内容説明
旧態依然のイメージで語られ続ける霞が関官僚の職業実態を示し,職業としての官僚が国民や政治に対し担うべき役割,現状をあるべき官僚像に近づける方途を,政官関係の歴史的変遷,各国比較などを交えながら考える.メディアでのバッシングや政治主導の掛け声だけに満足せず,我が事として官僚を見つめる必要を説く.
目次
はじめに
第1章 日本の官僚の実像 どこが昭和末期から変化したのか
1 職業の外面的事情
2 仕事の内容
3 各省当局の工夫
4 小括 合理性や官民均衡が強まった半面,政治的応答は聖域化
第2章 平成期公務員制度改革 何が変化をもたらしたのか
1 近代官僚制の創設から昭和末期まで
2 改革を考える枠組み
3 時系列でみる改革
4 平成期改革の帰結
5 小括 改革項目のつまみ食いによって,官僚が「家臣」に回帰
第3章 英米独仏4か国からの示唆 日本はどこが違うのか
1 4か国の官僚の実像
2 4か国の政官関係
〈コラム1〉国際機関人事
〈コラム2〉規範にはならない「専門性」
3 近年の変化
4 小括 日本の特徴は,①政治的応答の突出,②無定量な働き方,③人事一任慣行
第4章 官僚論から現代への示唆 どうすれば理念に近づけるのか
1 官僚制改善に向けた手がかり
2 感情を排した執行か,思考停止の回避か(ドイツ)
3 政治の遮断か,専門家の自律か,それとも政治への従属か(米国)
4 企業経営型改革か,国家固有の現代化か
5 「民主的統制」への新たな視点
6 小括 「あるべき官僚」を実現させるには,自分ごとでとらえる必要
結び 天職としての官僚
あとがき
参考文献
年表(公務員制度に関する主な変化)
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