岩波新書<br> 魔女狩り

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岩波新書
魔女狩り

  • 著者名:森島恒雄
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 岩波書店(2019/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004130208

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内容説明

西欧キリスト教国を「魔女狩り」が荒れ狂ったのは、ルネサンスの華ひらく十五―十七世紀のことであった。密告、拷問、強いられた自白、まことしやかな証拠、残酷な処刑。しかもこれを煽り立てたのが法皇・国王・貴族および大学者・文化人であった。狂信と政治が結びついたときに現出する世にも恐ろしい光景をここに見る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てち

96
今回のコロナ騒動が魔女狩りに似ているのではないかと思い読んだ。昔は悪行をした魔女が罰せられていたが、次第に魔女であるだけで罰せられるようになった。今のこの自粛ムードも同じだと思う。というのも、当初は医療崩壊を防ぐための、一手段の自粛であったが、今は自粛が目的になっているからだ。我々は、目的と手段をしっかり理解しなければならない。2020/05/09

夜間飛行

83
法王インノケンティウス三世が南仏アルビ派を警戒してアルビ十字軍を派遣する。グレゴリウス九世がシラミ潰しの異端審問を行う。そしてヨハネス二二世が魔女を異端とする教書を出す。以来18世紀まで魔女狩りの連鎖を誰も止める事ができなかった。教会が古い魔女の呪術性の上に神学の網をかぶせ、悪魔と結託した魔女像をでっち上げて作った魔女狩りシステムを見ていると胸糞が悪くなる。そのせいで多くの人が拷問や極刑に処せられたのだ。弱者を排除する事で得をする国や集団がある限り、人間は魔女狩りをくり返すのか、と思うと胸が苦しくなった。2016/09/11

かすみん

41
残虐な魔女狩りについて、その起こりや変遷の基本的な事が書かれた一冊。2024/02/20

hit4papa

28
15世紀から17世紀の中世ヨーロッパを中心に吹き荒れた、魔女狩りの本質を探るものです。本書を読んで、驚愕するのは、当時の知識人、博識者が率先して魔女裁判を支持していた事実です。ルターやベーコンでさえも、魔女に関しては中世に片足を踏みとどめていたといいます。著者は、魔女裁判が廃れていくのは、近代科学に基づく合理的な精神によるものではなくて、世界国家が、魔女を造る必要がなくなったからだとしています。こう考えると、いちばん恐ろしいのは、人間の本質ということになるのでしょうね。

taku

26
中世に吹き抜けた暗黒の嵐。宗教的異端者の撲滅を図った異端審問は、新しい魔女の姿を創り出し、魔女裁判という恐るべき処刑史を歴史に刻む。その仔細が知れる興味深い本。政教一体で災厄の押し付けと財産没収という錬金術を使う。権力者の「正」と「聖」、私利私欲と民衆の不安や迷信が結びついたスケープゴート。決められた罪を認めさせる為の裁判、拷問、自白。やがて魔女論が確立され、裁判は形式的に合理化されていく。後世の人間に、当時の狂気と正気の境界なんてわからないだろうね。人の性を感じてしまうな。2016/11/08

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