岩波文庫<br> スペイン文学案内

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岩波文庫
スペイン文学案内

  • 著者名:佐竹謙一
  • 価格 ¥1,122(本体¥1,020)
  • 岩波書店(2022/02発売)
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  • ISBN:9784003500262
  • NDC分類:960.2

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内容説明

日本ではあまり知られてこなかったスペイン文学の豊饒な世界を案内するハンディーな文庫版文学史.全体を二部構成とし,I「スペイン文学の動向」では文学史の流れを簡潔に概説し,II「主要な作家と作品」では,セルバンテス,ケベード,カルデロン,ガルシア・ロルカその他にスポットを当て,それぞれの特色と魅力をわかりやすく伝える.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

はじめに┴I スペイン文学の動向┴第一章 中世の文学┴レコンキスタのスペイン┴十四世紀までの文学┴1 詩┴1―1 抒情詩┴1―2 叙事詩┴1―3 教養派俗語文芸┴1―4 十四世紀の詩┴2 散文┴十五世紀の文学┴1 詩┴1―1 カンシオネーロほか┴1―2 ロマンセ┴2 散文┴3 演劇┴第二章 黄金世紀の文学┴ハプスブルク朝スペイン┴十六世紀の文学┴1 散文┴1―1 小説ほか┴1―2 大航海時代の記録┴2 詩┴3 神秘主義文学┴4 演劇┴十七世紀の文学┴1 散文┴2 詩┴3 演劇┴第三章 十八世紀の文学┴ブルボン朝スペイン┴十八世紀の文学┴1 後期バロック┴2 啓蒙主義と新古典主義┴2―1 散文┴2―2 演劇┴2―3 詩┴3 前期ロマン主義┴第四章 十九世紀の文学┴混迷の時代┴十九世紀の文学┴1 ロマン主義┴1―1 散文┴1―2 演劇┴1―3 詩┴2 写実主義┴3 自然主義┴第五章 二十世紀の文学┴現代の危機┴一九三九年までの文学┴1 散文┴1―1 〈九八年世代〉┴1―2 〈一四年世代〉と亡命作家┴2 演劇┴2―1 商業演劇ほか┴3 詩┴3―1 モデルニスモほか┴3―2 〈二七年世代〉┴内戦後の文学┴1 散文┴2 演劇┴2―1 気晴らしのための演劇┴2―2 ユーモア劇┴2―3 亡命劇作家┴2―4 社会派写実主義演劇┴2―5 新たな演劇に向けて┴3 詩┴3―1 〈三六年世代〉┴3―2 戦後のさまざまな詩傾向┴II 主要な作家と作品┴中世┴1 叙事詩と『わがシッドの歌』 レコンキスタを背景にしたエル・シッドの名誉回復┴2 『よき愛の書』 十四世紀スペイン社会の人間模様┴3 フアン・マヌエル『ルカノール伯爵』 教訓の書┴4 マンリーケ『父の死に寄せる詩』 生と死と永遠の名声┴5 ローハス『ラ・セレスティーナ』 罪深い愛は反面教師┴黄金世紀┴6 『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』 十六世紀スペイン社会の縮図┴7 セルバンテス『ドン・キホーテ』 破天荒の反騎士道物語、その解釈の変遷┴8 ケベード『ぺてん師ドン・パブロスの生涯』 本格的なピカレスク小説┴9 ゴンゴラ『ポリフェーモとガラテーアの寓話』 典型的な文飾主義の詩┴10 ロペ・デ・ベーガ 「新しい演劇」と名誉劇┴11 カルデロン『人生は夢』と『世界大劇場』 バロック演劇の華、人生の儚さ┴十八世紀┴12 モラティン『娘たちの空返事』 モラルを重視した新古典主義演劇┴十九世紀┴13 バレーラ『ペピータ・ヒメネス』 眷恋に憂悶する若き神学生┴14 エスプロンセーダ『サラマンカの学生』 「ドン・フアン」から乖離した「第二のドン・フアン」┴15 ベッケル『抒情詩集』 愛と孤独と苦悩の心模様┴二十世紀┴16 ウナムーノ『殉教者、聖マヌエル・ブエーノ』 作者自身の苦悩を投影┴17 マチャード『カスティーリャの野』 〈九八年世代〉の精神を歌う┴18 ヒメネス『プラテーロとわたし』 道徳的視点から社会の厳しい現実を見据える┴19 ガルシア・ロルカ『血の婚礼』 代々続く両家の怨念┴20 アロンソ『怒りの息子たち』 理不尽な世の中に対する抗議、そして新しい詩に向けて┴21 オテーロ『恐ろしく人間的な天使』ほか 不安と孤独と神の沈黙┴22 センデール『鎮魂ミサ あるスペイン農夫のために』 老司祭の内的葛藤┴23 セラ『蜂の巣』 首都マドリードの青息吐息┴24 デリーベス『ネズミ』 社会の恥部を描く┴25 ブエロ・バリェホ『燃ゆる暗闇にて』 盲目の世界から┴26 リャマサーレス『黄色い雨』 孤独との凄絶な戦い┴主要参考文献┴索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

37
中世から二十世紀までのスペイン文学を紹介している。前半は時代毎にまとめられた文学史、後半は各時代における作品を取り上げて解説するという作りになっている。題名に偽りなく、丁寧で初心者にも優しい一冊だった。それにしても紹介されている本で、読んだことのあるのは『サラマンカの学生』ただ一冊だった。せめて『ドン・キホーテ』くらいは読んでみたいなあ。スペイン語文化圏では近年ではラテンアメリカの諸作品があまりにも有名すぎるが、スペイン自体も豊穣な作品が溢れていて、色々読んでみたいと思わせられた。また読みたい本が増える。2013/05/16

壱萬弐仟縁

7
発音は親しみあるスペイン語文学。叙事詩は創造的要素と史的事実が融合(25頁)。グラシアンは17世紀の人で、頭脳明晰なるも気むずかしい。人生は戦いであり、困難や逆境に対処できるよう、冷静に慎重に行動することが人生の勝利法としている(68頁)。知識は正しく生きるための教えにすぎない(190頁)とはサンデル教授をも想起する指摘か。ピカレスク(悪漢)小説は慶應通信のテキストを想起。事例の奇知主義(コンセプティスモ)は知性の刺激(231頁)。好漢でありたいが。20世紀のリャマサーレルのところで孤独の堪え難さがある。2013/04/06

シンドバッド

5
著者が触れている、急逝した牛島信明さんの構想の文学案内を読みたかったが、本書も、見事な構成である。14世紀前から現代まで、よくぞここまで!!というのが一番の感想。そして、私の読書意欲を高めてくれることに感謝!!主要参考文献の翻訳を、どこまで読めるだろうか?愉しみ!!2013/04/10

KAZOO

5
やはり岩波文庫の文学案内の最新刊だと感じました。非常に参考になる章立てとなっています。前半は中世から内戦後までの文学の通史、後半は主な作家とその作品が通史と同じように中世から紹介されておりその作品論が展開されています。スペイン文学というとあまりなじみがなく、ここに掲載されているもので私が読んだものは「ラサリーリョ・デ・トルメス」と「ドン・キホーテ」のみでした。これから消化された作品を少しでも読もうかな、と思っています。それと参考文献と索引が非常に充実しているので入門書以上の感じがしました。2013/03/05

たか

4
フランス、ドイツは読んだから今回はスペインを。2018/10/19

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