内容説明
アメリカ・マサチューセッツ州の小都市。そこには富豪が、謎の死を遂げた廃屋敷があった。11歳の少年コーディは、その屋敷で死体を焼く不審人物を目撃する。だが、少年は交通事故にあって以来、「相貌失認」の症状を抱えていた。若き心理学者トーマは真相を探り出すために調査を開始するが、真相に迫るにつれ明らかになる、怪死した富豪一族と事件との忌まわしき因縁とは……!第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆにこ
22
窓ガラスのない家、相貌失認の少年など、物語の入り口は興味深いのだけど、海外の設定がどうも苦手で。誰が誰なのか分からなくなって、何度も「主な登場人物」のページを確認しながら読みました。2013/11/06
あっちゃん
16
福山ミステリー作品!殺人事件の目撃者は相貌失認の少年!海外での話なので登場人物が皆、外国名!しかも年代を分けての事件なので、少し混乱(笑)相貌失認についての医学的な話とか面白かったし、私的に良作でした!2015/08/03
ソルト佐藤
10
顔を認識できない証言者という不可能状況が興味深く。いくつもの時代の事件がつぎつぎに最後の謎解きにかかわってくるのはよくできている。ただ、○○トリックが複雑すぎてついていけなかったところも(笑 顔を認識できない証言者から証言を引き出す展開はとてもよいだけに、もっとすっきりしたほうがよかったかも。2018/08/24
しろ
9
☆5 巧い。けど面白くはないかも。鏡のない家の秘密とかは良い真相があるし、事件自体の緻密さは新人とは思えないほどだと思う。それでも、物語自体の魅力が伝わってこない。下手な訳者の翻訳小説みたい。双子や相貌失認など、ある意味なんでもありの幅広い解釈をもたせられる設定だから、感情移入したりして物語や人物にのめり込まないとキツい。でもそうしたらものすごいカタルシスが得られると思う。でもデビュー作だし楽しみな作家かもしれない。あと、記憶の曖昧さと、記憶からなる目撃証言による冤罪の危険性への言及に考えさせられた。2011/04/07
ベルガモット
7
テーマといい、過去の怪事件が絡む構成といい、島田荘司氏好みなのがよくわかる。登場人物が多くちょっと混乱してしまった。心理学者トーマで次作が読みたい。 2010/01/09