岩波新書<br> 官僚たちのアベノミクス - 異形の経済政策はいかに作られたか

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岩波新書
官僚たちのアベノミクス - 異形の経済政策はいかに作られたか

  • 著者名:軽部謙介
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2018/05発売)
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  • ISBN:9784004317036

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内容説明

「国家意思」は,はたしてどのように実際の政策に形作られ,実現されていくのか.政府・日銀の歴史的な「共同声明」作成のプロセス,「2」並びの目標数値の出処など. 官邸,経産省,財務省,金融庁,日銀,財界,有識者……誰が,どう動いたのか.圧倒的な取材力を誇る著者が,政権交代以降,異例の政策の生成過程をつぶさに再現する.

目次

目  次
   はじめに
   本書に登場する主な政治家や官僚など

 i 二〇一二年一一月~同年一二月

 第1章 解 散
   突然の宣言/目立つ経産省/再生本部と諮問会議/政策への近道/身軽でなかった財務省
 第2章 政策ブレインの形成
   インフレターゲット/老学者の高揚/かみ合った歯車/日銀の憂鬱
 第3章 選挙公約はどのようにつくられたか
   姿みせた二%/公約づくり/ 「とんがっていた」安倍/日銀法改正/安倍vs.日銀総裁/安倍vs.経団連会長/安倍を支える財界人たち/財務省、根回しに入る/選挙、大勝利
 第4章 政権移行の実相
   人狩り/幹部たちは一部屋に/国家意思の貫徹/財務省の登場/ 「アコード」の調整/諮問会議の復活/ 「もう少し待ってくれ」/日銀の上と下/矜持と落としどころ/ 「それを言っちゃあ、おしまいよ」
 ii 二〇一二年一二月~一三年一月

 第5章 スタートダッシュ
    「三本の矢」登場/顔そろえた参与/去る人々/閣議で金融政策/つぶれた正月/諮問会議の人選
 第6章 デフレ脱却は誰の責任か
   奴隷契約/日銀の粘り/ 「主語をはっきり」/日銀は外国か?/米国の懸念/ちゃぶ台返し/g7dで電話会議
 第7章 アベノミクスの誕生
   一丁目一番地/財務省と内閣府/正副総裁同時辞任?/雪の氷川分館/金融有識者会議/ 「財務はだめ」/根回し開始/物価の安定/反対は二人/g7への書簡
 iii 二〇一三年二月~同年七月

 第8章 「米国は理解した」
   バーナンキ訪問/米国は好意的/突然の辞意表明/g7声明/トリクルダウン/オバマの肩透かし/否決された提案
 第9章 異次元へ
   焦点はgpif改革/ 「ばくちに使うのか」/世界の常識/大筋決着/adb総裁をめぐる駆け引き/モデルを回す/サプライズ作戦成功
 終章 「アベノミクス」とはなんだったのか
    「繁栄のようなもの」/日銀の世代間断絶/ 「一強」状態の政権を誰が抑えるのか
   あとがき
    [巻末資料]
   主な参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

108
私は基本的にはアベノミクスというものはないと思っています。マスコミもゴロがいいので使っているのでしょうが。この本ではこの実体を支えている官僚やいわゆる世の中でリフレ派といわれている人々についてのやり取りなどを記者出身の方らしくうまくまとめられています。最後にこの方の本音が出て日本有数の経済学者にアベノミクスは零点だといわせています。2018/03/08

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

104
野田政権が倒れて後を受けた安倍政権。何も決められなかった政治から一転して「金融緩和」「財政出動」「デフレ脱却」を掲げて動き出したアベノミクス。その是非を論じる物ではなく、政権交代後、いかにして「アベノミクス」という経済政策が実行されたかというドキュメント。テレビのニュースで表面しか見ることがなかったけど、政府、官僚、日銀のせめぎ合い。誰がどう動いたのか。政・官僚 ・財のベクトルが一致して初めて「国家の意思」が形成されていくのだなぁ。なかなか興味深い内容だった。★★★★2018/03/29

honyomuhito

49
頭のワルイ中学生のように、政治家と官僚と社長って誰が1番強いんだろ、とか思っちゃったばっかりに、ついこの本を手に取った。 それ見たことか、8割がた何言ってるのかわかんないじゃないか。 えーっと、民主党政権の末期の頃に、民主党に冷たくされて嫌気がさしていた官僚の皆さんが、復活した安倍さんの経済政策に、「アラ!わりとイケるんじゃね⁉︎」つってノリノリになったって話かな。 https://chirakattahondana.com/ドmの調整エキスパートによって、国は回っている/2018/07/30

TATA

45
ドキュメンタリーとしては最高の著作と思います。何より記者さんだけあって文章がお上手。民主党政権崩壊前から周到に準備された異形の経済政策。確かに株価を押し上げるにはストリートの期待を変えさせることに尽きるが、政権交代に合わせたキャッチーな政策推進が当たったとものと理解する。政治手法に対する数々の批判も含めて書ききっている点は興味深い。さて、この未曽有の金融緩和、出口戦略としていかなる幕引きとなるのか。再度ストリートに驚きを与えられるか。2018/09/02

rico

35
大きな政策転換に際し官僚や政治家がどのように動いたのか。何がどう決まったのか。政策の評価そのものはしないという言葉通り客観的な記述に徹しているが、例えば「お役所の作文」の言い回し一つ、句読点一つをめぐって火花が散る。スリリングだ。でも一方、自らの責任をいかに回避するかという姑息さが露骨に見える。想定通りに事が運ばない時にどう収束させるか、なんてことは考慮しない。いつも通りのご都合主義。出口はどーすんだ?そもそも今は、問題をこんな検証ができるかどうかも危うい。1強による統治機構の劣化は深刻だと思う。2018/09/29

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