内容説明
社会生活にウソはつきもの.あなたも私もウソをつく.人はなぜウソをつく? ウソを見抜く方法はある? ウソをつきやすい人はいる? ウソをつきやすい状況は? ウソをつくとき脳で何が起きている? 人は元来ウソつきなのか正直なのか? 心理学と神経科学の最新知見から見えてきた,ウソに関する本当の話.
目次
はじめに┴第1章 人も動物もウソをつく┴第2章 ウソは見抜けるか?┴第3章 どういう場合にウソをつくのか?┴第4章 どういう人がウソをつくのか?┴第5章 ウソをつくとき脳で何がおきているのか?┴第6章 性善説と性悪説、どちらに軍配が上がるのか?┴おわりに ウソと正直さの科学はどこへ向かうか┴カバー・図6-1イラスト=いずもり・よう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつJapan
17
【良かった】思ったより面白い本。嘘に関する実験心理学の本でしょうか。たとえば疲れてきたり時間がないと嘘をつく、などなんとなく感じていたことがテーマになっています。嘘≒不正、などと置き換えてビジネスにおいても参考になるのでは?2022/09/14
武井 康則
15
著者は神経科学の専門家。4章までは主に心理学の分野で報告されている研究成果を元に嘘をつくメカニズムを紹介し、5章から脳機能研究をもとにした嘘をつくメカニズムを紹介している。能のどの部分が使われてるのか、反応しているかと言う科学的アプローチで「嘘」という現象の考察ではない。読んで思ったのは、「嘘」とは詐欺、犯罪は除いて、一般人がつくものは、決して儲けるためでなく、理想的な自己像と現実の自分を合致させたいからではないか。だから、魅惑的で、危険で、禁忌なのではないか、あくまで個人の感想で、内容と直接関係はない。2021/07/06
紫の煙
13
ウソといっても、様々である。咄嗟のウソ、計画的なウソ、不正と言えるウソ。ウソのメカニズムの解明に挑んでいるが、人間の心の問題も絡むので、簡単ではない。正確なウソ発見器が出来れば、犯罪抑止に効果的だろうが、日常に支障が出そうだ。2022/05/13
kenitirokikuti
9
図書館にて。ざっと流し読み。著者は40代前半、認知神経科学専攻。大学時代は文学部の東洋史の研究室に所属していたそうな。ウソの心理学を考えると、全く予想外だったが孟子の性善説と荀子の性悪説をめぐる論議が助けになったりしなくもなかったそうな▲今のところ、欺きや偽りという行為の倫理性がキーなのではなく、報酬性の有無が前頭葉の働きに影響あるそうな▲落とし物実験。金の入った財布と空の財布、戻るのはどっち? とわざわざ聞くからには金のある財布の方が戻るのである。ネコババするとセルフイメージが低下するので避けるのだ。2022/09/25
Hachi_bee
6
最後の最後になって、カバー紙の男性2人が孟子と荀子だとわかりました。自分の経験でも、この人は「ためらいなく/平然とウソをつく」と思うことがありました。(p.104)もしかしたら、これも発達の特性?それとも脳の損傷?性善説なのか性悪説なのか……表紙に戻る。2022/01/11