5G  次世代移動通信規格の可能性

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5G  次世代移動通信規格の可能性

  • 著者名:森川博之
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2020/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318316

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内容説明

いよいよサービスが開始される第五世代移動通信規格・5G.その技術的特徴・潜在力はどこにあるのか.あらゆる「モノ」が5Gに取り込まれることで,私たちの生活はどのように変わるか.また,ファーウェイをめぐって米中が繰り広げる,激しい覇権争いの深層に何があるのか.5Gを最もよく知る第一人者がさまざまな疑問に答える.

目次

序 章 5G×デジタル変革
5Gはスマートフォンだけではない/「低遅延」「多数同時接続」の2つが新しい軸/5GはF1,4Gはゴーカート/デジタル変革のドライバー


第1章 5Gの本質
5GとIoTやAIの関係/なぜ5Gが注目を集めているのか?/5Gは周波数帯に着目せよ/5Gは無線部分と有線部分とから構成される/5Gでは光回線が重要/「超高速」「低遅延」「多数同時接続」/上り通信の高速化/B2CからB2Bへ/ローカル5G――通信事業者以外が対象の自営5G/5G基地局は徐々に広がっていく/人口カバー率からエリアカバー率へ/地方でも均等に設置が始まる5G基地局/B2CからB2B2Xへ/少しずつ進化する5G/5Gテクノロジー自体は非連続なものではない/新しいビジネスの余地が生まれる/5Gは産業を激変させるのか


第2章 5Gの潜在力と未来の姿
バルセロナのMWC2019/自動運転――自律型と遠隔型/クルマのコモディティ化とゲームチェンジ/いろいろな形態の自動運転/安全運転支援のための5G/作業現場の無人化/無線化スマート工場/Industry 4.0 を支える5G/ローカル5G工場の誕生/データ駆動型医療・ヘルスケアを後押しする/5Gが切り開く新たな医療・ヘルスケアの姿/モバイルヘルス――「プロアクティブ型医療」に向けて/ゲームがテクノロジーを進化させる/ゲームの変遷とクラウドゲーム/クラウドゲームならではの特徴/IT業界の巨人参入により変わるゲーム業界の構図/将来を深く洞察していたネットフリックス/動画配信を軸にした地殻変動/動画とゲームの垣根がなくなる/テレビとスマートフォンの垣根もなくなる/ARやVRは5Gで離陸するか/現実と仮想の境目が消える/4K遠隔作業支援などの産業応用も/都市の安全を見守る/地方も変わる/5Gが地方の生産性向上の起爆剤に/地方ならではの強み/データに基づくまちづくり


第3章 モバイル興亡史をふり返る──通信規格の世代交代
10年ごとに進化してきたケータイ/5Gでも事業や生活が一変するのか/アナログだった第1世代/携帯電話が普及し始めた第2世代/なぜ,携帯が一気に普及したのか/PHSの登場/世界に衝撃を与えたiモード/高機能化が進んだ3G/iPhoneの登場/3.5Gと3.9G,そして4G/人々のコミュニケーションスタイルを変えた/スマートフォンはどこに向かうのか


第4章 激化するデジタル覇権争いのゆくえ
市場に群がる多彩なプレイヤー/5Gの「世界初」競争/三者三様の5G/日本の立ち位置/寡占と競争――第4の事業者/基地局整備/基地局に加えて災害対応も/隠れた王者クアルコム/クアルコムの特許ライセンス/裾野分野での日本企業の存在感/米中5G戦争/デジタル覇権のせめぎ合い/デジタル・シルクロード/セキュリティとファーウェイ/国家情報法/制裁措置の影響/ファーウェイの発展史/研究開発と顧客中心主義/業界再編の嵐/垂直統合的な産業構造/日本企業の命運


第5章 5Gを支えるテクノロジー
電波――共有の財産/電波の性質/5G割り当て周波数/「多段ケーキ」でカバー/ハイバンド/ミッドバンド/ローバンド/信号機を5G基地局に/多彩なテクノロジーの取り合わせ/Massive MIMO/低遅延――1ミリ秒は無線区間のみ/エッジコンピューティング/クラウドへの対抗軸/IoTを支える多数同時接続/コアネットワークの仮想化/無線アクセスネットワークの仮想化/ネットワークスライシング/ローカル5Gの周波数/自営BWA/ローカル5GとWi-Fi6


終 章 5Gにどのように向き合えば良いか
まずは土俵に上がる/5G活用の考え方/隠れたニーズに気づく/フットワーク軽く動く/通信事業者やローカル5G構築・運用事業者との戦略的連携/6Gへ――モバイル進化の底流を読む/産業構造の激変の中で創り上げる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

119
珍しく岩波からこのような本が出版されました。5Gの本はいくつか読んできているのですがっ図表が多くわかったつもりになっていても概念だけはつかめても細かいところは理解していない気がしていました。この本は図表があまり多くはなくことばで説明しているのですが非常に初心者などにとってはわかりやすい気がしました。歴史や5Gを支える技術などの箇所がいいと思いました。2020/06/08

どんぐり

73
5G=第5世代の移動通信システム(インフラ)の話である。第1世代が外出先からの通話→第2世代が携帯電話にメール→第3世代が携帯電話にネット→第4世代がSNSや動画配信など様々なアプリケーションの登場。そして5Gは、通信速度が現行の100倍ともいわれる「超高速」「多数同時接続」で、通信の主役が「ヒト」から「モノ」に変わり、あらゆる産業分野に生産性の向上が期待されているのだという。「高精細映像」「常時接続(I o T)」「ケーブルレス」「遠隔操作」「AR/VR」から、果たしてどんな新しいビジネスが生まれるのか2020/09/29

trazom

72
ITには極めて疎い私には、とても勉強になるいい本だった。5Gは、大容量+高速としか思ってなかったが、それとともに、低遅延、多数同時接続という特性が大事なのだと知ったし、いろんな種類の5Gがあることも分かった。人のネットワークからモノのネットワークに変わり、B2CからB2B2Xへとビジネスの仕組みが拡がる可能性もよく理解できる。著者は、通信工学の大学教授であるが、技術だけでなく、ビジネス面からの説明にも極めて説得力があり、(多分本質的なことは何も理解できてないのだろうが)何となく分かったような気持ちになる。2020/08/14

saga

65
最先端の通信技術・5Gを知るために読んだ。「2時間の映画が3秒でダウンロード」「あらゆる物がインターネットにつながる」などなど、技術のすごい面が強調されているが、割り当てられる電波特性を考えると、今すぐの実現は難しそうだ。基地局やアンテナが狭いエリアに必要なところはPHSを彷彿させる。5Gスタンドアロンが実現するまでは、4Gとのハイブリッドで運用されることになるのだろう。個人的にはローカル5Gに興味が沸いた。また、人口集中地区ではない地域への5G網構築にも期待したい。2020/12/13

けんとまん1007

48
多少は知識があるが、入門書として読んだ。1Gに始まり今日に至るまでの概要が、書かれており、通信を幹とした経過が分かりやすい。ポイントは、5G使って何ができるのかということ。そして、OODAルーチン。2020/05/05

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