内容説明
日本の検察審査会は世界でも類を見ない独特な機関だ.11人の市民で構成されるこの組織は,絶大な権力を握るプロの検察官が下した不起訴処分を検証し,事件の再捜査および起訴すべきかを決定する.裁判員制度と違い,強制起訴の権限を付与されその重要性がようやく認知され始めたばかりの検察審査会の初の体系的な分析を示す.
目次
謝辞
序文
第1章 検察官と検察審査会
刑事司法における市民参加
検察官についての問題(①権力②裁量③非違行為④イデオロギー⑤アカウンタビリティー⑥惰性⑦役割の曖昧さ)
三つの枠組み(①被害者②不処罰③民主主義)
第2章 検察審査会の誕生と運用
検察審査会の誕生
1948年の検察審査会法
検察審査会の改革(①犯罪被害者の権利運動②司法制度改革③福岡高裁判事妻ストーカー事件)
検察審査会の運用
検察審査会は大陪審と見なされるか
検察審査会は日本の特別検察官なのか
結論
第3章 検察審査会の影響
俯瞰的な見方
検審バック
検審バックの影響
金丸事件で急増した不満の声
結論
第4章 強制起訴
1 明石花火大会歩道橋事件
2 JR福知山線脱線事件
3 沖縄未公開株詐欺被告事件
4 陸山会事件
5 尖閣諸島中国漁船衝突事件
6 徳島県石井町長暴行事件
7 ゴルフインストラクター準強姦被告事件
8 柔道教室学生重傷事件
9 東名高速道路あおり運転をめぐる名誉毀損事件
10 東電福島第一原発事件
ホワイトカラー犯罪と強制起訴
結論
第5章 教訓
強制性交(旧強姦)事件を起訴しないという問題
教訓(①検察官をチェックすることは可能②検察審査会の起源③正当化がもたらす効果④検審バックの効果⑤影効果と影響⑥強制起訴と有罪判決の少なさ⑦企業犯罪の抑制に向けた課題⑧分かっていないことが多い⑨市民の満足度⑩検察審査会の危険性⑪民主的な刑事訴追を目指して⑫他国への示唆)
改革のための提言
注
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