内容説明
景気が良くなっても暮らしは良くならない…日本経済はそういう構造に陥りつつあるのではないか。景気、景気循環、そして関連統計の見方等、基本的なポイントを解説し、戦後日本の景気変動を、独自に分類。その上で、空回りする経済政策を批判的に検証する。経済は暮らしの考え方の基礎に立ち戻って考える、刺激的な一冊。
目次
危うくなった景気回復
景気はなぜ波を打つか
景気を何でとらえるか
戦後日本の景気循環
「構造改革」と景気
不良債権と景気
暮らしの視点から景気を見る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
23
景気とはいったい何か、日本経済史と現状を論じたもの。現状と言っても2005年当時であり、今ようやく政府が取り組み始めたことが課題として書いてあって、後手に回ったなぁと思いました。2014/06/06
yo yoshimata
3
10年ほど前の一冊。多分、再読だと思うんですが、経済循環の指標の基本と戦後日本経済の循環の大枠を学べる好著です。注目したのは、消費税増税があった1997年以降、景気の自律的回復のメカニズムが壊れてしまった、という指摘です。企業部門の好況が家計部門に及ばない、ということ。従って著者は、「景気とくらしの改善を分けて考える必要がある」「くらしの視点から景気を考えるべき」と言います。今に通じる大事な視点だと思います。2017/09/03
seimiya
2
2005年、小泉政権当時に書かれたもの。前半部分で景気とは何かの説明、後半部分で橋本・小泉政権の構造改革政策の誤りを指摘している。統計資料が多い。需要減少により引き起こされた不景気に対して、なぜか供給増加を促すような構造改革政策が取られた結果、企業倒産、失業者増、所得減少、格差拡大、需要減少という負の連鎖が起こりつつあるということ。小泉さん個人の人気はすごかったけど、結果からみるとやっぱりあの政策は間違っていたんだと思う。現状を正しく認識して適切な政策を打ち出すというのは難しいな。2013/02/03
katze
1
現在の日本経済の状況を知るためにはいい本だと思います。特にバブル崩壊後の説明が良かったと思います。2012/02/01
塩きゃらめる
0
教科書。