岩波新書<br> 国家神道

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岩波新書
国家神道

  • 著者名:村上重良
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2019/10発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004121558

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内容説明

国家神道は、近代天皇制国家がつくりだした国家宗教であり、明治維新から太平洋戦争の敗戦まで八十年間、日本人を精神的に支配しつづけた。本書は、国家神道の成立から解体までの過程を詳細にたどり、その構造と思想を分析して本質的性格を明らかにすることによって、神道が日本人にとっていかなる意味をもったかを追求する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

57
明治政府により始まり太平洋戦争終結まで、国家により主導された神道が国家神道である。五十年近く前の本であるため、マルクス史観ど真ん中の本であるが、それでも国家神道とは何かという基本は本書一冊で充分に押さえれると思う。大体三部構成になっており、一部で明治維新まで二部で維新以後の神道の歴史を説明している。この前教派神道に関する本を読んだので、この辺の説明と合わせると戦前日本の神道と宗教のややこしい関係がわかるな。そして三部で国家神道の教義や祭祀、解体までが語られる。主題をわかりやすく解説したいい本であった。2024/02/02

樋口佳之

42
天皇にいっさいの価値基準をおく教育勅語は、天皇への忠誠と祖先崇拝を結合した国民教化を目的としてつくられて、国家神道の事実上の教典となり、同時に、学校教育の基本/国家神道体制は、国民から、信教の自由を奪ったのみでなく、神社神道をふくむ日本の全宗教から、自主的でゆたかな創造と展開の可能性を奪い去ったのである。/たまたま電子本にあってのセレクトですけど、「徳目には別段問題ない」対「一旦緩急アレハ…」の議論ではとても収まらない、教育勅語と国家神道の問題性を読んだと思います。2020/08/31

yamahiko

18
著者の思想的バックボーンを差し引いて考えても、国家神道の成り立ちを知るうえで本書の意義は大きく、名著であることはかわりないと感じました。2018/02/18

モリータ

12
伝統的に見える神社や神道にまつわる習慣・常識には、伝統的なものを装って近代に人為的に作られたものも多いことを知っておくのは、その他の日本文化に接する態度にも役立つ。そういうことを知ったうえで明治に創建された神宮とか人物を祀った神社に行ったりすることにはそれなりの価値とおもしろさがあると思う。この本のテーマである近代の国家神道の成立と展開については、出版当時はまだ同時代性もあったこの本よりも、近出た島薗進書を読んだほうがいいかもしれないが、前半は神道史概説だし、入門には良いのでは。2016/01/14

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

8
昭和45年出版の本。明治新政以降の国家統治の手段としての神道利用の歴史が述べられている。それまでの仏教中心の宗教文化を蹂躙し、各地土着の神社神道を皇室神道に強引に合致し、路線外諸宗教には暴力的迫害が行われたこと、キリスト教に対し神社参拝を含む国体の教義への服従を強いたことなどが詳細に語られる。極端な右傾化が進むいま、国家神道復活の呪縛は消えるどころか強まるばかりであると感じる。今こそ国民は人権意識を大切にして、宗教と政治の間の緊張関係や、両者の区別や限界についての判断をしっかりとしていかなければならない。2020/08/07

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