内容説明
細川澄枝は銀行帰りに社員の賞与2千万円をタクシーに忘れた。次に乗った男達が、運転手を殺害しお金を強奪。翌月、澄枝は駅のホームから転落、事故死として保険金が支払われた。この調査にあたった保険会社査定員千野は、2年後、東京で起きた追突事故調査中にタクシー運転手殺害との関連に気づき…。保険査定員が現代社会の死角をついた巧妙な完全犯罪に挑む。日常に潜む恐怖を描く傑作長編推理。
目次
置き忘れられた殺人
置き忘れられた“自殺?”
復活した白蟻
査定されざる債務
住所不定の過去
連続沈船リスト
海賊金主
情事定期券
殺意の素地
返送された恐喝
蟻の一穴