チャーリー・パーカーの技法 - インプロヴィゼーションの構造分析

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チャーリー・パーカーの技法 - インプロヴィゼーションの構造分析

  • 著者名:濱瀬元彦
  • 価格 ¥6,050(本体¥5,500)
  • 岩波書店(2023/08発売)
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  • ISBN:9784000238823

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内容説明

パーカーの膨大な数のアドリブを徹底採譜し,20年の考察を経て析出されたその技法.パーカーが残した言葉“Relative Major”“flatted fifths”とは何だったのか.コードの連なりを縦横に駆け巡る圧倒的な即興演奏を繰り広げたパーカーの音楽を分節化し,革新性を理論的に解き明かす.モダン・ジャズの核心を衝く音楽言語の構造分析.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

凡例
序章
1 和声外音(装飾音)
1.1 経過音
1.1.1 経過音により下降の音階型をとる分散和音
1.1.2 経過音により上昇の音階型をとる分散和音
1.2 刺繍音
1.2.1 和声音の2度上が挿入される場合(プラルトリラー,pralltriller),下降形
1.2.2 和声音の短2度下が挿入される場合(モルデント,mordent),上昇形
1.3 前打音(Appoggiatura)
1.3.1 外音(和声外音)そのものとしての前打音
1.3.2 掛留(suspension)としての前打音
1.3.3 主音へと転化する前打音
1.4 ターン
1.4.1 ターン
1.4.2 転回ターン
1.5 複前打音
1.5.1 複前打音
1.5.1.1 レスター・ヤングの複前打音
1.5.1.2 コードの前の複前打音
1.5.1.3 コードの中に挿入された複前打音
1.5.1.4 トニック形の中の複前打音
1.5.2 掛留音としての複前打音
1.5.2.1 下方短2度をもつ複前打音
1.5.2.2 下方長2度をもつ複前打音
1.5.2.3 複前打音,下方長2度の半音階化
2 リニア・ライン
2.1 スウィング・ジャズ時代のリニア・ライン
2.1.1 レスター・ヤング
2.1.2 コールマン・ホーキンス
2.1.3 チュー・ベリー
2.2 チャーリー・パーカーのリニア・ライン
2.2.1 コード・チェンジを伴わないリニア・ライン 4度進行,5度進行,2度進行
2.2.2 コード・チェンジを伴うリニア・ライン
2.2.2.1 6度進行への変換,セル
2.2.2.2 短2度下降
2.2.2.3 ダイアトニック・コードの2度移動
2.3 チャーリー・パーカーの半音階について
3 Relative Major
3.1 「コードの高い方のインターバルをメロディー・ラインとして使って」
3.2 「適切に関係コードで戻していけばいい」
3.3 「“Relative Major”をセブンス・コードに対して使うことができる」
3.4 「それをflatted fifthsして使いこんだ」
3.4.1 flatted fifths(1)
3.4.2 flatted fifths(2)
3.4.3 flatted fifths(3)
3.5 Relative Major諸形態
4 Relative Majorの変形
4.1 Relative Major,5度の変形
4.2 Relative Major,7度の変形
4.3 Relative Major全体の減5度変形
5 Tonic Majorの旋律化
5.1 前打音,複前打音,ターン,リニア・ラインによる旋律化
5.2 和声構造による旋律化,Relative Majorとの関係
5.3 Tonic領域でのコード・チェンジ
6 Relative Minor
6.1 ♭VIIm7 of V7,Relative Minor
6.2 Relative Major→Relative Minor
6.2.1 ♭VIIm6(♭5) of V7,diminish
6.2.2 減5度変換とRelative Minor
6.2.2.1 ♭VIIm7(♭5) of V7
6.2.2.2 減5度変換による「diminish」
6.2.3 短3度上のドミナント・セブンスから導き出されるRelative Minor
6.3 単独で使われるRelative Minor
6.4 Relative Minor→Relative Major
6.5 Relative Minor→Relative Major→diminish(Relative Minor)
6.6 Relative Minorを使ったコード・チェンジ
7 Tonic Minorの旋律化
7.1 Minor triadの前打音,複前打音,ターンを使った旋律化
7.2 Tonic Minorと和声構造
7.2.1 完全5度下のドミナント・セブンス(♯11,13)を基盤とするTonic Minor
7.2.2 完全5度上のドミナント・セブンス(♭9,♭13)を基盤とするTonic Minor
8 コード・チェンジと旋律技法の諸形態
8.1 Rhythm change
8.1.1 Rhythm changeについて
8.1.2 楽曲分析
8.2 Blues
8.2.1 Bluesについて
8.2.2 楽曲分析
8.3 Ballade ダブルタイムの技法
8.3.1 “Ballade”について
8.3.2 楽曲分析
8.3.3 ダブルタイムの技法
8.3.3.1 分散和音の音階化,半音階化
8.3.3.2 Relative Majorの反復
8.3.3.3 リニア・ラインとその構成セルによる和声の細分化
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大竹 粋

5
ついに読破、というか全部とりあえず弾いてみた。著者が約20年間にわたって構造分析したパーカーのフレーズを知的にカテゴライズしたという、超マニアックな本。療養期間もあり、自分的にはとりあえず1回目のおさらいをしました。 ひょっとするとパーカーは理屈である程度は構造を考えて組み立てたフレーズかもしれないし、瞬発力でガイドラインとしてのRelative Majorを脳におもいうかべてなぞったのかもしれない。それとも、たまたま彼の感覚が結果としてそうなっていたのかもしれない。そこはミステリーである。2015/01/19

Happy Like a Honeybee

4
「ゆっくりでいいから、少しずつ」 モダンジャズのイノベーターであるチャーリーパーカー。 薬物使用により35歳で夭折した事は文化資本の喪失と言える。 レスターヤングやコールマンホーキンスなど先人たちのフレーズを、発展させた功績を研究している。 神懸かり的な展開を紐解くとFのブルースの応用だったり、12keyの重要さを再認識。全ての演奏をコピーしたい衝動にかられるのは自分だけではないだろう。2015/03/13

Nepenthes

2
バードの演奏を採譜し、丁寧に解析した労作。バードのその脅威的な即興演奏が、コードを転回・展開した一論シンプルなものだったということがよくわかる。しかしそれを羅列されたコード進行の中で代理コードや経過音を駆使しながら行なうのは神憑りであることは間違いなく、バードが紛れもない天才であり真の努力家であったことをまた証明している。一つのメロディーラインからコードを創出し、そこからさらに展開してアルペジオやラインを連続・連結させる…どれだけの練習と発想を積み重ねていたのだろうと驚嘆せざるを得ない。音楽理論の傑作書。2022/03/17

Ukulele Kazu

0
パーカーのフレーズを独自?の理論徹底解剖した理論書。労作であることは間違いない。読み切るまで半年かかった。理解できない部分大。パーカーがこの本に書いてあることを全部考えてやっているとしたらすごい。2015/01/24

tegege

0
和音知識無くほとんど理解できなかったが、分割で理論化らしい。一曲で良いから、フルのソロを分析と、共演者との相違を解説してほしかった。前書きで言う「恣意の引用」と何が違うのか、の疑問がどうしても湧いてしまう。とはいえ、コード進行の知識が増すほどに、本書へ立ち返ると興味深い印象を常に受けそうな本だ。2013/12/17

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