岩波新書<br> 政治責任 民主主義とのつき合い方

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岩波新書
政治責任 民主主義とのつき合い方

  • 著者名:鵜飼健史
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2022/05発売)
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  • ISBN:9784004319139

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内容説明

政治責任を問うことも,それを看過することも日常になってしまったいま,私たちは「政治に無責任はつきものなのだ」という諦念を追認するしかないのか.自己責任論と政治不信の渦中で政治責任を取らせることは可能なのか.H.アーレントや丸山眞男などを参照しつつ,政治責任をめぐるもどかしさの根源を理論的に究明する.

目次

はじめに
第1章 無責任な政治のなかの責任
1 現代政治の責任
2 責任と日本戦後政治史
3 信頼が欠如した現代政治
第2章 責任がある
1 政治責任の形態論
2 権力と責任
3 政治責任としての戦争責任
第3章 責任を取る
1 政治責任は結果責任?
2 アカウンタビリティと政治責任
3 責任を取る政治の構想
第4章 無責任から責任へ
1 政治問題としての無責任
2 無責任な政治
3 なぜ政治責任が取られないのか
第5章 政治責任の未来
1 責任の自覚
2 あらためて自己責任を考える
3 民主主義の責任
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

18
(読書会課題本)政治家が無責任で政治責任をとらないのなら我々が責任をとろう!①「しかたがない」をやめること。どんな状況でも選択を考量する努力をする。②特定の支持をやめる。岩盤支持層を崩す。③「ほかに選択肢がないから」を理由にしない。選択の余地を残すような選択をする。無責任政治家たちを量産したことを我々の責任と自覚することが政治家に政治責任をとらせることにつながるという主張には大いに賛同する。2023/05/31

ふみあき

16
丸山眞男やハンナ・アーレントに依拠しながら、現代における政治責任の捉え方を、倫理的な次元(つまりは大衆の為政者に対するルサンチマン)、そしてネオリベラルな自己責任論から解放し、未来指向型のものに再編成する方途が考究される。が、結論は「政治家は私たちを映し出す鏡」なんだから、市民一人ひとりが俗流リアリズムに屈することなく、デモクラシーの理想を追求しよう的な凡庸さ(もちろん凡庸だから間違っているわけではない)。2022/04/30

どら猫さとっち

10
無責任な政治家が多くいるなかで、どれぐらい政治に責任を持つべきか。本書を読みながら、安倍政権下で起きた森友・加計学園や桜を見る会の問題、コロナ対策、東京五輪などのことを考えていた。政治家たちに責任があると言っている私たちは、どうなのか。読み進めているうちに、その政治家を選んだ有権者にもあるのではないかと思うこともあり、ぞっとしてしまう。参院選が近いている今、読んだほうがいい一冊。2022/06/25

6
「(政治家による世間を騒がした事柄のついての謝罪)こうした対応が政治的に無責任なのは、政治における可能性を問題化せず、別件として謝罪するからだ。政治責任への冒瀆という意味では、いっそう罪深い態度だと言えるかもしれない。同様の態度は、政治家に対する批判を悪口と解釈して、批判精神の芽を摘んでしまったり…。あるいは、同情を誘うような、病気を理由にした政治責任の履行の否定や、本職の政治家の死亡すら、「弔い合戦」と称して次の選挙活動のエネルギーに転化する作法もまた、政治責任を毀損する。」p.181-2022/07/15

Bevel

6
問いは好きなのだけど、煮詰まっていない感じ。。「政治家が無責任だったとする。それは、自らの政治責任に関して、与えられた権力を適切に行使しないような状況だ。それを不満に私たちが思うのであれば、自らの選択した責任において、権力を行使すればよい。そうすれば、無責任な権力者は権限を奪われるか、自らの責任で権力を行使せざるをえない(195)」途中の思想史の議論の整理不足もあるけど、結局上記のアクロバティックな推論がほとんど直感だよりなのがつらい。非専門家のひとに書こうとした意気込みはわかるけれど、うーん。。2022/03/02

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