講談社現代新書<br> 社会的な身体-振る舞い・運動・お笑い・ゲーム

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講談社現代新書
社会的な身体-振る舞い・運動・お笑い・ゲーム

  • 著者名:荻上チキ【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2018/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062879989

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内容説明

ネット論壇とマスコミの共犯関係、ゲーム的な身体的快楽と新しい社会運動、お笑いの変化と私たちの日常の「振る舞い」の関係とは? メディア環境の激変は、私たちの“身体”をどのように作り替え続けているのか? 気鋭の批評家が2000年代の日本社会を描く画期的評論!

目次

第1章 有害メディア論の歴史と社会的身体の構築
有害メディア論の構造/ソクラテスの文字批判/小説がバッシングされた時代/紙芝居批判と「教育紙芝居」の登場/「教育談義」に招き入れられるメディア/ メディア浸透の四段階仮説/たまごっちとポケベルをめぐる議論はなんだったのか/ニューメディアの登場と社会的身体の組み替え etc.
第2章 社会的身体の現在──大きなメディアと小さなメディア
身体拡張キット」としてのケータイとパソコン/使い分けられる身体/ケータイを身体化する子どもたちをめぐる二重の不安/「小さなメディア」時代の過剰なリテラシー要求/マスコミを「強化」するマスコミ批判/私たちはテレビを求め、加えてウェブを求めた etc.
ノート 「情報思想」の更新のために
「形式/内容」の議論が見落としているもの/単純化された社会モデルの落とし穴/メディアは思想を作り出す etc.
第3章 お笑い文化と「振る舞い」
「役割モデル」と「振る舞いモデル」/「キャラみせ」が主流になった二〇〇〇年代の「お笑い」/「キャラ要素」と「バトル要素」の先鋭化/視聴者と芸人の関係の時代変化/「どっきりのどっきり」に見るテレビ空間の成熟度/振る舞いモデルとしての「一発屋」/ワイプ画面で試みる「お約束の共有」/ニコニコ動画と振る 舞いの連鎖 etc.
第4章 ゲーム性と身体化の快楽
「ゲーム性」と快楽/「毎日WaiWai騒動」に見るカスケード現象/「祭り」に参加する三種類のプレイヤー/「国籍法騒動」とカスケードの政治力/グーグルSVと「操作性の快楽」の二面性/ポスト社会運動を担う「行為体」/ポスト社会運動と身体のゆくえ etc.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takayuki Oohashi

17
何回か読み返して、分かってくる部分もあったり、分からないままであったりする本でした。一つ思うのは、河合隼雄さんや井上浩一さんと違い、この荻山チキさんは読者に自分の伝えたいことを伝えるにあたって、分からない読者は分からないままでいいわ、と開き直っているのではないか、ということです。気鋭の評論かもしれませんが、社会の現象を自分の定義付けで説明しようという独善的な感があり、あまり好きにはなれませんでした。お笑いとゲームの説明の箇所は現代的で面白かったです。2016/05/08

白義

9
今一番手頃で秀逸なメディア論入門。身体性とメディアの関わりというテーマに、マスコミとネットの関係や有害メディア論のパターンなど、読者の関心によくそった内容が手際よくまとまっている。マスゴミ批判がマスコミを強化する、マスコミに依存するネットメディア形式は特に基礎としておさえておきたいところか。また、振る舞いのデータベースをお笑い史をたどることで見出だしたりと、東浩紀、ゼロ年代思想的な文脈の隙間を有効に埋めていてサブカル論としても有益2011/03/16

ヒダン

7
社会的身体とは文化的な差異や変化を伴う、学習された個人の身体に対するイメージのことで、メディアによりそのあり方が解体/構築される。この社会的身体をキーワードにメディア論を展開している。社会的身体は場面毎にでさえ組み替え可能であり、一つの社会的環境から作り出される社会的身体は常に多様である。イロモネアのワイプ画面もニコ動のコメントも他者の反応をうかがって解釈をめぐる議論の場を共有したいという同期の欲望を満たしている。この同期の欲望にそって我々はコミュニケーションの方法を組み替え、身体に取り込んでいく。2015/01/09

またの名

6
読者が読むスピードよりもはるかに高速で喋りそうな若手評論家が、社会的構築物としての身体とメディアの関係性を分析。なまの体験を云々してくる懐古主義の言葉の方がよほど空疎に思える世代のリアリティは、ネタとベタのその先へと挑戦し続けるお笑い番組やワイプ画面、ニコ動の擬似同期、吸った敵の能力をコピーする赤い悪魔等々に媒介された身体感覚にこそ根ざしてる。より社会的かつゲーム的な側面から分析されたカスケード現象は的確。「有害メディア論はソクラテスの頃からあった。以上」で済む話をここまで論理的にまとめた偉業並みの執念。2014/10/24

潮見

6
何がヤバいって文学のぶの字すら出てこないことだと思うんだけど、まぁ当然かもですね。スーパーマリオの例えが一番しっくり。脊髄反応的なものって、物語厨から馬鹿にされること多いけど、時代は完全に前者だよねー。読みながらずっとAKBのこと考えていた。2012/02/28

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