内容説明
地球は太陽系唯一,陸と海のある惑星だ! 秘密のカギは地球進化にある.著者らは日本列島の南へ延びる沈み込み帯(伊豆-小笠原-マリアナ弧)での驚きの発見から,新説「海の中で大陸が生まれる」を打ち立て,地球進化の謎解きに挑む.キーワードはサブダクションファクトリーや反大陸.科学的営みをスリリングに描く.
目次
まえがき┴1 プロローグ 陸惑星地球┴地球 大陸をもつ太陽系唯一の惑星┴惑星の形成プロセス┴地球の誕生プロセス┴地球内部の層構造とその成因┴大陸と海の違い┴2 大陸地殻 その性質と謎┴マグマ発生の基本原理┴プレートテクトニクスと海洋地殻のでき方┴大陸地殻をつくる沈み込み帯┴安山岩の成因┴二種類の安山岩のつくり方┴大陸地殻形成の謎と驚きの発見 大陸弧と海洋島弧┴3 プロジェクトIBM 海で生まれる大陸┴IBM弧の成り立ち┴IBM弧の地殻・マントル構造┴大陸地殻のつくり方 モデルとその検証┴大陸地殻が安山岩質になる理由 透明なモホ面の役割┴成熟した大陸への道 反大陸のデラミネーションと島弧衝突┴4 サブダクションファクトリー その地球進化における役割┴サブファクの原材料と製品、その製造工程┴サブファクの廃棄物とその行方┴ホットスポットとマントル深部の化学的特徴┴サブファク廃棄物の熟成とリサイクル┴5 エピローグ なぜこの惑星は地球なのか?┴熱機関としての地球┴マントル対流とプレートテクトニクス┴なぜ地球は水惑星なのか?┴地球における水と炭素の分布┴あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
21
メモです。地震波が地球内部を伝わる速度の情報を集積し、可視化する。地震波の不連続面(モホ面)を解析する。地球内部の核、マントル、地殻と外に向かって軽い層になっていく。その境界は6-60km,2900kmにある。なぜマントルが動いて陸地ができるのか。水があるからだ。柔らかくし、流動性が生まれる。動くと熱くなる。溶けて、固まり、重いものは落ちていき、軽いものは浮いてくる。43-44億年前の鉱物がオーストラリアやカナダから出ている。水が最初からあった。なぜこの惑星は地球なのか。2020/01/10
shinano
18
太陽系内では岩石惑星に分類される地球だが、水H2Oが液体で表層にあること(海である)、水金火の惑星たちより質量があるための重力で水蒸気として大気に混ざる水を捕まえている地球。地球形成時に水を含む岩石(鉱物中にある水酸基OHを化学構造にふくんでいること)がマントルに含まれていることでの融点降下がマグマの起因の要素などと、水の惑星ならではの化学進化と地球史が読める、やや難解な本。ぼくは鉱物知識がないから後半は難しい。グラフの見方が本文理解を左右する理系本らしい。これもまた再読要の一冊★2018/09/14
calaf
10
内容的には、私には難しい...少なくとも一読しただけでは理解度は半分以下でしょう。でも雰囲気は何となく分かった気もする...2012/06/07
手押し戦車
7
地球中心と表層の6千度の温度差を解消するのにマントルが対流しプレートが移動する。陸を作る工場に例えると沈み込み帯が煙突で火山の部分で製造工程で振動が有り地震の役目の大陸地殻プレートがコンベアの様に地殻を運び下のプレートが沈み込むと質量が減りそれを補うもう一つの材料マントルウェッジが運ばれ誘発され二次対流が起き陸が出来る。廃棄物が付加価値製品に製造されメタンハイドレート。廃棄物は十億年の間マントルの底で成熟されマグマに再利用され陸や火山を作り出して行っている。地球と言う大きい工場のビジネスモデルは無駄がない2014/10/19
ハキ
1
マグマの分化と大陸地殻形成過程の(仮説)解説がメイン。実際にトーナル岩質岩が見つかると面白いなあ。2012/09/06