トイレの話をしよう―世界65億人が抱える大問題

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140813942
  • NDC分類 518.51
  • Cコード C0098

内容説明

日本ではハイテク化が進み、アメリカや中国ではバイオ肥料など、排泄物の有効利用が脚光を浴びている。一方、トイレがない、あるいは、あっても汚すぎて道端でしたほうがましという人も、世界には26億人いる。「なぜ、トイレ?」という周囲の冷たい視線をよそに、突撃型の女性ジャーナリストは、トイレを追いかけて西へ東へ大奔走!英『エコノミスト』誌の2008年ベストブックス選定図書。

目次

はじめに 口に出して言えないものを調査する
第1章 「おしりだって洗ってほしい」―ロボトイレット革命
第2章 この香り、水路の5番だぜ―下水道ツアー
第3章 トイレを見れば、あなたがどんな人間かわかります―26億人と“トイレ大臣”
第4章 さあ笑顔を見せて、トイレに着きましたよ―カースト制と闘う人々
第5章 寝室には豚を―中国のバイオガスブーム
第6章 個室にプライバシーはある?―世界の公衆トイレ
第7章 ミルクセーキからケーキへ―下水から生まれた肥料
第8章 求む、夫。ただしトイレをもっていること―野外排泄ゼロをめざすインド
第9章 貧しい人は、下痢をする余裕もない―スラムの片隅で
第10章 そろそろ糞尿について話し合うときがきた―宇宙、経済、リサイクル

著者等紹介

ジョージ,ローズ[ジョージ,ローズ][George,Rose]
ロンドン在住のジャーナリスト。リベリアの避難民について書いた処女作“A Life Removed”が、ルポルタージュ作品のための賞「レトル・ユリシーズ・アワード」の最終候補に残る。『ガーディアン』紙、『インディペンデント』紙、『ニューヨークタイムズ』紙などで記事を執筆。故サダム・フセイン元大統領の誕生パーティーや、コソボ紛争などを取材した

大沢章子[オオサワアキコ]
1960年生まれ。大阪大学人間科学部卒業。サントリー株式会社勤務を経て、翻訳家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kana

45
包み隠さず10章ずっとトイレの話。いつものようなランチ読書はさすがにできず(カフェが限界)、読み終えるまでに数ヶ月。けれど各章、濃密かつ刺激的で、目から鱗の連続でした。そして、あまりの衛生環境の悲惨さに幾たびも言葉を失い、今の恵まれた環境に感謝しました。バイオガスやバイオソリッドといった最新処理技術の光と闇、インドの屋外排泄ゼロ運動の試行錯誤の軌跡等、女性ライターがここまで徹底取材したことに敬意を表したいですし、トイレ技術の進んだ日本に何か貢献できることはないのかとうずうずします。超オススメのルポです。2015/05/30

GAKU

42
日本ではハイテク化が進み、アメリカではバイオ肥料など、排泄物の有効利用が脚光を浴びている。一方、トイレがない、あるいは、あっても汚すぎて道端でしたほうがましという人も、世界には26億人もいる。世界中のトイレや下水道の事情について書かれた一冊。第4章で書かれていたインドの実態、カースト制度の最下層「マニュアル・スカベンジャー」と呼ばれる人達の存在は衝撃でした。真面目な内容ではあるが、読み手を飽きさせない文章で世界のトイレ文化や問題点に触れられる良書。日本のトイレ事情はどれだけ優れているのかを実感。2015/11/02

G-dark

30
どんなトイレを使っているかを見れば、その人が裕福か貧乏か分かる、という本。裕福な人々は水洗トイレを使う。下水設備を持つ。排泄物は目に触れることもなく、すぐにどこかへ流れていく。水道の蛇口をひねれば清潔な水を使える。貧しい人々は線路脇などトイレ以外の所で排泄することもある。排泄物は身の回りのあちこちで悪臭を放つ。排泄物の混じった水を飲んで子どもたちが下痢で命を落とす。この世界の26億人がトイレのない暮らしをしている。世界中の誰もが安全なトイレを使える世の中になることを願わずにはいられません。2018/08/21

雪の行者山@加療リハビリ中

23
世界中に10億を超えるトイレを持たない人たちがいるってことにまず驚く。インドでは野外排泄のために一家総出で『車に乗って出かける』っていう話にもぶっ飛ばされる。しかし田舎に住むわたしたちのまわりには、私も含めて多くの男が立ちしょんべんをしています。昔はばあさんたちは畑の中でよく小便をしていたものです。下水処理の話を考えても、インドやアフリカの話はそう遠い話ではない、と感じます。ただまあ、田舎のおっさんたちは自然の処理能力を超えた量までたちしょんをすることはほとんどないようですが。是非お読みください。2017/03/05

びっぐすとん

22
図書館本。先日の『下から見るインド13億人のトイレ』に続いてトイレの話。途上国では15秒に1人の子供が不衛生からの下痢で亡くなっている。排泄の音が気になるとカモフラージュ音まである日本にいると想像のつかない世界だ。根底にあるのは意識の差だと思う。汚い状態に慣れてしまうとそれが異常だとは思わなくなってしまう。衛生、エネルギー両面に役立ち安価なトイレが世界中に行き渡ることを願ってやまない。日本のトイレはガラパゴス的進化を遂げたが、私が子供の頃は洋式も少なかったし、汲み取りもまだ多かった。急激に変化したと思う。2021/07/06

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