岩波文庫<br> 明治維新

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岩波文庫
明治維新

  • 著者名:遠山茂樹
  • 価格 ¥1,177(本体¥1,070)
  • 岩波書店(2021/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003816417

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内容説明

近代日本の出発点である明治維新を,幕府,朝廷,各藩の武士たちや民衆の動き,さらに対外的要因なども含めトータルに描く,戦後歴史学における記念碑的著作.維新の始発を天保の改革(1841年),その終わりを西南戦争(1877年)と捉え,民衆の手になる政治的萌芽がつぶされ,絶対主義確立へと至る過程を明快に論じた.(解説=大日方純夫)

目次

はしがき┴同時代ライブラリー版について┴序論┴一 明治維新史の学問的確立の条件┴二 資本主義論争の意義┴第一章 天保期の意義┴第一節 問題の所在┴第二節 幕府の改革┴第三節 諸藩の藩政改革┴第二章 尊王攘夷運動の展開┴第一節 外圧の性格┴第二節 尊王攘夷論の思想的性格┴第三節 政争の進展┴第三章 幕府の倒壊┴第一節 尊王攘夷運動の挫折・転回┴第二節 倒幕派の生長┴第三節 国際勢力と国内勢力との結合┴第四節 下からの革命と上からの改革┴第五節 大政奉還・王政復古┴第四章 天皇制統一政権の成立┴第一節 五箇条の誓文・政体書┴第二節 版籍奉還・廃藩置県┴第三節 地租改正・徴兵令┴第四節 学制頒布・文明開化・殖産興業┴第五章 明治維新の終幕┴文献解説┴年表┴解説(大日方純夫)┴人名索引┴件名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AKa

5
明治維新=絶対主義政権の樹立という講座派の歴史観で描かれている。序論で示される戦前の明治維新史を取り巻く環境や、膨大な注で示される史料、そして井上清を始めとする初版への批判を受けての改訂(なお、この文庫版は初版をベースとしており、改訂内容は同時代ライブラリー版のはしがきに書かれている)などから、これは維新史の概説であると同時に、遠山の考える民主的な歴史学の在り方を示すものでもあったのだろうとも感じる。そして今回の岩波文庫化は、そうした意識もまた歴史の一部となってしまったことを示すものなのかも知れない。2019/07/05

大臣ぐサン

2
本書の初版が出版されたのは1951年。日本が第二次世界大戦の敗戦を経験し、今また朝鮮戦争の勃発により戦争の恐怖が蘇った時期である。戦前の歴史学では国家的な圧力により客観的で科学的な明治維新の研究が行えておらず、戦後の民主化を契機に近代史の研究が必要とされていた。学問の世界も時代や権力とは切り離して純粋な学問的探究のみを行うことの難しさが感じられる。研究者自身も自身が身を置く社会とは無関係ではありえないのだから当然のことだが。本書もマルクス史観の立場をとっているあたり現代から見るとやはり時代性が感じられる。2021/02/23

spanasu

2
明治維新=絶対主義政権の確立とみる講座派の歴史観で描かれており、その結論自体は今となっては評価できないが、天保期から明治維新期までの政治史自体は膨大な注も含めてうまく描かれている。2020/05/03

yasu7777

2
★★★☆☆2018/11/25

悠木

1
明治維新を天保12年の幕政改革から明治10年の西南戦争までにわたる絶対主義形成の過程と捉えその推移を解説している。商品経済の発展による封建体制が動揺する中、外圧を受け、絶対主義を模索する中での主導権争いが尊王攘夷・公武合体と後付けの理論を生み出す。その構造は倒幕後の主導権争いにおいても同様。五箇条の御誓文や民選議員設立建白書はあくまでも政争の道具でその理念が地に足のついたものではなかったが、唱道者の意を超えた役割までも果たしたのではないか。2020/12/26

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