岩波新書<br> 新しい世界史へ - 地球市民のための構想

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岩波新書
新しい世界史へ - 地球市民のための構想

  • 著者名:羽田正
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2021/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004313397

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内容説明

グローバル化が進み,ますます一体となりつつある現代世界.従来のヨーロッパを中心とした世界史像は,もはや刷新されるべき時を迎えている.いまこの時代にふさわしい歴史叙述とはいかなるものか.歴史認識のあり方,語り方を問い直し,「世界はひとつ」をメッセージに,地球市民のための世界史を構想する.

目次

はじめに┴序章 歴史の力┴第一章 世界史の歴史をたどる┴1 現代日本の世界史┴2 戦前日本の歴史認識┴3 世界史の誕生┴4 日本国民の世界史┴第二章 いまの世界史のどこが問題か?┴1 それぞれの世界史┴2 現状を追認する世界史┴3 ヨーロッパ中心史観┴第三章 新しい世界史への道┴1 新しい世界史の魅力┴2 ヨーロッパ中心史観を超える┴3 他の中心史観も超える┴4 中心と周縁┴5 関係性と相関性の発見┴第四章 新しい世界史の構想┴1 新しい世界史のために┴2 三つの方法┴3 世界の見取り図を描く┴4 時系列史にこだわらない┴5 横につなぐ歴史を意識する┴6 新しい解釈へ┴終章 近代知の刷新┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たかしくん。

22
どうしても、ヨーロッパ中心史観から抜け出せない現在の世界史に対する、著者からの批判と提言。ウォーラースタインの近代世界システムもその対象でした。著者は、イスラム史がご専攻なのですね(笑)。その主張は確かに至極もっともで私自身が自戒するところもありましたが、氏の提言の部分は今一つ入ってこなかったです。ところで、戦前の日本の歴史課目は、日本史、東洋史、西洋史の3つに分かれていたとのこと。2020/12/17

金吾

21
理念はわかりますし、理想としても言いたいことは理解できたように感じました。ただ私の理解不足なのかも知れませんが、具体的な表現を考えてみたら縦軸を横軸に変えただけになるような気もしました。チャレンジは素晴らしいと思います。2024/01/26

Kazehikanai

18
ヨーロッパ中心史観を否定し、地球規模で歴史を理解することが重要という著者の主張は、現代の世界政治経済の葛藤にアプローチする。確かに西方ユーラシアなどを学ぶ機会は少なく、個別の地域史は横の結びつきに欠ける。しかしながら膨大な歴史を記述するとき、地球規模で記すのは難しくないか。これまでのヨーロッパ中心史観はそれ自体がヨーロッパの存在感という歴史を語っているのではないか。現代を軸に過去を振り返るとき、抜け落ちてしまう部分はないか。私は総論賛成、各論反対。個別の議論は今後に期待。世界史から考えるいい機会になった。2016/11/27

サアベドラ

14
現行(2011年刊行時点)の高校世界史教科書は、高校生に地球市民たる意識を芽生えさせるのには不十分であるとして、より理想的な世界史教科書を作るためにどうすればよいのかを考え、著者の構想を提示する。著者はサファヴィー朝を中心とするイスラーム史研究者。著者の指摘する現行教科書の問題点(各国史・地域史のツギハギで、欧米中心史観から脱却できていない、など)はおおむね共感できたが、一方で著者の提示する解決策(時系列的記述を放棄する、中心性を排除する、人間集団をモデル化して並置するetc)はあまり同意できなかった。2015/05/24

月をみるもの

13
欧米(というかヨーロッパか)中心主義を脱した、地球/人類史としての「新しい世界史」を描くためにはどうしたらいいのか? ある地域/集団の通史ではなく、ある瞬間の地球全体における人類の活動のスナップショットをとり、それを100年単位で並べる、、、というのは、確かに面白いアプローチではある。「歴史は時間/地理は空間」という従来の枠組みを超えて、時空連続体の中でのホモサピの活動をより「客観的」に記述することを目指すなら、それはもはや地球史の一部にならざるをえないだろう。2020/12/07

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