出版社内容情報
シングルマザーとして奮闘してきたカヤノは、70代の今、都会から移住した「サ高住」で気ままに暮らしていたが……。
個性的な住人たちとのやりとり、娘や息子との関係、予期せぬトラブル、ときめく出会い。風光明媚な丘陵地の「サ高住」を舞台に、いまどきシニアの日常生活を軽妙なタッチで描いた物語。
月刊「パンプキン」連載時から話題を集めた小説の単行本化!
内容説明
風光明媚な丘陵地の「サ高住」で繰り広げられる、くすりと笑える人生劇場。個性的な住人たちとのやりとり、娘や息子との関係、予期せぬトラブル、ときめく出会いと恋心…。いまどき高齢者のリアルな本音と暮らしがいきいきと描かれた新感覚シニア小説!
著者等紹介
久田恵[ヒサダメグミ]
1947年北海道生まれ。90年『フィリッピーナを愛した男たち』で、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。執筆活動を続けながら、シングルマザーとして子育てをし、約20年にわたって両親を介護。ファンタスティックに生きる!をテーマに「花げし舎」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
123
70代のシングルマザーが、都会から移住したサービス付き高齢者住宅でのお話しです。作者のほぼ来た道、2人の子供を抱えて離婚のフリーライターであること、その子供は、フリーターと独身、両親の介護を20年やってきたこと、などを赤裸々に小説仕立てにしている。というのも、長年、朝刊で週1のエッセイを連載していて、お馴染みだからです。ただ、各々のサ高住エピソードに、多少の脚色はあれど、なかなか意見したり、泣いちゃったり、と忙しい。家族や他人に煩わせられることなく、自分本位に生きる、もう生きてもいいでしょう、が清々しい。2023/07/05
machi☺︎︎゛
110
サ高住、サービス付き高齢者住宅「ピラカンサ」を終の住処として選びそこでの生活を謳歌するカヤノ。だけど長く住み始めると見えてくる人間関係や思ってもみなかった落とし穴。人生とは寂しさを抱えて生きていくもの。今はまだ高齢者ではないからピンとこない事たくさんあったけれど70、80代になってこの本を読むと今はなかった気付きがあると思う。2023/04/12
ネギっ子gen
82
【♪ケ・セラ・セラ なるようになるさ 先のことなど 判らない~】友人曰く「あなたの選択してきた人生を見ると、離婚してシングルマザーになったり、転職したりして、一見、決断力があり、潔い人ねえ、と思われがちよね。でも、私から言わせると、最初の思い込みだけで、衝動的に向かい風に突っ走るヤツ」であるカヤノを主人公に、風光明媚な丘陵地の「サコージュ」で繰り広げられる人間模様。個性的な住人たち、子どもとの関係、予期せぬトラブル、煌めく出会いと恋心――。アクティブシニアの本音と暮らしをリアルに描いた快作。面白かった!⇒2023/08/22
よつば🍀
70
自然豊かな丘陵地に建つ「ピラカンサハウス」正式名称はサービス付き高齢者向け住宅、略して「サ高住」。自分の意思で入居者達と距離を取れ、空気が綺麗で、食事の心配もいらない。毎日生存確認もしてくれる。こんな場所で穏やかな老後を過ごすのも悪くない。物語は都会からこの地へ移住して来た70代のカヤノを中心に展開していく。年齢と共に人間関係の煩わしさから解放され、精神年齢も実年齢に合ったものになると信じていた私だが、カヤノを見ていると人生そう甘くはないと思い知らされる。シニア世代のリアルな本音に共感しながら楽しく読了。2023/01/23
天の川
62
母が読むのに良いかと借りましたが、ちょっと違ったかも。避暑地・一戸建てのサ高住に作者も住んでおられるようで、半ば実体験なのでしょう。70代なら可能な素敵なシニアライフで、ちょっと憧れる部分はあるけれど…住人の方々のほとんどが介護が必要な状況ではないのですよね。カヤノさんもマイペースで仕事もして、自動車の運転もして、近くのカフェに行って、気が向くと自炊もされる。80代、90代は手助けなしでは生きていくことができない人も多いのだけれどなぁ…と、つい思ってしまいました。2023/08/04