グッドマン・リターンズ 新しい古典がやってくる! 『芸術の言語』刊行記念 最強のブックフェア

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芸術の言語

ネルソン・グッドマン[著]
戸澤義夫 ・松永伸司[訳]
ISBN 978-4-7664-2224-5
価格  4,600 円(税抜)
四六判/上製/ 352 頁

芸術を〈記号システム〉として解読し、記号の一般理論を構築する。
絵画、音楽、ダンス、文学、建築......芸術へのアプローチを根本的に転換した20世紀美学の最重要著作がついに邦訳。

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【主要目次】
第一章 現実の再制作
1 指示/ 2 模倣/ 3 遠近法/ 4 彫刻/ 5 フィクション/ 6 トシテ再現/ 7 創意/
8 写実性/ 9 記述と描写

第二章 絵の響き
1 対象領域の違い/ 2 方向のちがい/ 3 例示/ 4 サンプルとラベル/ 5 事実と比喩/ 6 図式
7 転移/ 8 隠喩の諸方式/ 9 表現

第三章 芸術と真正性
1 完璧な贋作/ 2 答え/ 3 贋作不可能なもの/ 4 理由/ 5 課題
第四章 記譜法の理論
1 記譜法の主機能/ 2 統語論的要件/ 3 符号の合成/ 4 準拠/ 5 意味論的要件/ 6 記譜法
7 時計と計数器/ 8 アナログとデジタル/
9 帰納的な翻訳/ 10 図表、地図、モデル

第五章 譜、スケッチ、書
1 譜/ 2 音楽/ 3 スケッチ/ 4 絵画/ 5 書/ 6 投射可能性、同義性、分析性/ 7 文学
8 ダンス/ 9 建築

第六章 芸術と理解
1 絵と文/ 2 調べることと見せること/ 3 行為と態度/ 4 感情の機能/ 5 美的なものの徴候
6 価値の問題/ 7 芸術と理解


ネルソン・グッドマンとは何者か?
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ネルソン・グッドマン
(Nelson Goodman)

1906 ~ 1998 年。アメリカの哲学者。美学、論理学、認識論、科学哲学において多大な影響を及ぼした。画廊を経営するかたわら、ハーヴァード大学で博士号を取得。ハーヴァード大学哲学名誉教授。タフツ大学、ペンシルヴェニア大学、ブランダイス大学、ハーヴァード大学など、各地で教鞭をとる。ハーヴァード大学では、哲学、認知科学、芸術、教育を融合させることを目的とした研究機関「プロジェクト・ゼロ」を設立。おもな著書に、『事実・虚構・予言(Fact, Fiction, andForecast)』(雨宮民雄訳、勁草書房、1997 年)、『記号主義―哲学の新たな構想(Reconceptions in Philosophy and Other Arts and Sciences)』(エルギンとの共著、菅野盾樹訳、みすず書房、2001 年)、『世界制作の方法(Ways of Worldmaking)』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2008 年)など。

はじめに
松永 伸司
一度古びたとしてもまた息を吹き返す文献を「古典」と呼ぶなら、ネルソン・グッドマンの『芸術の言語』はまちがいなく古典です。半世紀まえに出版されたこの本は、他のすべての古典的な哲学書と同じように、汲み尽くせないような豊かな洞察によって、美学とその関連領域において新たな視点と使い道を提供しつづけています。『芸術の言語』が古典であるゆえんは、少なくとも3つ挙げられます。第一に、それまであやしげなかたちで論じられていた美学的な諸問題を、明晰で地に足のついた枠組みで説明したこと。たとえば、再現における「類似」、表現における「感情」、美的なものにおける「いわく言い難さ」「直接性」といった従来のうさんくさい説明概念にかわって、記号の働きとそのシステムのあり方という曖昧さのない説明図式が持ち込まれます。第二に、それまでは十分に定式化されていなかった論点を新たに切り開き、その後の議論の文脈を作り上げたこと。たとえば、贋作問題や再現の本性に関する諸論点は、その後の分析美学において「芸術作品の存在論」や「描写の哲学」と呼ばれることになる豊かな議論の端緒となるものです。第三に、射程の広さ。『芸術の言語』には、再現、表現、隠喩、美的なものといった美学的な問題だけではなく、記号や知覚や認識一般についての重要な洞察も含まれています。また、芸術形式ごとの特徴づけとその比較は、個別芸術学である文学や音楽学や美術史学にとって有益な知見を与えるものです。この本がさまざまな分野で認知され参照されているのは、そうした論点の幅広さのおかげでしょう。

このブックフェアは、こうした『芸術の言語』の古典としての魅力を、現代の読者の口にあうように5つの切り口で料理したものです。選書者としては、主に2015年に好評を博したブックフェア「分析美学は加速する」のメンバーが参加していますが、今回は分析美学にとどまらない視点から多様な分野の文献が紹介されています。このブックフェアが、グッドマンをより深く読むための、またグッドマンから考えを広げるための一助になれば幸いです。

松永 伸司(まつなが・しんじ)
東京藝術大学美術学部教育研究助手/立命館大学ゲーム研究センター客員研究員。博士(美術)。訳書にネルソン・グッドマン『芸術の言語』(共訳、慶應義塾大学出版会、2017年)、イェスパー・ユール『ハーフリアル』(ニューゲームズオーダー、2016年)、モリス・ワイツ「美学における理論の役割」(『フィルカル』1巻2号、2016年)。

2017.06.20 イベントに行こう