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内容説明
財務資本から知的資本へ――すべての企業が資本価値を見直す時が来た。そして、すべての働く人たちは「企画」という知的生産物を生み出し、新しい働き方を獲得する未来に向かう。「代官山 蔦屋書店」や佐賀県の武雄市図書館など、話題の施設を作ってきたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の社長・増田宗昭による、斬新な組織論、時代認識論。知的資本を使って、マーケティングとクリエイティブ、理論と感性、システムとエモーションの交点に立ち上がる同社の企画、そして、自由の真価についても語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
97
TSUTAYAや武雄市立図書館のスタッフは、さぞかし大変だろうと思う。労働時間とか給料とか比較的測りやすい尺度で、働いていけるわけではなさそうだから。いきなり「自由」とか「愛」とか言われても、「ナンノコッチャ?」なんでしょう。貧乏な時代に大量生産をするために培われた、上意下達の軍隊型組織にもとづいた教育では、ついていくだけでも大変。ただし単なる雇用契約とか請負契約ではなく、価値観重視で結びつくような組織のリーダーは読んでおいても損はないかと。2015/04/15
壱萬参仟縁
25
ポイントは銀メタマーカーが右側に付く。巻末にカラー写真多数。増田氏曰く、武雄市図書館でいえば、本を貸し出す側の論理ではなく、利用する市民の若い子、お母さん、お年寄りの気分になればいい(11頁)。顧客価値と市民価値がイコールに(16頁)。武雄市は民間塾と提携し、学校で塾のノウハウを導入、モジュール授業として実施(37頁)と、文化政策でも未曾有の展開を見せる。企業哲学として、顧客価値とライフスタイル提案(58頁)。デザインのために知性が必要(68頁)。自由は遠心力を生み、愛は求心力に対応する(183頁)。2015/01/07
犬こ
18
カルチャーコンビニエンスクラブCEOによる著書。本業は元より、ご存知、代官山蔦屋書店や武雄市図書館を再生した方。製品における゛デザイン゛が持つ意味は、いま急速に変わりつつある。その点に関して自覚的である人は、まだ多くないのではないかφ(..)共感のオンパレードでした。タイトルと異なり、内容は固くないので書店好きの方にもオススメ。増田さん、これから注目したいです。2017/03/27
あつ子🐈⬛
12
「半世紀前、この国の未来を創ったのは鉄とコンクリートだった。それを手にするためには、資金が重要だった。 そしてこれからのこの国を創るのは、デザインだ。そのために必要となるのは、知性だ。 そして東京にとって二度目の五輪は、もうすぐそこにまで、やって来ている。」2019/08/31
いずむ
10
どれだけネットが発達しても、それはヒトとヒトが交わるためのツール。ヒトとモノが出会うのは、どうしてもリアルのチカラが必要だと思う。良くも悪くもこれからは、意識をせず、苦労をせず、思考をしないで済むサービスが”便利で良いサービス”になっていく。ツタヤを築いた男のコトバに触れ、改めて「代官山蔦屋書店のサービス」の本質を考えてみる。ネットが世の中を支配しても、未だリアルは機能だけではなく、空間的・装飾的な”余地”に価値を生ぜしめている。”カルチュア・コンビニエンス・クラブ”という矛盾の成立。なるほどな、と思う。2014/11/29