ロボットの確率・統計 ― 製作・競技・知能研究で役立つ考え方と計算法

上田隆一

コロナ社

発売:2024/04/05

発行形態:書籍

ファイル:PDF形式/17.2MB

ポイント:40pt

商品詳細
ロボティクスには広大な範囲の知識が必要とされます。本書では,ロボットの組立て,制御やセンサ処理のプログラミング,性能評価,ロボコンでの作戦など,ロボットだけに限定して,様々な確率・統計の知識を学ぶことが目的です。電子版ではカラー図面を豊富に掲載。

1. 代表値ーーー統計の知識がないと喧嘩になる
1.1 代表値で比較する
 1.1.1 試行と事象
 1.1.2 代表値の選択と計算
 1.1.3 判断材料にすることで代表値は意味を持つ
1.2 他の基本的な代表値とロボティクスでの利用
 1.2.1 中央値
 1.2.2 最頻値,モード
1.3 データのばらつきを表す指標
 1.3.1 分散
 1.3.2 標準偏差
1.4 データの偏りと外れ値
 1.4.1 データの偏り
 1.4.2 外れ値
1.5 まとめ

2. 確率ーーー機械が動くという奇跡
2.1 動く可能性が掛け算で減っていくロボット
 2.1.1 確率の導入
 2.1.2 ロボットの起動率の計算
 2.1.3 乗法定理と独立
2.2 冗長化されたシステム
 2.2.1 加法定理
 2.2.2 冗長化されたA1の起動率
2.3 部品が互いに影響を与える場合の計算
 2.3.1 乗法定理による計算
 2.3.2 隠れた条件と加法定理
2.4 確率変数,確率質量関数と確率分布
 2.4.1 確率変数
 2.4.2 確率質量関数
 2.4.3 確率分布
 2.4.4 確率分布と事象の関係
 2.4.5 同時確率質量関数,同時確率分布
2.5 補遺(「確率的リテラシー」のようなもの)
 2.5.1 なぜ自動車や飛行機が大丈夫なのかを不真面目に考える
 2.5.2 信頼性の改善方法に関する考察
 2.5.3 冗長化に関する考察
2.6 まとめ

3. 期待値ーーー運を神頼みにしない
3.1 期待値の計算で最大の成果を挙げる
 3.1.1 期待値の考え方
 3.1.2 期待値の線形性
 3.1.3 期待値の他の性質
3.2 シミュレーションによる期待値の算出
 3.2.1 シミュレーションを繰り返して平均値をとる
 3.2.2 シミュレーションと確率
3.3 期待値と確率分布の平均,分散
 3.3.1 確率分布の平均値
 3.3.2 確率分布の分散
 3.3.3 2つの確率変数の分散と共分散
 3.3.4 不偏分散と確率分布の分散の関係
3.4 まとめ

4. 連続値と多変量ーーーロボットは空間を動く
4.1 連続型確率変数の離散化
 4.1.1 連続型確率変数
 4.1.2 離散化による確率質量関数の導出
 4.1.3 連続型の多変量確率変数の離散化
 4.1.4 適切な解像度
4.2 モンテカルロ法と密度
 4.2.1 囲って数える
 4.2.2 密度の導入
4.3 ガウス分布
 4.3.1 確率分布へ式を当てはめる
 4.3.2 多変量ガウス分布
 4.3.3 多変量ガウス分布の演算
4.4 まとめ

5. 試行回数と信頼性ーーー実験で教員に叱られないために
5.1 確率の確率分布を考える
 5.1.1 実験から求めた結果の不確かさ
 5.1.2 確率の確率分布の計算
 5.1.3 一般的な事前,事後分布の計算(ベイズの定理)
5.2 離散化による事後分布の近似計算と比較
 5.2.1 試行結果を反映した事後分布の計算
 5.2.2 改良前後のソフトウェアの(確率的な)完走率の比較
 5.2.3 試行回数を増やす効果と限界
5.3 共役事前分布
 5.3.1 ベルヌーイ試行とベータ分布
 5.3.2 共役性
5.4 まとめ

6. 動く確率分布ーーーロボットは時空を進む
6.1 動く物体と確率
 6.1.1 時間と座標系
 6.1.2 ロボットの意思と,意思どおりにならない現実
 6.1.3 ロボットの動きの確率的な表現
 6.1.4 ある時刻の位置の分布.
6.2 「線形」なロボットの位置の予測
 6.2.1 問題の定式化
 6.2.2 解き方
6.3 物体が「非線形」に移動する場合の位置の予測
 6.3.1 ロボット座標系の準備と移動量の座標変換
 6.3.2 座標変換の線形化
 6.3.3 移動後の分布の算出.
6.4 モンテカルロ法による予測
 6.4.1 モンテカルロ法による予測の例
 6.4.2 数式での表現
6.5 ヒストグラム状の離散化を用いた予測
6.6 まとめ

7. センシングと推定ーーーロボットは実世界を観察する
7.1 情報のフィルタとしてのベイズの定理
 7.1.1 ベイズの定理と尤度関数による情報の変換
 7.1.2 人間の考えの偏りに対するベイズ的な解釈
7.2 ベイズフィルタ
 7.2.1 ロボットの信念
 7.2.2 観測に関する信念分布の変形
 7.2.3 移動に関する信念分布の変形
 7.2.4 導出されたベイズフィルタ
 7.3ベイズフィルタの実装例I:カルマンフィルタ.1
 7.3.1 線形な場合の観測の扱い
 7.3.2 非線形な場合の観測の扱い
7.4 ベイズフィルタの実装例II:パーティクルフィルタ
 7.4.1 パーティクルの再定義
 7.4.2 パーティクルの更新
 7.4.3 応用例
7.5 補遺
7.6 まとめ

8. 機械学習ーーーロボットはぼんやり実世界を観察する
8.1 バラバラなデータから像を見るI:ベイズ線形回帰
 8.1.1 最小二乗法による直線の当てはめ
 8.1.2 ベイズ線形回帰
8.2 バラバラなデータから像を見るII:混合ガウス分布の推定
 8.2.1 「確率の確率」による問題の定式化
 8.2.2 変分推論による解き方
 8.2.3 混合ガウス分布の推論
8.3 関数を自在に生成する
 8.3.1 教師あり学習が扱う問題
 8.3.2 情報をとりあえず全部入力してみる
 8.3.3 訓練データ
 8.3.4 損失関数の設定
 8.3.5 深層学習と利用の例
 8.3.6 教師あり学習の「学習」についての考察
8.4 まとめ

9. 意思決定と制御ーーーロボットは自律する
9.1 決めるということはどういうことかI
 9.1.1 数式による表現
 9.1.2 自己位置推定チャレンジの再考
 9.1.3 最適化問題
9.2 決めるということはどういうことかII
 9.2.1 多段の意思決定
 9.2.2 状態の価値と計算方法
 9.2.3 最適性とベルマン方程式
 9.2.4 議論(着眼大局,損して得取れ)
9.3 ベルマン方程式と制御
 9.3.1 最適制御の導出
 9.3.2 V^ の形
 9.3.3 議論:制御と意思,そして物理の関係について
9.4 強化学習
 9.4.1 学習の原理
 9.4.2 議論:Q学習からいえること,考えると面白いこと
9.5 さらに難しい問題
 9.5.1 他者がいる系
 9.5.2 POMDP
 9.5.3 自由エネルギー原理と能動的推論
9.6 まとめ

引用・参考文献
索引
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著者情報
上田隆一[ウエダリュウイチ]
2001年東京大学工学部精密機械工学科卒業。2015年千葉工業大学准教授、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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