岩波新書<br> 桜が創った「日本」 - ソメイヨシノ 起源への旅

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岩波新書
桜が創った「日本」 - ソメイヨシノ 起源への旅

  • 著者名:佐藤俊樹
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2021/04発売)
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  • ISBN:9784004309369

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内容説明

一面を同じ色で彩り,一斉に散っていくソメイヨシノ.明治初めに見出されたこの桜は,凄まじい勢いで全国に拡がって行った.さまざまな語りが生み出される中で,どんな意味をあたえられてきたのか.語られた桜と現実の桜の往還関係を追いながら,そこから浮かび上がってくる「日本」の姿を,近代という時代とともに考える.

目次

まえがき┴〈1 ソメイヨシノ革命〉┴1 「桜の春」今昔┴桜、桜、……/昔の桜景色/江戸の桜/ソメイヨシノはすべてクローン/花見の時空/多品種型と単品種型/吉田兼好の花見/ソメイヨシノ革命┴2 想像の桜/現実のサクラ┴花と名/「桜」とよばれた理由/ヨシノの由来/「名」の力/想像の美・現実の美/「吉野の桜」はなかった/言葉と想像力/絵に画いたような……/説話の宇宙/理念イデアの重力/起源と反起源の遠近法┴〈2 起源への旅〉┴1 九段と染井┴明治三年のソメイヨシノ/三つの年代/創建当時の境内/ソメイヨシノ説の典拠/染井と九段と上野/土地愛トポフイリアの多重性/「四季の遊び場」┴2 ソメイヨシノの森へ┴吉野桜の出現/「日本」と桜/新しさの魅力/公園と公共/戦争と事業/普及のメカニズム┴3 桜の帝国┴起源オリジンへの視線/ナショナリズムの科学/伊藤銀月と井上哲次郎/桜らしい桜/大正期の飯田/日本らしさと桜らしさ/「桜の国土」の生成/「桜の国土」の拡張/風土と民族┴4 逆転する時間┴始源の桜の誕生/書き換えられる歴史/「山桜」の同心円/日本らしさの超自然学メタフイジツクス/旧い桜・新しい桜/逆転する時間/見出された起源オリジン┴〈3 創られる桜・創られる「日本」〉┴1 拡散する記号┴花の時間と人の時間/拡散する物語/桜語りの戦後/想像される「歴史」/「みんな」のモノローグ/空転する言葉/不死のゼロ記号┴2 自然と人工の環┴桜のエコノミー/嫌われる理由/「日本の自然」は一つでない/自然・人工の反転/美しさの根底/「桜」とは何か/「桜」の自己創出オートポイエーシス/ありえた「桜」とありえた歴史/「日本」の自己創出オートポイエーシス/ソメイヨシノの明日┴あとがき┴桜のがいどぶっく・がいど┴ソメイヨシノの起源をめぐる新たな展開┴本書五刷に際して(二〇〇九年一二月)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

77
社会情報化論の本で知った社会学者が桜の本を出しているときき、手に取る。現在代表的な桜の品種とされるソメイヨシノの歴史的な実像、近代化以前の一般的な桜の種類や、明治ごろからのソメイヨシノの普及と世間的な言説などを多数の文献を参照しながら考察。ナショナリズムと結びつく日本の象徴としての花と言説の相互作用を語る。なかなかスリリングな考察なのだが、やや読み飛ばし気味だったのは桜にそこまで興味がわかなかったせいか。ちょっと反省。2018/12/16

金城 雅大(きんじょう まさひろ)

42
ソメイヨシノは全てクローン(=接木もしくは挿木で繁殖した、全て同じ遺伝子個体の品種)であることは元々知っていた。 しかし、「桜といえばソメイヨシノ」なイメージの真実と、それがどのように「日本」のイメージとして定着していったか、についてはとても興味深かった。2020/06/11

壱萬弐仟縁

24
巻頭にカラー2頁分。 昨日の箕輪町の桜(大出城跡)はよかった。 その先でスピード取り締まりしてたけど。 18頁の桜前線の地図によると、 ぼくのところも20日前には 咲く感じだ。 吉野の桜のように、特定の桜に結び付けたがるのは、 近代人の悪い癖(44頁)。 和歌の世界でも吉野を見ずに吉野が詠われた(55頁)。 ソメイヨシノのソメイは、 東京染井とは知らなかった(56頁~)。 ナショナリティを体現する桜(92頁)。 大正期の飯田(119頁~)。 長野県はエドヒガンの多い地域(121頁)。 2014/04/13

ochatomo

13
著者の専門は比較社会学・日本社会論 サクラは自家不和合性で種子から育てると別物 ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの交配で、染井は園芸地、吉野は吉野桜の一種をあらわす 山桜の赤い葉より更に「桜らしく」明治の新しい時代に新しい桜として植栽広まる 2005刊2015/02/23

りょう

12
春の息吹が感じられる今日この頃。そろそろお花見シーズン。お花見といったらやっぱり桜、桜は「日本らしさ」の象徴だよねぇ。そう、昔から愛でられてきた、あの一面に咲き乱れる桜・・・。え?そういう光景はここ100年くらい前の出来事だって?いやいやそんな最近なわけないでしょう。桜はずっと昔から愛されてきてるでしょ。桜は昔の有名な人たちが桜のことを歌ってたじゃん?え。あれは想像上の産物だけれども、ソメイヨシノの出現で虚構が現実になった?何言ってんのかよくわからない・・・2014/03/24

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