岩波文庫<br> 山川登美子歌集

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岩波文庫
山川登美子歌集

  • 著者名:今野寿美
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 岩波書店(2021/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784003118818

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内容説明

与謝野鉄幹に見いだされた山川登美子(1879-1909)は,鉄幹に寄せる思慕の強さや鳳晶子(与謝野晶子)との交流が作歌の意欲に結びつき,創刊直後の「明星」誌上で活躍した.29歳で早世しながらも,喪ったものへの哀惜を主題となし得た点で抜きんでた女流であった彼女の全作品から,生前未発表の歌をふくめて858首を収録した.

目次

山川登美子歌集┴目次┴白百合┴「明星」掲載歌より┴初期歌篇┴未発表歌┴『詠 草』┴『おもかげ草紙』┴『花のちり塚』┴三冊のノートより 他┴解 説(今野寿美)┴山川登美子略年譜┴初句索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

34
再読、4度目(?)。私の好きな近代歌人の筆頭。喪ったものへの愛惜を主題としたうたが素晴らしい。このようなうたに触れるとき、私は女のやさしさ、うつくしさを思わずには居られない。登美子は二十九で結核死するまで処女(をとめ)の心を失うことはなかった。「薄月に君が名を呼ぶ清水かげ 小百合ゆすれてしら露ちりぬ」 「花ごろも薔薇のかざしもなげすてゝ 歌に狂ふは楽しからずや」2015/11/23

双海(ふたみ)

22
私の好きな近代歌人の筆頭。釈迢空(折口信夫)は與謝野晶子以上に山川登美子の才質を認め、その早世を惜しんだという。姿態をしつらえすぎる晶子の歌に比して、登美子の歌の「暗示の、ひらめき」(釈迢空)を一貫して評価していた。「後世は猶今生だにも願はざるわがふところにさくら来てちる」2015/04/07

松本直哉

22
この人の歌の句切れの多さ。「わが死なむ日にも斯く降れ京の山しら雪たかし黒谷の塔」「をみなにて又も来む世ぞ生れまし花もなつかし月もなつかし」何度も現れる終止形や命令形の都度、流れは止まり、息継ぎがあり、流麗の対極の、ぽつりぽつりつぶやくような。悪化する病に伏しつつ、苦しい息のあいだから、すこしずつしぼりだされるような。雪を、月を、花を歌いながら、自らの短い命を自覚して、かぎりない哀惜をこめた晩年の歌のかずかずは、しずかな余韻をひき心にひびく。ライヴァルの与謝野晶子よりも山川登美子のほうが好きです。2014/08/19

shinano

21
登美子さま、また読ませていただきます。 ぼくの中にこれまでに読書などで心に刺繍されている明治という時代と明治の男女観恋愛観の模様が、あなたの生の涯と、生きてきた中でのたくさんの思いと感受を知り、感銘いたしました。ありがとうございました。2019/05/13

kaoriction@感想は気まぐれに

21
「白百合」と「白萩」。登美子と与謝野晶子の呼び名だが、登美子の歌に触れ、確かに「しろ百合」だな、と感じる。凛として儚げ、芯の強さ。おんな。登美子を語るには必ず晶子、鉄幹、「明星」の面々が絡んでくる。歌を読めば登美子ひとりと、登美子自身の世界と向き合うことができる気がした。切実に語る彼女の胸の内。しかし、あの時、結婚しなければ彼女の歌人としての人生はどうなっていたのか?鉄幹との仲は?晶子との仲は… 結局、私は歌集を読みながらも、雑念が多く登美子ひとりと対峙できないのだった。未発表歌「大ノート」が好み。2017/08/31

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