岩波新書<br> 西洋哲学史 古代から中世へ

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岩波新書
西洋哲学史 古代から中世へ

  • 著者名:熊野純彦
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2020/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004310075

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内容説明

あらゆる思考のそもそものはじまりには哲学者そのひとの経験があり,どのような論理にもそれをつむぐ言葉がある──やわらかな叙述と魅力的な原テクストをつみかさねることを通じて,「思考する」ことそのものへと読者をいざなう新鮮な哲学史入門.哲学の祖タレスから中世までを本篇でたどる.近・現代を扱う続篇も近刊予定.

目次

まえがき
凡例
第1章 哲学の始原へ いっさいのものは神々に充ちている タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス
第2章 ハルモニアへ 世界には音階があり、対立するものの調和が支配している ピタゴラスとその学派、ヘラクレイトス、クセノファネス
第3章 存在の思考へ あるならば、生まれず、滅びない パルメニデス、エレアのゼノン、メリッソス
第4章 四大と原子論 世界は愛憎に満ち、無は有におとらず存在する エンペドクレス、アナクサゴラス、デモクリトス
第5章 知者と愛知者 私がしたがうのは神に対してであって、諸君にではない ソフィストたち、ソクラテス、ディオゲネス
第6章 イデアと世界 かれらはさまざまなものの影だけを真の存在とみとめている プラトン
第7章 自然のロゴス すべての人間は、生まれつき知ることを欲する アリストテレス
第8章 生と死の技法 今日のこの日が、あたかも最期の日であるかのように ストア派の哲学者群像
第9章 古代の懐疑論 懐疑主義とは、現象と思考を対置する能力である メガラ派、アカデメイア派、ピュロン主義
第10章 一者の思考へ 一を分有するものはすべて一であるとともに、一ではない フィロン、プロティノス、プロクロス
第11章 神という真理 きみ自身のうちに帰れ、真理は人間の内部に宿る アウグスティヌス
第12章 一、善、永遠 存在することと存在するものとはことなる ボエティウス
第13章 神性への道程 神はその卓越性のゆえに、いみじくも無と呼ばれる 偽ディオニシオス、エリウゲナ、アンセルムス
第14章 哲学と神学と 神が存在することは、五つの道によって証明される トマス・アクィナス
第15章 神の絶対性へ 存在は神にも一義的に語られ、神にはすべてが現前する スコトゥス、オッカム、デカルト
あとがき
関連略年表
邦語文献一覧
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう

41
難しかった!古代〜中世の哲学史を新書1冊で駆け抜けるのだから当たり前か。1冊で駆け抜けつつ、少しずつでも各哲学者の著者を引用するという構成は、初学者にとってありがたい。ご本人の言葉に触れるということを試みたいので。古代ギリシャの哲学がそのまま西洋哲学に引き継がれたのではなく、殊にアリストテレス哲学はアラビア世界から時を経て西洋へ流入したという点、理解しました。これによって起こったスコラ哲学の有り様は、現代における分析哲学の有り様と相似してるなと思ったり。好き嫌いで言うと、プロティノスの言葉に心惹かれます。2022/11/12

壱萬弐仟縁

32
慶應通信学生のときに、’06年頃の科目試験、レポートなどで活躍していた書。手書きで過去問など整理をしてある紙が挟み込まれて、実に懐かしく思い出した。ピタゴラス数:x二乗+y二乗=z二乗を満たす3自然数の組(19頁)。フェルマーの最終定理:xのn乗+yのn乗=zのn乗 n≧3なら、整数解をもたない(20頁)。せめぎあいこそがロゴス(27頁)。アリストテレスは、行為にかかわる理性のはたらきを賢慮(フロネーシス)と呼び、知一般と区別していた。2015/05/24

SOHSA

31
古代から中世における核となる思想哲学を抽出し各テクストの文章を引用紹介しながらその思想の形成過程と到着点、思想内容を明示しようとした著者のアプローチは、ある面では成功している。しかし惜しむらくはやはり哲学への誘いの入門書にはなりえていない点だ。特に本書中に何度も使われている「ある思想について後世の哲学者の解釈を引用しての解説」という方法は、その後世哲学者の思想を知らない者にとっては、むしろ問題を難解にしてしまっている。本書の内容は決して難解ではないが、こういった方法がかえってわかりにくくしている。2013/06/01

ころこ

24
読者は、最初の50ページくらいは飛ばして読むくらいの柔軟性が大切です。それが哲学の実践というものでしょう。本書のようなテクストが、現代に読まれるとしたら、恐らく、既に大方知っている読者の再確認用か、大学の教養課程の教科書くらいではないでしょうか。後者の場合、大変真面目に20~30ページ読んで哲学がトラウマになるのならば、本書が確認用になるくらい迂回してみてよろしいかと思います。本書はそうならないように、著者が大胆に洒脱な表現と解釈と、時にはツッコミを入れて大いに工夫されています。80年代から90年代に掛け2018/03/18

18
古代から中世までの著名な哲学者とその思想を解説した新書。著者が主張を挟まず解説者役に徹しているのが良い。思想史の大まかな流れは(なんとなく)掴めるが、個々の思想はやはり難解で、一度通読した程度では理解は全くおぼつかない。後編の「近代から現代へ」も含めて再読したい。ストア派の章でマルクス・アウレリウスについて触れられているのが個人的に嬉しかった。2015/09/27

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