここから痛む疵と強い想いを抱えて約100年への彼らが行き着いた場所を思うと感慨深いです。2012/03/21
枯伍
11
邂逅編から300年。いいかんじになっていた夜叉衆のチームワークもバラバラ。晴家すっかりお姐さんになってます。昭和編につながる年齢逆転主従ってのもいいもんですなあ。血風熱き幕末で疲れ切った景虎が熱さを移されるのは本編三部に通じるものがあるような。人斬りカゲトラの正体をめぐる話と、池田屋事件の頃、呪殺騒動と戦う夜叉衆の話。ラスト直江のハグが一歩踏み出してる感じがした。2017/10/06
山根
11
やっと見つけた幕末編。スラスラと読了してしまいました。しかし山口県民のくせに長州藩が好きでは私。攘夷派の晴家と敵対してしまうなと思ったです。2015/06/15