出版社内容情報
表題作のほか、女生徒/清貧譚/水仙/貧の意地/トカトントンなどを収録。高校国語教科書に準じた傍注や図版付き。併せて読みたい名評論も収めた。
太宰 治[ダザイ オサム]
内容説明
これまで高校国語教科書に掲載されたことのある太宰治の短編小説集。教科書に準じた注と図版がついて、読みやすく分かりやすい。解説として、著名な太宰論も収録。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
1909‐48年。青森県北津軽郡の生まれ。本名津島修治。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高等学校から東京帝大仏文科に進む。この間、左翼思想に傾倒するが、のちに離脱。「魚服記」「思い出」でデビュー。戦中から戦後にかけて次々と秀作を発表。流行作家としての栄光のさなかに自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
47
高校の教科書に使われた短編集でした。この作品が採用されたのかと思う作品もあります。また、鬱の太宰からは想像できない話も書くのですよね。改めて太宰を勉強させて頂きました。解説に『不良少年とキリスト』は取り上げてほしくなかったですが。2023/04/11
優希
43
高校の教科書に掲載された作品集でした。この作品が高校の教科書で使われたのかと驚く作品もあります。解説に坂口安吾の『不良少年とキリスト」をとりあげているのはなんだかなぁと。2022/06/17
mm
27
「走れメロス」S15、「富嶽百景」S14、猿ヶ島S10、「女生徒」S14、「清貧譚」S16、水仙S17、トカトントンS22に加えて、太宰論が充実している。嶋田直哉「作者についてー太宰治」、檀一雄「『走れメロス』と熱海事件」、坂口安吾「不良少年とキリスト(抄)」、奥野健男「神への復讐」。ひっさしぶりに、走れメロスを読みました。メロスの村からシラクサまで40キロか。フルマラソンだと思えば走れそうだけど、婚礼の荷物を持って走るのはキッツイかな?ヘタレと勇者の葛藤、やみくもに走る時の切迫感はうまいなぁ。2018/03/08
みつ
25
太宰の語り(時には騙り?)の名人芸を堪能できる中短編集。初期の八方破れの実験作とも戦後の自らを追い詰めた作とも異なる、多彩で才気あふれる、いわゆる「中期」の作品が中心。「教科書で読む名作」とはいうものの、抄出したものもあるはずで、それがどの部分かも知りたいところ。有名『富嶽百景』も『女生徒』も、大きな事件が起こらない身辺雑記のようでありながら、話題はあちこちに及び、飽きさせることはない。後者は「女生徒の気持ち」になり切ったものではなく、彼女の眼に仮託した時代精神への批評であり、ある意味では作者の分身。➡️2023/01/28
雲國斎
16
教科書に掲載された太宰の短編小説全7編。現在中2の教科書に出ている「走れメロス」が初掲載は高校2年の教科書だったとは…。「猿ヶ島」「清貧譚」「水仙」など初めて読んだが、面白かった。「女生徒」は、どの部分が掲載されたのかも興味がわく。2021/08/07