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【じんぶんや第90講】白井聡選「さあ、「戦後」を終わらせよう!」

紀伊國屋書店新宿本店3階の月がわりブックフェア「じんぶんや」、今月の選者は白井聡さん。「さあ、「戦後」を終わらせよう!」というテーマで、じんぶんやにエッセイをいただきました。

白井聡さんエッセイ「さあ、「戦後」を終わらせよう!」

白井聡さん画像.jpg 「戦後」は終わった。こんなフレーズを私たちはこれまで何度聞かされてきたでしょうか。もう聞き飽きたと言ってもよいくらいです。けれども、今度ばかりは事情が違います。ついに、「戦後の終わり」が本当にやってきたのです。そこには当然不安も渦巻くことになります。いままで良くも悪くも慣れ親しんできた世界が崩れ去り、「ゲームのルール」がガラリと変わってしまうのですから。けれども、危機とは同時に好機でもある。そう信じたいし、またそうならなければ、この国に生きる人々の未来は、限りなく暗いものになるほかないでしょう。
 「戦後の終わり」がついに来た、となぜ言えるのでしょうか。それは端的には、戦後とは「平和と繁栄」の時代であるというこれまで多くの日本人が支持してきた物語がはっきりと失効してしまった、という事実に求められます。バブルの崩壊と冷戦崩壊以降、いわゆる「失われた二〇年」の時代が始まり、新世紀とともに「格差社会」や「地方の疲弊」が誰の目にも明らかになってきました。こうした「悪い流れ」の総仕上げが東日本大震災と福島第一原発の事故であったと私は考えます。とりわけ原発事故は、この国とその社会が抱えてきた暗部をさらけ出す出来事になりました。国家権力は腐敗していた、大資本は腐敗していた、そして市民社会もまた腐敗していた。「戦後民主主義」なるものは本当は幻だったことがはっきりしました。ゆえにいま、一種の開き直りとして、排外主義や歴史修正主義、平和の価値の否定といった傾向が前景化しています。「恥ずかしい国へ」まっしぐらです。私たちは、このような正真正銘の悪夢のなかを生きています。この悪夢は一体どこからやって来たのか? もちろんそれが天から降ってきたわけはありません。それは、「平和と繁栄」と呼ばれてきた世界の只中から姿を現したはずです。だからこそ、私たちはいま、「戦後とは何だったのか」ということをあらためて考え直さなければならない、そのような歴史的時点に立たされています。
 
 今回選んだ三〇冊の本は、『永続敗戦論』を書くうえで、また戦後史、さらには日本近代史を考えるうえで自分に影響を与えた本です。いま私たちがどのような歴史的時点に立っているのかを、これらの書物は語りかけてくれるはずです。また、日本という国の戦後という一歴史区分の終わりは、幸か不幸か、近代そのものの終わりという世界史上の巨大な転換と重なっている可能性があります。そうだとすれば、私たちは何を考え、何をなすべきなのか、どんな夢を見ることが許されるのか。このことを考える際のヒントとなるような本も挙げさせていただきました。

白井聡(しらい・さとし)さんプロフィール

一九七七年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員等を経て、現在、文化学園大学助教。専攻は、社会思想・政治学。著書に、『永続敗戦論』(太田出版)、『未完のレーニン――「力」の思想を読む』(講談社選書メチエ、二〇〇七)、『「物質」の蜂起をめざして――レーニン、〈力〉の思想』(作品社、二〇一〇)など。

永続敗戦論 戦後日本の核心

永続敗戦論 戦後日本の核心

白井聡 / 太田出版
2013/03出版
ISBN : 9784778313593
価格:¥1,836(本体¥1,700)

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「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。
国内およびアジアに対しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲従を続ける。
敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く―それが「永続敗戦」という概念の指し示す構造である。
今日、この構造は明らかな破綻に瀕している。
1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある。
「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ。


白井聡さん選書・コメント

安保条約の成立 吉田外交と天皇外交

安保条約の成立 吉田外交と天皇外交

豊下楢彦 / 岩波書店
1996/12出版
ISBN : 9784004304784
価格:¥885(本体¥820)

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白井聡さんコメント本書を読んだとき、頭を殴られたような衝撃を受けた。「国体」とは、それが「護持」されたとは、一体何であったのか。長年漠然と抱いていた疑問に本書は明確な答えを与えてくれた。メイド・イン・USAの現人神。ゾンビとなった神に憑かれた、「日出ずる国」「言霊の幸ふ国」。私たちがいま目撃しているのは、その末路だ。

日本人の「戦争」 古典と死生の間で

日本人の「戦争」 古典と死生の間で

河原宏 / 講談社
2012/10出版
ISBN : 9784062921343
価格:¥993(本体¥920)

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白井聡さんコメント著者の河原は昨年鬼籍に入った。戦中派がまた一人、去って行った。河原は、「あの戦争」の意味を噛みしめ続けることによって、犬死状態に捨て置かれた膨大な死者たちをその状態から救い出そうとした。この仕事を受け継ぐことは私たちの責務である。

「日米関係」とは何だったのか 占領期から冷戦終結後まで

「日米関係」とは何だったのか 占領期から冷戦終結後まで

マイケル・シャラ-、市川洋一 / 草思社
2004/07出版
ISBN : 9784794213228
価格:¥3,456(本体¥3,200)

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白井聡さんコメント占領改革、民主化、逆コース、講和条約、日米安保、これらが実行された歴史過程が「海の向こう」からの視点によって解き明かされる。米国は「本気で」民主化政策をやったのか、昭和天皇は平和主義者だと「本気で」思ったのか、といった従来重要視されてきた論点の多くは、本書のような研究によって過去のものとなる。

家畜人ヤプ- 第1巻

家畜人ヤプ- 第1巻

沼正三 / 幻冬舎
1999/08出版
ISBN : 9784877287818
価格:¥699(本体¥648)

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白井聡さんコメント戦後日本を、いや近代日本を、これ以上残酷な筆によって描き出した書物を私は知らない。著者の示す底知れぬ悪意に直面したとき曖昧な笑いを浮かべてやり過ごすことのできた時代は、もう終わった。私たちは、この変態小説のなかに極限的に写実的な自画像を見なければならない。

歴史としての戦後日本 上

歴史としての戦後日本 上

アンドル-・ゴ-ドン、中村政則 / みすず書房
2001/12出版
ISBN : 9784622036791
価格:¥3,132(本体¥2,900)

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白井聡さんコメント「戦後日本」についての批判的ポートレート。二〇〇一年頃本書を初めて読んだとき、割り切れない思いがした。「あんたら(欧米人、特に白人)に言われたかないよ」、と。しかし、それから約十年、本書の行なった欠陥の指摘は、本質的に正しいものと認めざるをえない。

昭和天皇独白録

昭和天皇独白録

寺崎英成、マリコ・テラサキ・ミラ- / 文藝春秋
1995/07出版
ISBN : 9784167198039
価格:¥540(本体¥500)

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白井聡さんコメント昭和天皇が「あの戦争」をどう見ていたのか、自らの責任についてどう考えていたのか、それを知るための第一級の史料である。「革命」をひたすら恐怖した結果が、大陸侵略と敗北必至の対米開戦であった。吉田裕『昭和天皇の終戦史』(岩波新書)、豊下楢彦『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)との併読をお勧めしたい。

アメリカの影

アメリカの影

加藤典洋 / 講談社
2009/09出版
ISBN : 9784062900614
価格:¥1,836(本体¥1,700)

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白井聡さんコメント3.11原発事故によって、本書は黙示録的な予言の書となった。1945年、国は破れども、そこにはまだ「山河」があった。しかし、高度成長以降、戻るべき場所であるはずの故郷としての自然は荒廃し、いまやそこは放射能によって汚染されている。この情けなさ、みじめさを正面から受け止めるところから始めなければならない。

他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 核密約の真実

他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 核密約の真実

若泉敬 / 文藝春秋
2009/10出版
ISBN : 9784163721903
価格:¥1,944(本体¥1,800)

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白井聡さんコメント若泉敬は、沖縄核密約締結にあたって、佐藤栄作首相の秘密の代理人を務めた国際政治学者だった。その内幕を暴露する本書を著したのち、沖縄に対する自責の念から自ら命を絶った。それは、永続敗戦レジームの矛盾を一身で体現した生き様、そして死に様であった。

「共犯」の同盟史 日米密約と自民党政権

「共犯」の同盟史 日米密約と自民党政権

豊田祐基子 / 岩波書店
2009/06出版
ISBN : 9784000225717
価格:¥3,024(本体¥2,800)

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白井聡さんコメント著者は共同通信社に所属するジャーナリスト。歴史研究と外交・防衛関係者への綿密な取材との結合が、本書に説得力を与えている。自民党政権の傀儡性を数学的厳密さによって証明した書であると言える。

日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」

日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」

有馬哲夫 / 宝島社
2011/07出版
ISBN : 9784796684750
価格:¥720(本体¥667)

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白井聡さんコメント有馬哲夫は公開されたCIA資料の調査を精力的に進め、戦後史研究の新領域を次々に開拓しつつある。著書多数だが、あえて一つに絞るならば、この本を挙げる。登場する日本側人物と「知日派」米国人たちは、「戦後日本」の初期設計をしてゆく。その複雑な過程において、政治の論理と政治では割り切れない論理が絡み合っている。

原子力の社会史 その日本的展開

原子力の社会史 その日本的展開

吉岡斉 / 朝日新聞出版
2011/10出版
ISBN : 9784022599834
価格:¥2,052(本体¥1,900)

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白井聡さんコメント旧版が出たのは、1999年。3.11以来本書が最重要の書になったことは、本書の内容の卓越性を証すると同時に、この国の不幸を物語ってもいる。「日本の原子力」について知りたい人は、まず本書を読むべきである。

東北学/忘れられた東北

東北学/忘れられた東北

赤坂憲雄 / 講談社
2009/01出版
ISBN : 9784062919326
価格:¥1,134(本体¥1,050)

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白井聡さんコメント福島第一原発の事故は、都市と地方の差別的な格差の存在を明るみに出した。戦後の高度成長は世界でも稀にみる「平等な社会」をつくり出したと言われてきたが、それは表層にすぎなかったことが露呈したのだった。では、深層には何があるのか?赤坂東北学はこの問いに答えようとするものにほかならない。

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」

前泊博盛 / 創元社(大阪)
2013/03出版
ISBN : 9784422300528
価格:¥1,620(本体¥1,500)

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白井聡さんコメント本書は喝破する。戦後日本には二つの「安全神話」があった。ひとつは、原発安全神話であり、3.11によりこれは崩壊した。もう一つの神話は、日米安全保障条約の「安保神話」である、と。「気の毒な沖縄」の姿は、同情すべき他者の姿なのではない。それは明日の私たち自身の姿にほかならない。

知事抹殺 つくられた福島県汚職事件

知事抹殺 つくられた福島県汚職事件

佐藤栄佐久 / 平凡社
2009/09出版
ISBN : 9784582824544
価格:¥1,728(本体¥1,600)

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白井聡さんコメント国策捜査によって政治生命を奪われた佐藤栄佐久前福島県知事による証言。何よりも興味を引くのは、東京電力・経済産業省との対立の経緯についての記述だ。本書もまた、3.11とその後に起こることについての黙示録的予言書となってしまった。

国家の罠 外務省のラスプ-チンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプ-チンと呼ばれて

佐藤優 / 新潮社
2007/11出版
ISBN : 9784101331713
価格:¥810(本体¥750)

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白井聡さんコメント「国策捜査」という概念をつくり出したのは本書である。いわゆる鈴木宗男・佐藤優事件が告げたのは、戦後レジームの終わりの始まりであったことが、いまとなってみればよくわかる。この決定的瞬間を知らしめた本書の意義は限りなく大きい。

丸山眞男セレクション

丸山眞男セレクション

丸山眞男、杉田敦 / 平凡社
2010/04出版
ISBN : 9784582767001
価格:¥1,728(本体¥1,600)

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白井聡さんコメント「日本の権力の本質」を知るために、新刊書を読む必要は全くない。それは、本書においえてこの上なく明快に描かれている。本書の「永遠の新しさ」こそは、私たちの不幸の根源だ。本書を過去のものにすること、このことに私たちの未来はかかっている。

イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告

イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告

ハンナ・ア-レント、大久保和郎 / みすず書房
1994/08出版
ISBN : 9784622020097
価格:¥4,104(本体¥3,800)

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白井聡さんコメント「世界一有名な小役人」となったアイヒマン(ナチスによるユダヤ人虐殺の実務担当者)に対する裁判のルポルタージュ。これは遠い国の話ではない。アレントが指摘した「凡庸な悪」が、いまやこの国で地を覆い尽くしていることを誰が否定できようか。

日本政治思想史研究

日本政治思想史研究

丸山眞男 / 東京大学出版会
1983/06出版
ISBN : 9784130300056
価格:¥3,888(本体¥3,600)

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白井聡さんコメント本書はもともと、戦地へ赴く丸山の「遺書」として書かれた。自らの死を前にしながら、丸山は江戸時代の思想史に合理的近代性の萌芽を見出す作業に没頭していたのだった。私はその事実に感動を禁じ得ない。この強靭な知性は、死にたじろぐことなく「希望の原理」を見据えようとしていた。このことは、時に絶望に陥りたくなる私を強く叱咤してくれる。

叛逆の精神 大杉栄評論集

叛逆の精神 大杉栄評論集

大杉栄 / 平凡社
2011/05出版
ISBN : 9784582767353
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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白井聡さんコメント大日本帝国は目玉に太陽の入った(富岡誠「杉よ!眼の男よ!」)この男を許さず、抹殺した。なぜそうしたのか?国家はその本性からして「自由」に対立するからだ。では、「自由」とは何なのか?それを知りたければ、読むべきは本書だ。訳知り顔の政治哲学者などクソ喰らえである。

自叙傳

自叙傳

大杉栄 / 土曜社
2011/09出版
ISBN : 9784990558710
価格:¥1,028(本体¥952)

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白井聡さんコメント私は当世の若い男の子たちに言いたい。大杉栄を読んで自分の生き方を考えろと。ナントカイズムやらなにやらはこの際どうでもよい。原則を学ばなきゃいけない。原則自体は単純至極。女たちからは愛され、国家からは憎まれろ。ただそれだけのことだ。

異形の王権

異形の王権

網野善彦 / 平凡社
1993/06出版
ISBN : 9784582760101
価格:¥1,027(本体¥951)

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白井聡さんコメント網野史学もまた希望の源泉の一つであり続けるだろう。著作は多いが、私が一番好きなのは本書だ。種々雑多な自由なる人々の力を一身に集めた「異形の王」としての後醍醐天皇という像の魅力は、いまもなお魅力を失っていない。

マチウ書試論/転向論

マチウ書試論/転向論

吉本隆明 / 講談社
1990/10出版
ISBN : 9784061961012
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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白井聡さんコメント私は吉本ファンではない。しかしながら、本書、特に「マチウ書試論」が持つ異様なまでの迫力には心を打たれた。本書は、この国の思想史が文学によって担われてきたことを最も雄弁に物語るテクストの一つである。

国体論及び純正社会主義 自筆修正版

国体論及び純正社会主義 自筆修正版

北一輝、長谷川雄一(政治学) / ミネルヴァ書房
2007/12出版
ISBN : 9784623040872
価格:¥12,960(本体¥12,000)

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白井聡さんコメント近代国家とは何か、近代化革命としての明治維新とは何か、近代国家の君主としての天皇とは何か、といった問いに対して、北一輝ほど「まっとうに」モダンな回答を用意した者はいなかった。だが、この最高度に「まっとうな」思想は、思考の方向性が全く異なる者たち(陸軍皇道派)によって実践に移される。そこには思想それ自体がはらむ逆説がある。

「思想」としての大塚史学 戦後啓蒙と日本現代史

「思想」としての大塚史学 戦後啓蒙と日本現代史

恒木健太郎 / 新泉社
2013/03出版
ISBN : 9784787713070
価格:¥4,104(本体¥3,800)

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白井聡さんコメント大塚史学は、丸山政治学を並んで「戦後民主主義」の二大支柱とみなされてきたが、その内実を鋭く抉り出すのが本書である。流通・商業に対する生産の優位を規範として説く大塚理論が、民主主義の柱たり得ていたのか。それは戦後民主主義の崩壊過程においてあらためて問い直されるだろう。

日本浪曼派批判序説

日本浪曼派批判序説

橋川文三 / 未来社
2009/05出版
ISBN : 9784624600938
価格:¥3,456(本体¥3,200)

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白井聡さんコメントナショナリズムの再燃と内在的危機(国民国家の衰退)という今日の状況にあって、橋川文三はあらためて読まれるべき思想家として立ち現われている。本書は、文学的ウルトラナショナリズムとしての日本浪漫派を分析するものだが、良い意味で冷静な分析ではない。それは、橋川自身の魂の解剖なのだ。

日本の近代化と民衆思想

日本の近代化と民衆思想

安丸良夫 / 平凡社
1999/10出版
ISBN : 9784582763065
価格:¥1,836(本体¥1,700)

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白井聡さんコメント天理教や大本教によって代表される民衆思想は、日本思想の尽きせぬ地下水脈だ。それらはしばしば、特異な、しかしありふれた個人の底なしの絶望のなかから生まれてきた。彼らが体現した異常なまでの思想の強度が今日の民衆の生成にとって持つ意味は、きわめて重大である。

三十三年の夢

三十三年の夢

宮崎滔天、島田虔次 / 岩波書店
1993/05出版
ISBN : 9784003312216
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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白井聡さんコメント日本のアジア主義は結果としてアジア諸国と日本自身に深い傷跡を残した。しかし、竹内好が述べたように、そこに含まれた問題設定の忘却は、歴史の本質そのものを見失わせるだろう。そして、アジア主義の最良の部分を代表するのが本書であることに疑いはない。

花ざかりの森/憂国 自選短編集

花ざかりの森/憂国 自選短編集

三島由紀夫 / 新潮社
2010/04出版
ISBN : 9784101050027
価格:¥594(本体¥550)

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白井聡さんコメント本書は、三島由紀夫の最大の問題作とも言われる。エロティシズムと政治、直情とアイロニー、行動と認識、三島文学の中核をなす数々の二元論は、果たして本作において弁証法的に統合されているのか。その答えが出るとき、三島という謎は解かれるのかもしれない。

野生の科学

野生の科学

中沢新一 / 講談社
2012/08出版
ISBN : 9784062177443
価格:¥2,376(本体¥2,200)

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白井聡さんコメント中沢思想の最新の到達点。文明の病理はどこにあり、それを乗り越える新しき「野生の思考」(レヴィ=ストロース)の可能性はどこにあるのか、鮮やかな手さばきで示してくれる本書は、まるで宝石箱のようだ。

例外社会 神的暴力と階級/文化/群集

例外社会 神的暴力と階級/文化/群集

笠井潔 / 朝日新聞出版
2009/03出版
ISBN : 9784022505484
価格:¥4,320(本体¥4,000)

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白井聡さんコメント全共闘世代の知識人たちのなかで、節を曲げず、かつ「戦後の終わり」に露呈した諸問題に対して正面から回答しようとしている人が一体何人いるだろうか。笠井は数少ない一人である。また、近現代の政治構造の変動史についての笠井の記述は見事と言うほかない。

資本主義後の世界のために 新しいアナ-キズムの視座

資本主義後の世界のために 新しいアナ-キズムの視座

デヴィッド・グレ-バ-、高祖岩三郎 / 以文社
2009/04出版
ISBN : 9784753102679
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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白井聡さんコメント主著Debtの翻訳刊行が待たれるグレーバーであるが、本書は彼のアナーキズム思想のエッセンスを示すものだと言える。アナーキーは、遠い昔のことではないし、無限に遠い未来の理想でもない、いまここにある、と力強く快活に語るグレーバーの魅力を十分に味わうことができる。

経済ジェノサイド フリ-ドマンと世界経済の半世紀

経済ジェノサイド フリ-ドマンと世界経済の半世紀

中山智香子 / 平凡社
2013/01出版
ISBN : 9784582856668
価格:¥907(本体¥840)

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白井聡さんコメント「理論も大衆をつかむや否や物質的な力となる」とはマルクスの言葉だが、ネオリベ経済学の総帥、ミルトン・フリードマンはこれをマルクスとは全く逆の政治的立場から実践してみせた。本書は、その歴史過程の叙述であり、批判的解明である。

市民科学者として生きる

市民科学者として生きる

高木仁三郎 / 岩波書店
1999/09出版
ISBN : 9784004306313
価格:¥885(本体¥820)

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白井聡さんコメント3.11以降、御用学者批判の嵐が吹き荒れるなか、あらためて「知識人とは何か」「科学は社会においていかにあるべきか」という問いが、切迫したものとなっている。信念の人、高木仁三郎の遺した言葉は、こうした問いを問う人にとって、永遠の道標であり続けるだろう。

終わりなき危機君はグロ-バリゼ-ションの真実を見たか

終わりなき危機君はグロ-バリゼ-ションの真実を見たか

水野和夫 / 日本経済新聞出版社
2011/09出版
ISBN : 9784532354077
価格:¥3,024(本体¥2,800)

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白井聡さんコメント本書の提示するヴィジョンは明確だ。すなわち、今日の世界的経済危機は、小手先の手段によって解決できるような類のものではない、中世から近代への転換に匹敵する大転換がいま進行しつつある、という。予断を排して考え抜くことの重要性を読者は確信することになるだろう。

スモ-ル・イズ・ビュ-ティフル 人間中心の経済学

スモ-ル・イズ・ビュ-ティフル 人間中心の経済学

E・F・シュマッハ-、小島慶三 / 講談社
1986/04出版
ISBN : 9784061587304
価格:¥1,328(本体¥1,230)

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白井聡さんコメントシューマッハーの経済学批判を読むと、「失われた二〇年」という言葉がいかに誤っているかがよくわかる。今日表面化した問題は、すでに1970年代において本質を見抜かれ指摘されていた。失われたのは二〇年どころではなく、四〇年なのだ。もはや私たちに怠惰は許されない。

貧乏人の逆襲! タダで生きる方法

貧乏人の逆襲! タダで生きる方法

松本哉 / 筑摩書房
2011/12出版
ISBN : 9784480428905
価格:¥691(本体¥640)

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白井聡さんコメントゼロ年代以降、「貧乏」はこの国に帰ってきた。それはますます多くの人々にとって、生活の前提となりつつある。しかし、「貧乏」と「貧困」は似て非なるものだ。貧困は絶対的に好ましくないのに対し、貧乏でありかつ豊かであることはありうる。ただし、そのためには一定の「生の作法」が必要だ。本書は、それを笑いに包んで教えてくれる。

未完のレ-ニン 〈力〉の思想を読む

未完のレ-ニン 〈力〉の思想を読む

白井聡 / 講談社
2007/05出版
ISBN : 9784062583879
価格:¥1,728(本体¥1,600)

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白井聡さんコメント私の最初の著作。レーニンの二つのテクスト、『何をなすべきか』と『国家と革命』を徹底的に読み解くことによって、レーニンの特異な「力の思想」を浮かび上がらせることを狙った。この「力」とはもちろん、革命そのものの「力」である。

「物質」の蜂起をめざして レ-ニン、〈力〉の思想

「物質」の蜂起をめざして レ-ニン、〈力〉の思想

白井聡 / 作品社
2010/05出版
ISBN : 9784861822889
価格:¥2,808(本体¥2,600)

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白井聡さんコメントレーニンについて、なぜ私は二冊も本を書いたのか。それは、革命という出来事は時に必要であるという命題を提示するためであった。この命題の正しさは、3.11以降、基本的に証明されたと私は考えている。

日本人が知らないウィキリ-クス

日本人が知らないウィキリ-クス

小林恭子、白井聡 / 洋泉社
2011/02出版
ISBN : 9784862486936
価格:¥820(本体¥760)

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白井聡さんコメントウィキリークスについて日本語で書かれた書物では最も早い部類に属する。私は、主権国家による秩序が溶解してゆく時代における新しいアナーキズムの運動として、この現象をとらえることの必要性を唱えた。

時間・労働・支配 マルクス理論の新地平

時間・労働・支配 マルクス理論の新地平

モイシェ・ポストン、白井聡 / 筑摩書房
2012/08出版
ISBN : 9784480867223
価格:¥6,480(本体¥6,000)

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白井聡さんコメント資本制が続く限り、マルクスは何度でも甦る。問題は、「どのように甦らせるのか」にある。本書が提唱するその方法は、「現実に存在した社会主義」以後の時代にも十二分に通用する。「人類の前史」は終わってはいない、「人類の歴史」はこれから始まる。

国家と革命

国家と革命

ヴラジ-ミル・イリイチ・レ-ニン、角田安正 / 講談社
2011/12出版
ISBN : 9784062920902
価格:¥1,080(本体¥1,000)

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白井聡さんコメント本書には解説を寄せさせてもらった。本書は、「戦後」にとっても重要な意味を持っている。「空理空論」という罵声をさんざん浴びせられてきたこの書物の思想に私たちの実生活がどれほど多くのものを負ってきたか、ネオリベラリズムが無敵の行進を続けるなか、このことがいま痛みとともに告げられているのである。

戦略の工場 レ-ニンを超えるレ-ニン

戦略の工場 レ-ニンを超えるレ-ニン

アントニオ・ネグリ、中村勝己(翻訳) / 作品社
2011/11出版
ISBN : 9784861823510
価格:¥4,104(本体¥3,800)

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白井聡さんコメント本書にも解説を寄せた。ネグリの浮かび上がらせるレーニン像は、当時の誰のそれにも似ていなかっただろう。欲望すること、それも「正しく」欲望することの重要性と困難こそに私たちの未来が懸かっていることを、ネグリはレーニンとともに指摘している。


「じんぶんや」とは?

jinbunya.gifこんにちは。じんぶんやです。
2004年9月、紀伊國屋書店新宿本店に「じんぶんや」という棚が生まれました。

「じんぶんや」アイデンティティ1
★ 月 が わ り の 選 者
「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたちです。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考えて立ち上げました。数多の本を読み込んだ選者たちのおすすめ本は、掛け値なしに「じんぶんや」推薦印つき。
「じんぶんや」アイデンティティ2
★ 月 が わ り の テ ー マ
人文科学およびその周辺の主題をふらふらと巡っています。ここまでのテーマは、子どもが大きくなったら読ませたい本、身体論、詩、女性学...など。人文科学って日々の生活から縁遠いことではなくて、生きていくのに案外役に立ったりするのです。

ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
「じんぶんや」バックナンバー
こちらのページから今までの「じんぶんや」をご覧いただけます。

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【じんぶんや第90講】白井聡選「さあ、「戦後」を終わらせよう!」
場  所 紀伊國屋書店新宿本店 3Fカウンター前
会  期 ※好評につき2013年9月19日(木)まで延長しております。
お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-5703

2013.06.15 特集[TOP]  人文 売れそう 東京 関東 じんぶんや 戦後 敗戦 白井聡