岩波新書<br> 〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓

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岩波新書
〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓

  • 著者名:小谷みどり
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2017/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004316725

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内容説明

「ひとり死」の時代になりつつある今,火葬のみのお葬式や,共同墓,無縁墓などがさらに広まっている.個人個人は死後を誰に託したらいいのかを悩み,自治体は身寄りがいても遺骨の引き取り手がいない人の増加など難題に直面している.海外ではどうしているのか? 日本各地の具体的な事例とともに,これからを展望する.

目次

目  次

 序 章 社会が変われば死も変わる
   高齢社会がもたらしたこと/終活ブームなのか/ビジネスチャンスとして/ 「家族」が変わった/誰に託すのか/終末医療の高度化/自分らしい最期とは
 第1章 何が起きているのか
   火葬場が足りない?/セレモニーホールが変わる/お葬式の告別式化/宗教とお葬式/お葬式を改革する/仏壇/お墓は足りないのか/海外でもある、お墓の問題
 第2章 お葬式は、どうなるのか
   太古から続く弔い/死のけがれ意識は、どこからくるのか/死をめぐる迷信/なぜ宮型霊柩車は消えたのか/葬儀社頼みのお葬式/自宅から葬儀会館へ/景気がよくなると、お葬式は派手になる/消費者意識の芽生え/参列者が激減/家族葬の広がり/ 「直葬」の登場/家の儀式/世間体と見栄/戒名/お布施/お葬式とは、そもそも何か/葬儀社の仕事も変わる/ 「遺体ホテル」/遺体を美しく①──エンバーミング/遺体を美しく②──エンゼルケアと納棺師/お葬式は、どうなるのか
 第3章 お墓は、どうなるのか
   火葬が普及したのは昭和になってから/なぜお墓は石なのか/墓標のない匿名のお墓/墓を建てるには/お墓と納骨堂の違い/いつお墓を建てるのか/誰といっしょに/血縁を超えて/庭園をイメージした霊園/個性的なかたち/お墓の引越し、改葬/お墓に入らない/遺骨の行き先/環境に配慮して/自宅に安置/手元供養とは/なぜお墓を建てるのか
 第4章 〈ひとり死〉時代で葬送はどこへ
   家族の限界/別居する家族との関係/生涯未婚者が後期高齢者に/台湾の新たな取り組み/税金をお葬式代に充当するスウェーデン/高齢の生活保護受給者が増えている/弔われない死者/横須賀市の実践/自治体の支援制度は広がるか/引き取られない遺骨/友人、話す人がいない/誰もが「ひとり」/無縁墓の増加/新しい関係性をどう築くか/死後の共同性/地域でお墓を管理する
 第5章 誰に死後を託すのか
   ぽっくり死にたい/迷惑をかけたくない/ 「わたしの死」/ 「誰の死か」で異なる感覚/大切な人の死/死とは何か/社会的に死なせない/まわりにかける手間は迷惑ではない/幸せな死とは/お葬式やお墓の無形化のゆくえ/人と人とのつながりのなかで
   主要参考文献
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

89
<終活>という言葉があるが好きではない。しかしこれからの時代少子高齢化や生活がいつ行き詰まってしまうかもしれない時代、自分のエンディングは自分でということも多いせいだろう。この本ではいま日本で葬式や死に対してどんな状況にあるのか、また現在のお墓事情やだれに死語後を託すのかなどが書かれていた。日本は2000年以降急速に男女ともに長生きする人が急増したり認知症患者がいかに増えているかも述べられていた。あと5年10年経過した時現在よりもっと事情が変化していることは間違いないと思った。図書館にて2018/02/23

おさむ

39
著者は葬送問題の女性研究者。終活という言葉に見られるように多死時代を迎えた日本の墓や葬式の最新事情を海外の事例も交えて紹介している。2年前に家族を亡くしたので、興味深く読んだ。「○○家の墓」が浸透したのは明治の終わりと歴史が浅いこと。東京では納骨堂をお墓代わりに使う人が増えており、墓が足りないというのは誤解。散骨は規制がなく撒く人のモラルに任されている。欧米では墓地のリサイクルが一般的‥などトリビア情報も多い。台湾の合同葬儀やスウェーデンの葬式税など、行政の葬送へのさらなる関与が日本も必要な気がします。2020/11/29

kenitirokikuti

12
気がつけば、21世紀も20年近く過ぎている。本書は、平成の高齢化が昭和の高齢化とどう異なるのかをくっきり描き出す。俗に人生80年というが、死亡者の過半数がほんとうに80才以上になったのはこの10年代のことだ。かつて家督を継ぐという関係上、葬儀には後継ぎのお披露目という重要な機能があった。いまは、子の還暦を親が祝う時代である。親が90過ぎで死ぬとき、息子が70の要介護状態という例もさほど稀ではない。村落にも葬儀を行う余力がない。葬送会館は始め都市に作られたが、田舎にも必要となっている。しんどい話だ…2017/12/03

圓(まどか)🐦

11
某漫画の「俺の墓標に名はいらぬ」で全然構わないけれど、ただ死後にかける迷惑は必要最小限にしたいという思いで読書。読んで実感するのは今後自分の死を託せる家族や友人のいない人が増え続ける一方であり、安心して死ぬにも行政のサポートがそれに比例して必要となるということでした。本の内容にもある通り、実際の死後は自分の手ではどうにもならない。とはいえ自分の力のみではつながりを作ることも難しい社会なのでやはり単身者向けに力を入れたサポートを願う気持ちが募ります。現代の葬式や墓は社会の縮図という意見は同感でした。2021/09/18

ちーたん

9
自分の死んだときのことをよく考えているので読みました。 お葬式を近所衆であげるのは大変なことだと思っていました。私は今世代なので、火葬だけしてもらって、灰はごみとして捨ててもらいたいなと思っています。お金は生きている人に。2018/01/12

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