岩波新書<br> 賢い患者

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岩波新書
賢い患者

  • 著者名:山口育子
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2018/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004317258

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内容説明

医療者や病院,病気との向き合い方とは.6万件近くの患者・家族からの電話相談,長年続けている医療機関を患者の目線で見直す活動などを横糸に,自らのがん患者体験,看護・介護の日々を縦糸に,その答えを探っていく.

目次

目  次
   はじめに

 序章 私の患者体験
   二五歳目前で、がんに/自分に起きている真実を知りたい/つらい治療/知るための“闘い”/どんなことも一〇〇%マイナスではない/comlとの出合い/限界のなかでの忘れられない経験/新たなスタートへ
 1章 患者、家族の声を聴く──電話相談
   五万九〇〇〇件の声/患者を取り巻く環境が変わる/医療安全への関心/どの医療機関を選ぶといいのか/患者の不信感はなぜ医師に向かうのか/不信感の背景/患者と医療者の想いのズレ/セカンドオピニオン/患者の理解を妨げているもの/なぜいまも「説明不足」なのか/医療費を知りたい
 2章 患者や家族が直面したこと──comlに届いた相談から
   相談(1) 老老介護へのかかわりがむずかしい娘の立場/相談(2) 生きがいである仕事に復帰できず死活問題/相談(3) あまりに杜撰な管理状況/相談(4) 八時間足らずの入院で二日分の請求?/相談(5) 患者が選べない“かかりつけ薬剤師”って?/相談(6) 入院継続なら差額ベッド料を支払えなんて/相談(7) 抜歯中に上あごを傷つけたのに処置もなく/相談(8) しわとりの美容医療でいびつな状態になって/相談(9) 肛門は残せたけれど一日中便が出続ける状態に/相談(10) 残っていたガラス片が移動して筋肉や神経を傷つけ/相談(11) 急性大動脈解離だと思い込みの治療をされ死亡した父/相談(12) 過失がないから医療事故調査・支援センターに届けない?
 3章 患者が医療を受けるとき──『新 医者にかかる10箇条』
   賢い患者とは/新 医者にかかる10箇条/誕生のきっかけ/子どものための「10か条」/子どもと保護者のためのワークショップ
  【コラム】 ミニセミナー「患者塾」

 4章 患者が医学教育にかかわる──模擬患者
   模擬患者と医師の対話/模擬患者とは/なぜ始めたのか/模擬患者から医師が学んだこと/医療面接が試験に/医学生の倫理観を養う
  【コラム】 患者と医療者のコミュニケーション講座

 5章 患者が病院を変えていく──病院探検隊
   利用者の“虫の目”で/どこを見るのか1 外回り、受付/どこを見るのか2 外来/どこを見るのか3 病棟/どこを見るのか4 患者が利用する場/病院の改革につなげる
 6章 患者が参加する──「医療をささえる市民養成講座」
   医療にかかわる人の講座を/患者参加の場が増える/ますます増える市民参画ニーズ/アドバンスコース
 7章 患者を“支え抜く”ということ──辻本好子のキーパーソンとして
   comlがnpo法人に/二つの試練/がん患者をサポートする日々/東京まで行ってしまった……/支える覚悟/二つ目のがんが発症/説明をいっしょに聴いたのに……/予想もしなかった厳しい現実/ショックのなかで/現実を受けとめるために頼まれた文章/伝えたい医療者を選ぶ/気持ちを受けとめる/患者としての選択/支える側も病気に/声が聞こえる/遺された事前指示書
   あとがきにかえて
   多くの人に支えられて/プラスの方向に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

57
医療における情報の非対称性に取り組むNPO法人の歩みを紹介。医療者と受診者双方に役立つヒントが簡潔に纏められている。圧巻はご本人をしてこの活動に向かわせた現理事長の若き日の癌体験と、団体創始者の思いがけない発病と看取りまでのドキュメントだ。2018/12/10

Twakiz

29
「賢い患者」とはどういったことだろう.昔の「お医者様は神様」の時代は終わり,その次に「説明と同意」の時代が来た.でも医療者の「説明」をきちんと理解して同意して医療行為を受けることはいろいろな意味で難しい.その次に現在は「shared decision making」の時代です.共に決めていくという感じ.でもそれにはたくさんの時間が必要.ジレンマです.ご自身が婦人科がんと闘病しつつ,一般の方が医療・病院とうまく付き合っていくための活動COMLをされている著者の主張は理解できます.実行は難しいことも多いです.2018/07/18

Greatzebra

19
医療者の時間のなさ(要するに医者が忙しすぎる)がいちばんの問題じゃないかと思うが、そのことについてはあまり触れられていない。医者が1日に診る患者を制限して一人一人の患者に時間を割くことができれば解決する問題があると思うが、制限すると今度は診てもらえない患者が出てくる。医者の数は全く足りていない。2019/02/28

Tatsuya Michibata

5
とても読みやすい本であっという間に読めました。前理事長の辻本さんと著者の山口さんの闘病記のようなところもあり、興味深かったです。「新 医師にかかる10箇条」は色んなところで引用させてもらっています。ただ、以前からどういうわけか「賢い患者」という言葉には抵抗があります。なぜそうなのか、誰か心理分析してほしいところです。それでは、どのような言葉が良いか?主体的な患者、主権者としての患者、命の主人公としての患者、ウーン、良い言葉がうかばない...2019/07/08

twinsun

4
患者は治るか目の前から消えてくれればいいというのが医者の腹の中で考えていることだと喝破した本を以前に読んだ(「精神科医は腹の底で何を考えているか」)が、「あなたに何かしてもらいたいわけじゃないのよ。あなただから聴いてほしいの」というCOML創設者辻本とその後継者である著者の会話はこの対極に在るものだ。病気を視る前にその人に人間同士として向かい合っているか。講演を聴く機会があり、壮絶な医療体験と秘めたる熱い思いを医療従事者と患者の意識変革へのエネルギーへと昇華させた著者と著書を知った喜び。2022/07/08

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