魂の変容 - 心的基礎概念の歴史的構成

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魂の変容 - 心的基礎概念の歴史的構成

  • 著者名:中畑正志
  • 価格 ¥5,500(本体¥5,000)
  • 岩波書店(2023/10発売)
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  • ISBN:9784000237932

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内容説明

「対象」「感情」「想像力」「志向性」など,心のはたらきにかかわる基本用語の成立とその意味変容の歴史を古代ギリシアから歴史的にたどり,その言葉に織り込まれた意味を解きほぐす.内的で能動的存在という通念から解放された心の描像を提示し,心をめぐる探究に分野を超えて豊かな示唆を与える注目の書.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

序 異なる思考の方向感覚を取り戻すために
I 名づける,喩える,書き換える
1 何を名づけるのか
2 心の能動―受動という「メタファー」
3 「堪え忍べ,わが心臓」
4 プラトン――能動―受動はいかにして魂について語られるのか
5 アリストテレス――魂のはたらきはなぜパトスなのか
6 心の人文学,そして心の哲学へ向けて
II オブジェクトとの遭遇
――「主客転倒」以前の対象概念――
1 主―客は転倒したか?
2 「オブイェクトゥム」の参入
3 相関的対象――アリストテレスのアンティケイメノン
4 「オブイェクトゥム」の導入状況
5 魂が直面する身体への刻印――ボエティウスにおける「オブイェクトゥス」
6 小休止――哲学的含意
7 事物の形象(スペキエース)――アウグスティヌスにおける「オブイェクトゥス」
8 表象(ファンタシアー)――ストア派における「オブイェクトゥス」
9 オブイェクトゥムはいかにして<対象>となったか
10 精神はオブイェクトゥムに遭遇する
11 対象に開かれた心へ
III <感情>の論理,理論としての<感情>
1 <感情>の現在
2 古代感情論の再評価
3 <感情>の理論
IV ファンタシアーの変貌
――現われ・表象・想像――
1 ファンタシアーの略歴
2 アリストテレスのファンタシアー論の影響
3 アリストテレスのファンタシアー論の実際
4 ファンタシアーの像性
5 普遍化への指向
6 ファンタシアーの問題圏
V 志向性――現在状況と歴史的背景――
1 志向性素描
2 問題の図柄の定着
3 議論の諸前提
4 ブレンターノにおける「志向的内在」
5 アリストテレス・デカルト・ブレンターノ
6 アリストテレスの解釈史における志向性
7 異なる系譜づけの試み

あとがき
文献
古典引用索引
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

七草奈々子

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素晴らしい本。「魂」あるいはより現代的に言えば「心」や「精神」に関わる五つの概念の生成史を、現代哲学の視野のもと、特に古代哲学との関わりの中で、膨大な研究をかき分けつつ描きとる。第二章の「対象」obiectum 概念についての歴史はとりわけ必読。哲学史家のみならず、現代の認識論の問題に踏み入るものも参照すべき一冊。2022/11/26

T.Y.

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「心」「対象」「感情」「想像力」「志向性」という5つのトピックについて、概念の歴史的変遷を辿ると同時に、アリストテレスに見られる現代とは異なる考え方と、その現代的可能性を提示する。想像以上に面白くて一気に読んでしまった。引き合いに出されている現代哲学の議論の多くは分析哲学のものだが、現象学のキー概念である「志向性」を扱っていることからも分かる通り、扱われている問題の射程は広い。古代哲学はもちろん、現代哲学の研究者も必見の一冊。2013/05/27

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