講談社現代新書<br> ナショナリズム入門

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講談社現代新書
ナショナリズム入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882637
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0237

出版社内容情報

世界の様々な地域の多様なナショナリズムの構造を分析し、21世紀世界の最大の問題であるナショナリズムへの基礎的な知識を与える。尖閣諸島問題を巡る中国との軋轢などによって、「ナショナリズム」という言葉を目にすることが多くなってきました。しかし、では「ナショナリズム」とはいったい何なのでしょうか? 著者は「ナショナリズムとは、『ネイション』への肯定的なこだわり」であると定義します。ネイションは日本語では「国家」「国民」「民族」などと訳されますが、日本語に訳すると日本語独自のニュアンスにどうしても染まってしまうので、やはり「ネイション」と言わざるをえません。本書ではそのため日本語にはあえて翻訳せず、「ネイション」そのものからナショナリズムを理解するというスタンスを取ります。では、なぜ日本人には「ネイション」を理解することが難しいのか? それは日本が、日本列島という「地域」と、日本人というそこの「民族」とが一致している(もちろん、アイヌ、沖縄という例外もありますが)世界的に見てもごく稀な「ネイション」だからです。ですから日本の事例を自明と見なしてしまうと、世界での様々な軋轢が、かえって見えにくくなってしまうのです。例えばドイツは、現在でも日本のように「民族」と「領土」が一致してはいません。ドイツ語を国語とする国としてはドイツ以外にオーストリアがあります。また領土的に言っても、プロシア王国の領土は現在のポーランドに当たる部分を広く含んでいましたので、その地域に住んでいたドイツ系の住民は現在のドイツからは切り離されてしまいました。近代とは「民族」と「領土」が一致しているべきという理念のもと、「近代国家」を形成することが国際競争上も優位だと考える時代です。しかし世界中の国々は、日本のようにはその「ネイション」自体が自明ではありません。いえ、両者がずれている場合の方がほとんどなのです。各地で起こっている民族問題も、この「ズレ」に起因したものがほとんどです。中国の「チベット問題」なども、「チベットも含めた中国全体が一つのネイションである」と「チベットは中国とは別のネイションである」という二つのネイション観の衝突と捉えることができるでしょう。本書は、ネイションという、何でも入れられる「透明で空っぽな袋」に、なぜ人々はこだわるのか?という問題意識の元、世界の様々な地域における多様なナショナリズムの構造を分析し、21世紀の世界における最も大きな問題であるナショナリズムについての基礎的な知識を与えるものです。

第一章 ナショナリズムの作り方
第二章 ナショナリズムの動き方
第三章 ネイションの自明性──日本の形
第四章 ネイションの多義性──ドイツの変形
第五章 人間集団単位のネイション形成(1)──ドイツと東欧
第六章 人間集団単位のネイション形成──(2)ユーゴスラヴィアの滅亡
第七章 地域単位のネイション形成(1)──新世界の状況
第八章 地域単位のネイション形成(2)──ヨーロッパの西と南
第九章 ネイション形成のせめぎ合い──重複と複雑化
第一〇章 ナショナリズムのせめぎ合い──東アジアの未来


植村 和秀[ウエムラ カズヒデ]
著・文・その他

内容説明

クリミア・尖閣・竹島…衝突は、なぜ起こるのか?21世紀最大の難問。

目次

はじめに ナショナリズムを見た日
第1章 ネイションの作り方
第2章 ネイションの自明性―日本の形
第3章 ネイションの多義性―ドイツの変形
第4章 人間集団単位のネイション形成(一)―ドイツと東欧
第5章 人間集団単位のネイション形成(二)―ユーゴスラヴィアの滅亡
第6章 地域単位のネイション形成(一)―アメリカ大陸の状況
第7章 地域単位のネイション形成(二)―ヨーロッパの西と南
第8章 ネイション形成のせめぎ合い―重複と複雑化
第9章 ナショナリズムのせめぎ合い―東アジアの未来
第10章 政治的仕組みとネイション

著者等紹介

植村和秀[ウエムラカズヒデ]
1966年、京都生まれ。京都大学法学部卒業。現在、京都産業大学法学部教授、合同会社植村文庫業務執行社員。専攻は政治思想史・ナショナリズム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

167
世界中で問題になっているナショナリズムというテーマを考察した一冊。日本は世界でも稀に見る日本人と日本領がほぼ一致している国なんだなと思った。それがアメリカやドイツでは全く違うし、ユーゴスラビアのような悲惨な例もあることに考えさせられた。2014/07/20

WATA

72
ナショナリズムとは、ネイションへの肯定的なこだわりのこと。ではネイションとはなにか、ネイションはどう形成されるのか…という点を分析した本。文章・表現は分かりやすいが、中身が濃いので読むのに時間が掛かる。人間集団単位によるネイション形成と、地域単位によるネイション形成という2つの軸で各国の近代史を分析する方法は分かりやすい。この見方に従えば、今ニュースになっているスコットランドの独立投票も、昔からある「スコットランド」という地域にイングランドとは異なる独自の文化・思想が積もった結果と考えることができそう。2014/09/11

molysk

60
ナショナリズムは、ネイション主義である。では、ネイションとは何か。国家、国民、民族といった日本語が対応するが、多義的で一面のみでの定義は難しい。ネイションの形成は、人間集団単位と地域単位で行われてきた。前者の例は、東方植民を多く抱えた戦前のドイツ。後者の例は、民主主義を掲げて多くの移民を受け入れたアメリカ。地域を統治単位とする近代国家の仕組みは、後者との相性は良いが、前者との相性は悪く、二度の世界大戦の要因となった。国家と国民と民族の同一性が高い日本ネイションの安定性は高いが、世界への展開に弱みを持つ。2022/08/21

びす男

32
国際政治で重要度を増すアジアだが、未だに各国は台頭する「ナショナリズム」とどう向き合えば良いのか頭を悩ませている。 ネイション内外の相克についてヨーロッパの事例を引きながら、ナショナリズムの本質と性格を分析した良書。 「ナショナリズムは、あくまでも人間が作るものです。それゆえ、人間が善く育てねばならないものではないかと、わたしは思います。」 遅いので書評は明日 http://niksa1020book.blog.fc2.com2014/07/01

masabi

17
ナショナリズムとはネイションへの肯定的な拘りであり、ネイションを具体的に示す領土に対しても譲れないものとなる。ナショナリズムを地域型と人間集団型とがあり、前者のほうが近代国家と親和性がある。前者は西欧、後者が東欧が代表的である。中国に関して、歴代の支配領域に軸を置くと地域型にネイション(漢民族)に軸を置くと人間集団型になる。2014/11/25

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