岩波ジュニア新書<br> 漱石先生の手紙が教えてくれたこと

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岩波ジュニア新書
漱石先生の手紙が教えてくれたこと

  • 著者名:小山慶太
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2021/09発売)
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  • ISBN:9784005008582

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内容説明

「あせってはいけません」「牛のように図図しく進んでいくのが大事」.漱石の書き残した,弟子を始めとする若い人々への手紙は,小説とは違った感慨を読む者に与える.綴られる励まし,ユーモア,人としての深さは,今を生きる人にとっても,温かなエールとなるだろう.示唆に富む手紙から文豪・漱石の新たな一面が見えてくる.

目次

はじめに┴序章 吾輩は手紙好き人間である┴夏目家に電話が引かれた日/漱石が書いた手紙の数/漱石山脈と木曜会/肝癪もち漱石の包容力/漱石が小学生に送った手紙/『坊っちゃん』 「清」から「坊っちゃん」への手紙/名作の力/手紙は漱石を知るキーワード┴1章 孤独と向き合う 顧りみるもの一人も無┴俳句を介した漱石と寺田寅彦の縁/気のすすまぬロンドン行き/書物に対する強い飢餓感/作家ギッシングと漱石/「クレイグ先生」/ロンドンから妻に宛てたラブレター/漱石の下宿を訪れた日本人化学者/科学への関心のたかまり/ロンドンに届いた子規の訃報/子規追悼の句/泉下の子規に宛てた〝手紙〟┴コラム1 漱石の理想の美人┴2章 人生の決断に迷ったとき 死ぬまで進歩するつもりでやればいい┴我儘を貫いた漱石/険しい船出/漱石のシェイクスピア講義/「猫」に同化した漱石/漱石の文名とみに上がる/『坊っちゃん』の登場人物のモデル探し/作家の考えと批評家の見識/志士の激しい精神で文学をやりたい/死ぬまで進歩するつもり/夏目先生の卒業論文講評/やめたきは教師,やりたきは創作/大学をやめ新聞社へ入社/「入社の辞」┴コラム2 漱石の声,再生の試み┴3章 決めた道で困難に出会ったとき 自分は自分流にするのが義務┴『虞美人草』の執筆と漱石の逆鱗/「猫」の死亡通知/『文学評論』の出版/門下生が流した三〇年後の涙/科学の指南役,寺田寅彦/修善寺の大患/漱石の死生観/大塚楠緒子の死/博士号辞退騒動/博士制度の問題点/湯川胃腸病院に入院/雛子の死と『彼岸過迄』/明治から大正へ┴コラム3 博士号辞退騒動の後日談┴4章 戦うよりも許すこと それが人間の修養┴安部能成の結婚/岡本一平『探訪画趣』/見知らぬ読者へ送った手紙/ある女の告白と『硝子戸の中』/まだひょろひょろしている/〝パトロネージ〟の精神/京都でまたもや病臥/武者小路実篤に宛てた漱石の手紙/『道草』の連載┴コラム4 漱石は愛犬家┴終章 吾輩は自己の天分を尽くすのである┴いつまでも生きる気でいる/芥川龍之介への手紙/『明暗』の推敲を示す手紙/トルストイ流と漱石流/漱石の漢詩/絶筆┴主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホシ

13
またまた漱石関連本。本書も文豪の新たな一面が知れる良書。漱石が残した膨大な手紙から漱石の人となりや教訓を読み解いていく。著者が理工系の人物なのが意外。英国時代は「頻りに御前(鏡子夫人)が恋しい」とか書いておきながら、帰国するや「妻君と下女の頭を正宗の名刀でスパリ斬ってやり度い」とは、病気を考慮しても漱石のツンデレここに極まれりだね!門下生に対する面倒見の良さや、一般の読者にも懇切丁寧である点、教師としての責任感の強さには敬服。人間臭い漱石を味わえる一冊だった。いつか書簡集をじっくり読んでみたい。2017/10/24

3月うさぎ

1
漱石は、癇癪持ちで気難しい人というイメージだったが、実に優しく面倒見のいい人だったのだなということが、数々の手紙の文面から読み取れた。特に「そんなら死なずに生きて居らっしゃい」と「戦うよりもゆるす」という言葉は印象的だった。子ども向けだと思い、普段は手にすることない「岩波ジュニア新書」であったが、内容は大人が読んでも充分に面白く、わかりやすい。ほかにも面白そうな本が色々と出ているようなので、これからはチェックしていきたい。2020/11/18

Sugaya Masaki

1
意地っ張りだけど、誠実で誰にでも優しい漱石の姿が書簡から浮かび上がる。門人への手紙なんかは愛情たっぷりだなぁと感じた。2020/08/01

bassai718

1
芥川龍之介への有名な手紙については知っていたが、無名の読者についてまでこれ程丁寧なやり取りをしていたことに驚いた。時に意地っ張りに見える性格も含め、人間漱石について理解が深まった。2019/12/25

りん

0
夏目漱石がどういった人物なのか垣間見える一冊。夏目漱石の作品を読んでみたくなった。2023/03/01

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