岩波科学ライブラリー<br> ちいさい言語学者の冒険 - 子どもに学ぶことばの秘密

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岩波科学ライブラリー
ちいさい言語学者の冒険 - 子どもに学ぶことばの秘密

  • 著者名:広瀬友紀
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2018/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296595

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内容説明

「これ食べたら死む?」どうして多くの子どもが同じような,大人だったらしない「間違い」をするのだろう? ことばを身につける最中の子どもが見せる数々の珍プレーは,私たちのアタマの中にあることばの秘密を知る絶好の手がかり.言語獲得の冒険に立ち向かう子どもは,ちいさい言語学者なのだ.かつてのあなたや私もそうだったように.

目次

目  次
   まえがき

 第1章 字を知らないからわかること
    「は」にテンテンつけたら何ていう?/テンテンの正体/ 「は」と「ば」の関係は普通じゃない/子どもはテンテンの正体を知っている/ 「は」行は昔「ぱ」行だった/字をマスターする前だから気づく/子どもと外国人に教わる日本語の秘密/数があわない/納得できない「ぢ」と「じ」
 第2章 「みんな」は何文字?
   日本語のリズム/日本語の数え方は少数派/子どもなりの区切り方/じつはかなり難しい「っ」/ 「かににさされてちががでた」/必殺!「とうも殺し」
 第3章 「これ食べたら死む?」──子どもは一般化の名人
    「死む」「死まない」「死めば」──死の活用形!/規則を過剰にあてはめてしまう/ 「死にさせるの」/おおざっぱすぎる規則でも、まずはどんどん使ってみる/ 「これでマンガが読められる」/日本の子どもだけが規則好きなのではない/手持ちの規則でなんとか表現してしまおう/普通に大人をお手本にすればいいのに?
 第4章 ジブンデ! ミツケル!
   教えようとしても覚えません/教えてないことは覚えるのになあ!/ジブンデ! ミツケル!/ 「か」と「と」の使い方は難しい/結局、何が手がかりになっているのか
 第5章 ことばの意味をつきとめる
   はずかしいはなし/ 「ワンワン」とは?/ 「おでん」とは?/ 「坊主」とは?/どうやって意味の範囲を最初に決めるのか/どうやって意味を修正するか/モノの名前でなく動詞の場合は?/そもそも、どこからどこまでが単語?/ことばの旅はおわっていない
 第6章 子どもには通用しないのだ
   ぶぶ漬け伝説/子どもに通じるか/ことばにしていないことがどうして伝わるのか/500円持っているときに「ボク100円持っているよ」は正しいか/子どもも大人のような解釈ができるか/相手の心をよむチカラ/周りの状況をよむチカラ
 第7章 ことばについて考える力
   ことばを客観的に見る/音で遊ぶ──しりとり/意味で遊ぶ──「踏んでないよ」/構文で遊ぶ──「タヌキが猟師を鉄砲で」/解釈で遊ぶ──「大坂城を建てたのは誰?」/音で遊ぶ(その2)──「がっきゅう○んこ」/ことばの旅路をあたたかく見守ろう
   あとがき
   もっと知りたい人へのおすすめ書籍
   参考文献・引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

105
楽しい言語学! 子どもはどうやってことばを覚えていくのか、その過程を実例(著者自身のお子さん)も交えて検証していく。子どもは親に教えてもらうことよりも、自分で法則をみつけては修正していくんだね。大人だっておそらく仮の完成であって、終生それを手直ししていくのだろう。意味も用法も時代とともに移り変わるのだから。子どものころ、「なぜ「さ」にはマルがつかないのか」などと考えていたことを思い出す。後年「か」行にマルをつける例(鼻濁音)も知りました。ところで沖縄の「宮古がな」について、どなたか教えていただけませんか?2022/08/18

♪みどりpiyopiyo♪

98
「これ食べたら死む?」どうして多くの子供が同じような、大人だったらしない「間違い」をするのだろう? ■評判通りの楽しいご本でした♪ 子供が言語を学ぶ過程は、単なる真似ではなく、規則を発見し、身に付け、修正しながら進んでいくもの。その間違いにはしっかりした規則が背景にあるのですね。■ことばを身につける最中の子供が見せる数々の珍プレーは、私達のアタマの中にあることばの秘密を知る絶好の手がかり。言語獲得の冒険に立ち向かう子どもは、ちいさい言語学者なのだ。かつてのあなたや私もそうだったように。(2017年)(→続2018/03/26

舟江

60
こどもの日本語取得時における疑問を、やさしく解き明かした本。衝撃的だったのは、「た‐だ」「さ‐ざ」「か‐が」の間に成立している対応関係は、「は行」に関しては「ぱ(pa)‐ば(ba)」であるという。実際に発音してみれば納得がいく。2017/09/04

したっぱ店員

44
こどものかわいい言い間違いにこんなに論理的な理由があったとは。どの子も同じように間違った言い回しをするのをちょっと不思議に思っていたけど納得。とても驚いたし面白かった。言語学興味深い。2022/12/04

あおでん@やさどく管理人

41
活用の仕方や規則の使い方を間違えて話していたことは覚えていないが、自分か弟が「薬」を「すくり」、「ジャガイモ」を「がじゃいも」と言っていた、という話は親から聞いていた。言い間違いを指摘されるだけではなく、周囲の様々な言語情報から、少しずつ自分の頭の中で体系化されることで言語は獲得されていく。そして職業柄、こうした言語獲得のメカニズムを人工知能に取り込めるのか、取り込めるならば何が起こるのかも気になってしまう。言語獲得に関する入門書としては◎。2019/01/04

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