内容説明
日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は,実はとても厳しい社会でした.社会が大きく変化する中,人々は必死に働き,頑張りました.厳しい競争のなかで結果を出せず敗れた人々…,そんな人々にとって明治とはどんな社会だったのでしょうか? 不安と競争をキーワードに明治社会を読み解きます.
目次
はじめに┴第一章 突然景気が悪くなる 松方デフレと負債農民騒擾┴景気変動/松方デフレ/松方デフレの影響/負債農民騒擾/江戸時代の習慣と明治の制度/須長漣造の怒り/デフレーションという不条理┴第二章 その日暮らしの人びと 都市下層社会┴ドヤ街とネットカフェ/貧民窟/貧民窟のルポルタージュ/住居と家族/職業と食事/都市下層社会の特徴┴第三章 貧困者への冷たい視線 恤救規則┴生活保護/恤救規則/恤救規則の制定過程/窮民救助法案の挫折┴第四章 小さな政府と努力する人びと 通俗道徳┴カネのない明治政府/地租改正と減税/通俗道徳/江戸時代から明治時代へ┴第五章 競争する人びと 立身出世┴日清戦争/地租の増税と地方利益誘導の政治/貧民救助論争/逃れられない「わな」/立身出世の時代┴第六章 「家」に働かされる 娼妓・女工・農家の女性┴売買される女性・非正規雇用の女性/公娼制度/芸娼妓解放令/「自由意志」という建て前/「家」とは何か/「家」のために働く女性/女性の抑圧のさまざまな形┴第七章 暴れる若い男性たち 日露戦争後の都市民衆騒擾┴デモと暴動/日比谷焼き打ち事件/日比谷事件後の都市民衆騒擾/なぜ若い男性は暴動をおこすか/「あえて」もまた「わな」/戦争と平和,暴力と非暴力┴おわりに 現代と明治のあいだ┴あとがき┴参考文献
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徒花
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