内容説明
三か月児から大人までを対象とした多くの心理学実験が,人の心の基本設計をどう描きだしているのだろうか.信頼,想像,錯覚,がまん,疲労,悲しみなどのキーワードごとに,実験を通して心の向き方を解説していきます.後ろ向きになりやすく,ネガティブな感情にも役立つ機能があることから,前を向くための秘訣は?
目次
はじめに 前を向こう┴第1章 信頼する力┴あなたはポジティブ?┴それともネガティブ?┴人は人を信頼しやすい┴信頼のホルモン┴三カ月児は正義を好む┴生まれつきの道徳感情┴不信感が芽生えるとき┴心のバイアス┴私のなかのあなた┴あなたのなかの私┴ざっくりとした信頼のベール┴恋の終わり┴後ろ向きな私┴第2章 想像する力┴五歳の子どもの絵┴想像力の発達┴心はコピーできない┴かけがえのなさという想像力┴チンパンジーのレオ┴いま、ここを生きる脳┴もし共感装置があったら┴錯覚としての共感┴透明性の錯覚┴相互調整としての共感┴交渉の余地があること┴やってみよう! 透明性の錯覚┴やってみよう! 二人の認識のずれ┴第3章 錯覚する力┴ゴリラの錯覚┴非注意による見落とし┴脳の二重過程モデル┴脳は手品にだまされる┴変化の見落とし┴恋人しか目に入らない┴脳は先を予測する┴プラセボ効果┴脳のなかの家族┴記憶は変化する┴目撃者の証言┴平均よりもちょっと上┴優越の錯覚┴日本人は自己卑下┴潜在的にはポジティブ┴過去は遠くに感じられる┴いやな思い出を消す┴やってみよう! 記憶テスト┴やってみよう! 潜在連合テスト┴考えてみよう! 平均以上効果┴第4章 前を向く脳┴自分にかんする想像は特別┴過去と未来の脳は共通┴未来はポジティブ┴過去の思い出もバラ色┴ものごとを多面的にとらえる┴自己成就予言┴前向きとは失敗から学ぶ姿勢┴がまんしないことも前向き┴信頼できるかどうかを見きわめる┴考えてみよう! 気持ちの対処法┴第5章 がまんする力┴異時点間の選択┴双曲型割引┴将来の計画を思い出す┴現在の延長に未来の自分がある┴自分の感情から一歩引く┴目の前の課題を離れてぼーっとする┴おしっこをがまんする!┴いまを重視する脳┴悲しい気分はがまんをくじく┴魅力的な女性を見ると┴自分にお金を使うのをがまんする┴受け取るよりも与えること┴第6章 疲労は大敵┴疲労はけんかを生む┴疲れていると未来を考えられない┴疲労は自制心をくじく┴がんばりには限度がある┴一歩前進すると慢心しやすい┴よいことをしたあとに反動がくる┴欲求を刺激する誘惑に弱い┴不安や恐怖が自制心を弱くする┴悲しい気分が浪費を招く┴将来の想像は楽観的すぎる┴明日はできると思いやすい┴がんになる可能性┴リスクにあえて目をつぶる┴だめな人に流される┴考えてみよう! あなたのリスクは?┴第7章 悲しむ力┴ネガティブな気分を求める┴記憶力が上がる┴うそを見破る┴判断が慎重になる┴公平に分配する┴酸いも甘いも┴ミクスト・エモーション┴ライフ・イズ・ビューティフル┴ミクスト・エモーションは健康にいい┴後悔は役に立つ┴この人に出会ってなかったら┴過去を過去にする┴反実思考の効果┴後悔を今後につなげる┴読んでみよう! 八木重吉の詩┴やってみよう! ミクスト・エモーション┴考えてみよう! 反実思考┴考えてみよう! 先延ばし傾向┴第8章 希望の力┴思いやりを磨く┴思いやりの脳┴思いやりという絆┴思いやりは健康にいい┴はげましの言葉でがんばる┴テンド・ビフレンド反応┴未来からの手紙┴壊れた花瓶┴メタファーの活用┴『悲しみを生きる力に』┴デザイン・ドリフト理論┴調整しつつ自然にまかせる┴物語を見つける┴やってみよう! 思いやりのワーク┴やってみよう! 未来からの手紙┴考えてみよう! 自分の好きな物語を見つける┴あとがき┴章扉画=カトウミナエ
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