商品詳細〈名ピアニスト〉はいつの世もいる。しかし世紀を代表する〈巨匠〉は稀である。天才的な技巧や感性、音楽的業績だけでは計れない〈巨匠〉という存在、それは戦争で世界が混乱する二十世紀、同時多発的に開花した。当時、作曲家としてよりピアニストとして名高かったラフマニノフ、神技のホロヴィッツ、情感溢れるルービンシュタイン……他、計10人の大ピアニストが運命的に出会い、からみ合い、それぞれの人生と音楽を変えてゆく――。歴史の流れと共に消えた最後の巨匠たちの物語。
第1章 二十世紀の幕開け―ラフマニノフの再起と天才たちのデビュー
第2章 第1次世界大戦―闘うピアニストたち
第3章 帝国の終焉―アメリカという新市場
第4章 新しい時代の始まり―ホロヴィッツ登場
第5章 レコード時代到来―ルービンシュタイン対ホロヴィッツ
第6章 二つの独裁国家―ピアニストたちの苦悩
第7章 第二次世界大戦―ピアニストたちのそれぞれの闘い
第8章 戦後処理と新たな出発―リヒテルとグールドの登場
第9章 ピアニストたちの和解と決着
著者情報中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年生まれ。編集者、文筆家。早稲田大学第二文学部卒業。クラシック音楽・歌舞伎を中心に、膨大な資料を収集し、比較対照作業から見逃されていた事実を再構築する独自のスタイルで精力的に執筆。雑誌「クラシックジャーナル」編集長、出版社「アルファベータ」代表取締役でもあり、これまでに、音楽家の評伝の翻訳書、美術書、写真集、カメラ本、専門用語辞典、雑学本など三百点を編集、出版している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)