岩波ジュニア新書<br> 心は前を向いている

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岩波ジュニア新書
心は前を向いている

  • 著者名:串崎真志
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2021/11発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005007622

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内容説明

三か月児から大人までを対象とした多くの心理学実験が,人の心の基本設計をどう描きだしているのだろうか.信頼,想像,錯覚,がまん,疲労,悲しみなどのキーワードごとに,実験を通して心の向き方を解説していきます.後ろ向きになりやすく,ネガティブな感情にも役立つ機能があることから,前を向くための秘訣は?

目次

はじめに 前を向こう┴第1章 信頼する力┴あなたはポジティブ?┴それともネガティブ?┴人は人を信頼しやすい┴信頼のホルモン┴三カ月児は正義を好む┴生まれつきの道徳感情┴不信感が芽生えるとき┴心のバイアス┴私のなかのあなた┴あなたのなかの私┴ざっくりとした信頼のベール┴恋の終わり┴後ろ向きな私┴第2章 想像する力┴五歳の子どもの絵┴想像力の発達┴心はコピーできない┴かけがえのなさという想像力┴チンパンジーのレオ┴いま、ここを生きる脳┴もし共感装置があったら┴錯覚としての共感┴透明性の錯覚┴相互調整としての共感┴交渉の余地があること┴やってみよう! 透明性の錯覚┴やってみよう! 二人の認識のずれ┴第3章 錯覚する力┴ゴリラの錯覚┴非注意による見落とし┴脳の二重過程モデル┴脳は手品にだまされる┴変化の見落とし┴恋人しか目に入らない┴脳は先を予測する┴プラセボ効果┴脳のなかの家族┴記憶は変化する┴目撃者の証言┴平均よりもちょっと上┴優越の錯覚┴日本人は自己卑下┴潜在的にはポジティブ┴過去は遠くに感じられる┴いやな思い出を消す┴やってみよう! 記憶テスト┴やってみよう! 潜在連合テスト┴考えてみよう! 平均以上効果┴第4章 前を向く脳┴自分にかんする想像は特別┴過去と未来の脳は共通┴未来はポジティブ┴過去の思い出もバラ色┴ものごとを多面的にとらえる┴自己成就予言┴前向きとは失敗から学ぶ姿勢┴がまんしないことも前向き┴信頼できるかどうかを見きわめる┴考えてみよう! 気持ちの対処法┴第5章 がまんする力┴異時点間の選択┴双曲型割引┴将来の計画を思い出す┴現在の延長に未来の自分がある┴自分の感情から一歩引く┴目の前の課題を離れてぼーっとする┴おしっこをがまんする!┴いまを重視する脳┴悲しい気分はがまんをくじく┴魅力的な女性を見ると┴自分にお金を使うのをがまんする┴受け取るよりも与えること┴第6章 疲労は大敵┴疲労はけんかを生む┴疲れていると未来を考えられない┴疲労は自制心をくじく┴がんばりには限度がある┴一歩前進すると慢心しやすい┴よいことをしたあとに反動がくる┴欲求を刺激する誘惑に弱い┴不安や恐怖が自制心を弱くする┴悲しい気分が浪費を招く┴将来の想像は楽観的すぎる┴明日はできると思いやすい┴がんになる可能性┴リスクにあえて目をつぶる┴だめな人に流される┴考えてみよう! あなたのリスクは?┴第7章 悲しむ力┴ネガティブな気分を求める┴記憶力が上がる┴うそを見破る┴判断が慎重になる┴公平に分配する┴酸いも甘いも┴ミクスト・エモーション┴ライフ・イズ・ビューティフル┴ミクスト・エモーションは健康にいい┴後悔は役に立つ┴この人に出会ってなかったら┴過去を過去にする┴反実思考の効果┴後悔を今後につなげる┴読んでみよう! 八木重吉の詩┴やってみよう! ミクスト・エモーション┴考えてみよう! 反実思考┴考えてみよう! 先延ばし傾向┴第8章 希望の力┴思いやりを磨く┴思いやりの脳┴思いやりという絆┴思いやりは健康にいい┴はげましの言葉でがんばる┴テンド・ビフレンド反応┴未来からの手紙┴壊れた花瓶┴メタファーの活用┴『悲しみを生きる力に』┴デザイン・ドリフト理論┴調整しつつ自然にまかせる┴物語を見つける┴やってみよう! 思いやりのワーク┴やってみよう! 未来からの手紙┴考えてみよう! 自分の好きな物語を見つける┴あとがき┴章扉画=カトウミナエ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

naji

14
人の心とは、特別な引っ掛かりがない限り、大抵は自分と相手との関係性は良好であると考えるとある。この傾向は、基本設定の中に人を信頼するように出来ている(脳のメカニズムから)ことを意味する。共感するってことは、想像・錯覚が互いの信頼を担保してくれているんだろう。まぁ〜ね〜、ちょっとした心の向きや状態で捉え方なんて直ぐ変わってしまうのだし、そもそも前向きか後ろ向きかと考え込むこと自体が滑稽に思えてくる。そういう意味では、少し心が楽になる一冊でした!!2016/05/05

ユウキ

12
心理学の研究の成果をまとめた本ではあるのだけど、誠実。誰が行ったどのような実験かを明示しているので胡散臭さは少ない。読み進めていくと人間の基本的な心の有り様が見えてきてなかなか興味深い。以下は個人的な感想に過ぎないが、実は最新の脳科学&心理学の成果によって、「性善説/性悪説」の対決の図式は決着したように見える。それも、やや予想外の形で。本書からそんなことを思いました。2018/05/03

gecko

8
臨床心理学を専門とする著者が、人の心は「前向き」が基本設計であること、後ろ向きにもなりやすいが、ネガティブな感情にも適応的な機能があることを、近年の心理学や神経科学の研究成果から示した一冊。本書でいう前向きとは「人を信頼することや将来に対して明るい展望をもつこと、過去の失敗にクヨクヨしないこと」(ポジティブ・バイアス)。「私たちの脳は、おそらく相手を正確に理解することよりも、ざっくりと信頼することをめざしているのだと思います」(p.37)とあって良い表現だなと思った。心理学に興味がある高校生にもおすすめ。2020/11/29

むつこ

8
図書館の児童書(ティーンズ)コーナーにあった本だけど、難しい内容だった。結局は「あとがき」のとおりであり、題名である「心は前を向いている」のだ。2014/03/04

ふみ

4
いろんな実験、調査からわかった脳の前向きな仕組みをたくさん紹介している本です。自分は未来志向だと思っていましたがここに載っていた事によると現在志向でした。ところどころ難しかったけれど、おもしろかったです。2017/05/22

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