商品詳細喉が渇いたときに飲む水は心底おいしいけれど、渇きがおさまった後に同じ水を飲んでも、もうおいしいとは感じない。体が必要としていないから。すなわち「おいしい」とは本来、体という自然によりそい喜ばせてあげたときに生まれる感覚のこと。しかし、ただおいしいだけでなく、この「体が喜ぶ料理」を作るのが案外難しいと著者は言う。どうしたらそんな料理が作れるのか、そもそも料理とは何か――。京都で最も予約が取りにくい日本料理店「草喰なかひがし」店主が、野山を馳せ巡りながら得た〝食〟にまつわる究極の哲学。
著者情報中東久雄[ナカヒガシヒサオ]
1952年、京都府生まれ。日本料理店「草喰なかひがし」店主。摘み草料理で知られる花背の料理旅館「美山荘」で生まれ育ち、少年期から家業の手伝いに勤しむ。高校卒業後、本格的に料理の道に入り美山荘に二十七年間勤務。97年に独立して銀閣寺のほとりに現在の店を開店し、今日に至る。2012年に農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」でブロンズ賞、17年に同シルバー賞、16年に京都和食文化賞を受賞。大原の地野菜の魅力を多くの料理人に発信し、地場の農業振興にも貢献している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)