岩波新書<br> 検察審査会 - 日本の刑事司法を変えるか

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岩波新書
検察審査会 - 日本の刑事司法を変えるか

  • 著者名:デイビッド・T.ジョンソン/平山真理/福来寛
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2022/07発売)
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  • ISBN:9784004319238

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内容説明

日本の検察審査会は世界でも類を見ない独特な機関だ.11人の市民で構成されるこの組織は,絶大な権力を握るプロの検察官が下した不起訴処分を検証し,事件の再捜査および起訴すべきかを決定する.裁判員制度と違い,強制起訴の権限を付与されその重要性がようやく認知され始めたばかりの検察審査会の初の体系的な分析を示す.

目次

謝辞
序文
第1章 検察官と検察審査会
刑事司法における市民参加
検察官についての問題(①権力②裁量③非違行為④イデオロギー⑤アカウンタビリティー⑥惰性⑦役割の曖昧さ)
三つの枠組み(①被害者②不処罰③民主主義)
第2章 検察審査会の誕生と運用
検察審査会の誕生
1948年の検察審査会法
検察審査会の改革(①犯罪被害者の権利運動②司法制度改革③福岡高裁判事妻ストーカー事件)
検察審査会の運用
検察審査会は大陪審と見なされるか
検察審査会は日本の特別検察官なのか
結論
第3章 検察審査会の影響
俯瞰的な見方
検審バック
検審バックの影響
金丸事件で急増した不満の声
結論
第4章 強制起訴
1 明石花火大会歩道橋事件
2 JR福知山線脱線事件
3 沖縄未公開株詐欺被告事件
4 陸山会事件
5 尖閣諸島中国漁船衝突事件
6 徳島県石井町長暴行事件
7 ゴルフインストラクター準強姦被告事件
8 柔道教室学生重傷事件
9 東名高速道路あおり運転をめぐる名誉毀損事件
10 東電福島第一原発事件
ホワイトカラー犯罪と強制起訴
結論
第5章 教訓
強制性交(旧強姦)事件を起訴しないという問題
教訓(①検察官をチェックすることは可能②検察審査会の起源③正当化がもたらす効果④検審バックの効果⑤影効果と影響⑥強制起訴と有罪判決の少なさ⑦企業犯罪の抑制に向けた課題⑧分かっていないことが多い⑨市民の満足度⑩検察審査会の危険性⑪民主的な刑事訴追を目指して⑫他国への示唆)
改革のための提言

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のせなーだ

3
確実に有罪となる時のみ起訴する検察。無罪率0%。起訴する権力の強大さと不起訴処分の説明を一切しない検察。不起訴処分の7割が起訴されるべきパターン。処罰される犯罪者のほうは3割。不起訴で利益を得る加害者と犠牲になった被害者との対比。この理不尽で良い訳がない。刑事制裁の不公平、階級地位人種など偏見差別に行き着く。裁判もできない被害者救済の検察審査会は検察権力に屈せず積極的にチェック機能を発揮し不正義に対する改善を進めるべきだ。検察は負けを恐れて重要事件を避けないこと。裁判所と審査会は検察に追従しないこと。2023/09/01

バーニング

3
司法制度における検察審査会の立ち位置を制度導入の経緯や日本の検察の特殊性(起訴便宜主義や起訴後有罪率99%など)と比較して詳細に論述しているのが大きなポイント。後半には実際のケースの検討になっているが、性犯罪やホワイトカラー犯罪の起訴と有罪の難しさについて厳しい批判を重ねている。さらに検察審査会制度の周知の不足や、審査会メンバーに偏りがあるという指摘なども、司法における公平性や正義の実現という観点で重要だろうと感じた。2022/12/24

おやぶたんぐ

3
日本の検察官制度、ひいては司法手続には本書が指摘するように様々な問題があることは否めない。その是正のための民主的な一手段として、検察審査会の重要性を強調し、その活性化を図ろうとする本書の主張に断固反対というわけではない。しかし、ホワイトカラー犯罪や性犯罪で処罰されるべき存在が処罰されない現状を、検察審査会によって変えていこうとする意図が色濃く浮き彫りになっている本書の姿勢に、一抹ならぬ不安を覚えるのも又事実である。2022/10/19

たろーたん

2
米国では検察官の起訴を抑制する大陪審だが、日本は逆に検察官の不起訴をチェックする検察審査会という正反対の制度だ(大陪審も不起訴になっても、別の大陪審を集めてもう一度やったり、予備審問で裁判官一人を納得させることで起訴できるため、形骸化してるらしい)。被害者の感情や不処罰による不正義(特に、警官、政治家、ホワイトカラーの犯罪)から、検察審査会は検察官が不起訴にした事件を再考及び強制起訴させることが出来る。全国に165ヶ所あるが検察審査会だが、だいたい六ヶ月の任期中に任される件数は10件程度らしい。(続)2022/11/07

Go Extreme

2
検察官と検察審査会: 刑事司法における市民参加 検察官についての問題 三つの枠組み 検察審査会の誕生と運用: 検察審査会の誕生 1948年の検察審査会法 検察審査会は日本の特別検察官なのか 検察審査会の影響: 俯瞰的な見方 検審バック 検審バックの影響 金丸事件で急増した不満の声 強制起訴: 明石花火大会歩道橋事件 JR福知山線脱線事件 沖縄未公開株詐欺被告事件 陸山会事件 東電福島第一原発事件 ホワイトカラー犯罪と強制起訴 教訓: 強制性交(旧強姦)事件を起訴しないという問題 改革のための提言2022/05/21

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