岩波ジュニア新書<br> 〈超・多国籍学校〉は今日もにぎやか! - 多文化共生って何だろう

個数:1
紙書籍版価格
¥902
  • 電子書籍
  • Reader

岩波ジュニア新書
〈超・多国籍学校〉は今日もにぎやか! - 多文化共生って何だろう

  • 著者名:菊池聡
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2021/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005008865

ファイル: /

内容説明

外国籍の児童など様々な文化的背景をもつ子どもたちが多く通う横浜市の公立小学校.ここでは国際教室を中心に多様性を尊重した学校づくりが行われている.習熟度別に分けられた小人数クラス,さまざまな国の言葉が貼り出された昇降口,多文化を意識した華やかな運動会….長年にわたり国際教室を担当してきた著者がこれからの多文化共生のあり方を語る.

目次

1 横浜市立飯田北いちょう小学校┴減り続ける児童の数/県営いちょう団地/さまざまな文化的背景を持つ子どもたち/家では二つ以上の言語で会話/多文化共生教育は必要不可欠┴2 何をどのように?┴特色ある教育┴3 多文化共生の学校づくり┴母国の文化を大切にする環境をつくる/子どもたちが大切にする多文化共生/通訳者の協力/入学式と卒業式/運動会/多言語による「コミュニケーション・ボード」/不安や不満の声も/多文化共生は誰のため?┴4 国際教室ってどんなところ?┴国際教室の役割/ことばを育む支援/母語による生活適応支援・教科補習/そのほかの多文化的な支援┴【コラム】 いちょう小学校に「菊池あり」………横溝 亮┴5 新たな課題┴親子のコミュニケーション・ギャップ/〈中間人〉になりたい!?/母語で読み書きできる力/ことばとアイデンティティ┴【コラム】 心からわかり合おうという気持ちが一番大事 ………K・M┴6 ブラジルの教育に学ぶ┴初めての「難民選手団」/マナウスの小学校/日本からブラジルに渡った移民たち/「移民」を理解する授業┴7 アメリカの教育から学ぶ┴バイリンガルを育成できる環境/日本語イマージョン・プログラム/話型と語彙の支援/「社会のお荷物」から「国の資源」へ/継承語教育/日本では/母語を活用した学習プログラムを/さまざまな言語を選択できる環境┴【コラム】 通訳者の役割 ………ファン・ティ・タン・ジム┴8 多文化共生を盛り込んだ学習づくり┴スピーチコンテスト/子どもたちのスピーチ┴9 めざせ! 多文化教員┴急速に進む人口減少/支援の転換を/シンガポールでは/まだ大きな壁が/日本語保持の取り組みを参考に┴10 新しい社会は,目の前に┴多様性の時代へ┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hatann

8
少子高齢化を踏まえると積極的な移民政策を否定できないし、そもそも日本は在日朝鮮人を含めて既に十分に多くの外国人を受け入れている。円滑な国際協調のために多文化共生への理解を深め、日本に来てくれている外国人を国の資産として活用すべき。外国人子女が多様性の根拠である母語力を日本での学習に活かすためのイマージョン教育の導入は必須であるし、父兄への支援も必要だろう。多文化共生といっても市井の人たちには難しい話は必要なく、異文化の要素を単純に面白がって必要に応じて取り入れ、ご近所さんとして適宜にお世話を焼けば足りる。2019/03/23

三色かじ香

5
継承語、という言い方を覚えました。言語の問題で、親とコミュニケーションをとるのに支障がある、というのはたしかにストレスフルだろう。こういう教育環境が日本全国に点在して欲しいし、外国に関係の無い児童が望んで飛び入りしたらもっと面白そうだなと思いました。2020/09/17

リリパス

3
外国から、難民や出稼ぎ労働者として、日本へやって来ることになり、日本語がわからない親に育てられた、子どもたちに、どう対応していけばいいのか?どう対応すべきなのか?・・・といったことが書かれている本です。2022/12/11

みさと

3
舞台は横浜市立飯田北いちょう小学校。ここには、外国籍の児童や親が外国籍の児童など、外国に関係のある児童が約54%いる。その学校で「多文化共生」の取り組みの中心を担った国際教室の先生が、実践例とめざす世の中のあり方を語る。それは、日本社会への同化を目標としたものとは真逆の取り組みだった。一人一人が大切にされていると感じ、自信を持って生きていく社会を実現するために必要なことは、マジョリティーの側の変化であった。親から受け継いだ継承語教育の重要性も含めて、目が開かされる書である。 2018/12/21

高知

2
横浜にある小学校では外国籍の児童や親が外国籍である児童が、多い年には70%を占めたという。そのような児童に寄り添い、また児童どうしの関係をつくる環境を整え、学習を行い、多文化共生する学校をつくっていった。 このような子どもたちの問題の中に、日本で育ち日本語が普通になるにつれ、日本語が話せない、日本文化を知らない親との関係が問題になっていく、というのは気づかなかったことの一つであった。 外国籍の方が増えていくだろう日本の近い将来を考える上で、示唆に富む一冊でした。2018/11/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13246182
  • ご注意事項