岩波新書<br> 『失われた時を求めて』への招待

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岩波新書
『失われた時を求めて』への招待

  • 著者名:吉川一義
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2021/10発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318842

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内容説明

岩波文庫版『失われた時を求めて』(全14冊)の完訳を達成したプルースト研究第一人者が作品の核心に迫る解説書.この不世出の大長編は,なにを,どのように語った作品なのか.全体の構成,特長,勘所を分かりやすく読み解く.魅惑の読書体験へといざない,全篇読破に挑戦する人には力強い羅針盤となるスリリングな一冊.

目次

はしがき┴『失われた時を求めて』の構成┴『失われた時を求めて』の主な登場人物と架空地名┴第1章 プルーストの生涯と作品┴1 プルーストの生涯┴2 初期作品 『楽しみと日々』、『ジャン・サントゥイユ』、ラスキン翻訳┴3 『サント=ブーヴに反論する』から『失われた時を求めて』へ┴第2章 作中の「私」とプルースト 一人称小説の狙い┴1 『失われた時を求めて』の「私」はプルーストなのか┴2 主人公の「私」はなぜ影の薄い人間なのか┴3 語り手の「私」に寄りそう作者プルースト┴第3章 精神を描くプルースト 回想、印象、比喩┴1 『失われた時を求めて』はすべて「私」の回想談┴2 マドレーヌ体験の意味 無意志的記憶とはなにか┴3 印象の記述になぜ比喩が多用されるのか┴第4章 スワンと「私」の恋愛心理┴1 「スワンの恋」はなぜ必要なのか┴2 「私」のジルベルトとアルベルチーヌへの恋┴3 スワンと「私」に内在する分身の声┴第5章 無数の自我、記憶、時間┴1 恋愛における無数の自我┴2 自我はつねに無数┴3 記憶と時間┴第6章 「私」が遍歴する社交界┴1 ゲルマント公爵夫妻のサロン┴2 本作品における社交サロンの意味┴3 全篇の中心を占める祖母の病気と死┴第7章 「私」とドレフュス事件および第一次大戦┴1 ドレフュス事件はいかに語られるか┴2 第一次大戦はいかに語られるか┴3 社会はなにゆえ変容するのか┴第8章 「私」とユダヤ・同性愛┴1 「私」とユダヤ人┴2 「私」と「ソドムとゴモラ」┴3 ソドムとゴモラの「結合」┴第9章 サドマゾヒズムから文学創造へ┴1 ソドムとゴモラにまつわるサドマゾヒスト┴2 『失われた時を求めて』に頻出するサドマゾヒスト┴3 文学に必要不可欠なサドマゾヒズム┴第10章 「私」の文学創造への道┴1 登場人物たちの愛する文学・芸術┴2 三人の架空芸術家┴3 『失われた時を求めて』の照射するもの┴あとがき┴【地図】プルーストと『失われた時を求めて』のパリ┴図版出典一覧┴主要文献案内┴『失われた時を求めて』年表/プルースト略年譜