岩波新書<br> 西洋哲学史 近代から現代へ

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岩波新書
西洋哲学史 近代から現代へ

  • 著者名:熊野純彦
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2020/09発売)
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  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004310082

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内容説明

はたして,「神は死んだ」のか.言葉はどこまで「経験」を語りうるか──デカルト以降の西洋哲学は,自然科学的世界観の生成と交錯しつつ,思考の可能性と限界を見さだめながら展開してゆく.前著『西洋哲学史 古代から中世へ』に続き,テクストの集積の中に「考えること」を経験させる,新鮮な哲学史入門.

目次

まえがき
凡例
第1章 自己の根底へ 無限な神の観念は、有限な〈私〉を超えている デカルト
第2章 近代形而上学 存在するすべてのものは、神のうちに存在する スアレス、マールブランシュ、スピノザ
第3章 経験論の形成 経験にこそ、いっさいの知の基礎がある ロック
第4章 モナド論の夢 すべての述語は、主語のうちにすでにふくまれている ライプニッツ
第5章 知識への反逆 存在するとは知覚されていることである バークリー
第6章 経験論の臨界 人間とはたんなる知覚の束であるにすぎない ヒューム
第7章 言語論の展開 原初、ことばは詩であり音楽であった コンディヤック、ルソー、ヘルダー
第8章 理性の深淵へ ひとはその思考を拒むことも耐えることもできない カント
第9章 自我のゆくえ 私はただ私に対して存在し、しかも私に対して必然的に存在する マイモン、フィヒテ、シェリング
第10章 同一性と差異 生命とは結合と非結合との結合である ヘーゲル
第11章 批判知の起源 かれらは、それを知らないが、それをおこなっている ヘーゲル左派、マルクス、ニーチェ
第12章 理念的な次元 事物は存在し、できごとは生起して、命題は妥当する ロッツェ、新カント学派、フレーゲ
第13章 生命論の成立 生は夢と行動のあいだにある ベルクソン
第14章 現象の地平へ 世界を還元することで獲得されるものは、世界それ自体である フッサール
第15章 語りえぬもの その書は、他のいっさいの書物を焼きつくすことだろう ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、レヴィナス
あとがき
関連略年表
邦語文献一覧
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

抹茶モナカ

32
西洋哲学の通史を新書で出版したもの。哲学者のエッセンスを学びたい、と、手にとったけれど、撃沈。どんな学問もそうだけれど、簡単に学べるものってなくて、この本も難しくて、通読しただけのレヴェル。自分の中に知識があって、それを通史として整理するレヴェルに達していないので、哲学のわからなさを実感。「うむ、わからないな~。」と、思いながらの読書。哲学的センスが欲しくて、哲学の本は少し意識的に読むようにしているけれど、哲学書には突入できないままです。2017/01/19

壱萬弐仟縁

32
前巻よりも書きこみは少ないが、前巻の流れで引き続き購入してあった。哲学史と哲学そのものは、べつのものというわけではありません(ⅰ頁)。ロック『人間知性論』の主題:じぶんたち自身の能力をしらべること。問題は、人間の知識の起源、確実性ならびに範囲を探究すること(42頁)。 問題とするのは、信念、意見、同意の根拠と程度(43頁)。彼は人間をとうてい信頼できない被造物の群れとみなしている(56頁)。ルソーは、こわれやすい夢想を紡ぎだす詩人であった(119頁)2015/05/24

ころこ

27
小説を読むときに、テクスト主義かキャラクターに着目するか大きく分かれます。哲学史を同様の観点からみた場合、哲学者の単位で章立てがあるため本書はいっけん後者かと錯覚しますが、実態は前者のテクスト主義に近い書き方といえるでしょう。実際には、各章でテーマが設定されており、前後の流れを重視してそのテーマに沿った各哲学者の議論を紹介しています。3章におけるロックの観念論から5章のバークリーの認識論、、続いて6章のヒュームの経験論へ、ロックの言語論は7章のコンデヤック、ルソーの言語起源論へという具合です。他には、フレ2018/09/07

SOHSA

25
前著に続き読了。中世以降の西洋哲学の思想家は、キリスト教とどう向き合い、どう折り合うかに苦悩していたように見えた。もしも神の存在を否定するという意味ではなしに、神の存在を前提としない思考が可能であったなら、現代思想は別の展開をみていたかもしれない。信仰や宗教が実生活の基礎として根源的な位置を占めない現代の日本人には、それゆえに西洋哲学を難解に感じるのだろう。本書を通じて西洋哲学史の展開の必然性が少し理解できたような気がする。時をおいて再読したい。2013/06/07

かんがく

14
デカルト〜レヴィナスの哲学史概説。なかなか歯ごたえがあるが、しっかりと読み進めれば理解が進む文章。引用が的確かつ豊富で、各哲学者が何を特に重視したかがわかる。基本的に哲学は数学と切ることが出来ないと感じた。2019/12/06

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