内容説明
「平和憲法」を掲げながらも,軍事化が進行し,戦争に加担する国へと変貌しつつある日本.それでも,国際社会で起きている戦争は他人事でよいのだろうか.イラク戦争以後,暴力の連鎖が続く現地で人道支援活動を続ける著者が,自らの体験をもとに,戦争のリアルな実態を伝え,平和をどう築くかを問う.護憲の,さらにその先へ.
目次
第1章 暴力の連鎖がイラクに残したもの┴第2章 私がイラク支援を続ける理由┴第3章 イラクから見る日本┴終 章 イラク戦争を知らない世代の皆さんへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
35
感想がうまく書けない。自衛隊の街千歳出身の作者は2004年イラクで他の2名の日本人とともに地元の武装勢力に拘束され9日目に解放された。帰国後の「自己責任」バッシング、当時のテレビを思い出し苦しい。先週札幌でたまたま目につき購入したこの本をこれから何回も読むだろう。「対テロ戦争」という言葉が何を正当化したか、日本にイラクの現状を伝えようとしてもメディアが伝えないこと。「武器を持ったイラク人には殺されなかったのに、武器を持たない同胞に「殺されて」しまったこと。私たちが「知らなった」では済まされないこと。良書。2019/08/17
crane155
0
イラク戦争は「対テロ戦争」と言われた。テロを推進する危険な国から、世界に平和を取り戻す正義の戦争である、と。以降、「対テロ戦争」という言い方が、頻繁に使われるようになった。 しかし、イラクは、むしろテロの最大被害国のひとつだ。米軍占領下で、イラク新政府の統治下で、さらに、その後のISの台頭によって、多くのイラク人がテロの犠牲となった。にもかかわらず、イラク人の友人に、よくこんなことを言われる。「私たちは被害者なのに、加害者扱いされる」。あるいは「イラク人は怖い、イスラム教徒は怖い、と言われる」と。2020/08/14
vivi
0
★★★★★2019/07/08