商品詳細メール依存、自傷、解離、ひきこもり……「非社会化=未成熟」で特徴づけられる現代の若者問題。しかし、これらを社会のせい、個人のせいと白黒つけることには何の意味もない。彼らが直面する危機は、個人の未熟さを許容する近代成熟社会と、そこで大人になることを強いられる個人との「関係」がもたらす病理だからだ。「社会参加」を前に立ちすくみ、確信的に絶望する若者たちに、大人はどんな成熟のモデルを示すべきなのか? 豊富な臨床経験と深い洞察から問う、若者問題への処方箋。
著者情報斎藤環[サイトウタマキ]
1961年岩手県生まれ。筑波大学医学部研究科博士課程修了。医学博士。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。爽風会佐々木病院の診療部長として臨床に携わりながら、精神分析、文学、サブカルチャー、現代美術など、幅広いジャンルで評論活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)