内容説明
昭和51年、神戸で起きた≪神侠会≫若頭の射殺事件を皮切りに、神侠会から離脱した者たちが≪一神会≫なる組織をつくり分裂した。多くの死傷者を出す抗争劇が幕を開け、一神会若頭の美山勝治は、その火種を消すべく命を懸けるが……。血で血を洗う抗争の渦はもう誰にも止められないのか? 非道を極めた男たちの壮絶な権力闘争を描く、極道小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
58
シリーズ第4作。タイトル通りまさしく「烏合の衆」に成り果てた任侠界。美山、五十嵐、藤堂のような昔気質の極道達はもう時代遅れなのか?そして最後にとったギイチと美山のけじめ。決して良かったのかどうかは分からないが、極道はこうでなくちゃ。このシリーズまだ続くのかな?続きが読みたい! 2018/09/13
ずっきん
45
神侠会と袂を分かった松原の一神会。時代と世代の移ろいに翻弄される、美山と五十嵐。二人の奔走虚しく、両会は抗争へと流れていく。烏合というタイトルがぴたりとはまる、男達の熱くやるせない物語だった。作中にも出てきたけれど、「仁義なき戦い」と任侠物の狭間に立つような、藤堂を加えた三人の胸の奥が哀しい。これで終わりなのかなあ。まだまだ続きが読みたい。2018/09/07
kuma
13
結末がわかっていても切ない。2023/08/12
miki
6
日本を代表する神侠会と訳あって分裂した一神会。組織は対立しつつも元は同じ組織にいた者同士、精神的に強い結び付きのある二人、いや三人か。更にその人物を無条件に慕い命を掛けて生きる男たち。逆に同じ組織内でも敵対し牽制し合う者たち。人物が多く組織もいくつかあるので人物を整理しながら読まないといけないが、終盤に向けてハラハラしながらも男の生き方にゾクッとする。最後の最後でほろっとした。主要人物に寄り添う女たちも素晴らしい。ただすべて読み終わり、作者の過去作品を見たらシリーズ物らしく。。。しくじった。。。2018/01/30
ワンモアニードユー
5
うーん。浜田さんの本って、カタルシスの解放が大きそうだけど、実はそうでもないんですよね。今作は、視点の不安定さが理解を妨げ、感情移入を防いだあげく、カタルシス解放も少なめでした。なんかなあ。ヒキタクニオとは役者が違うのだろうか。2019/01/14