内容説明
サルとヒトで遺伝子はほとんど同じなのに、なぜ見た目はこんなにも違うのだろう? ヒトゲノムのうち遺伝子部分はわずか2%。遺伝子ではない「98%」にヒトの秘密が隠されていた! かつてはゴミ扱いされた“ジャンクDNA”が生命の謎を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
163
興味深く、面白く読めたが実は解らなかったところも少なくない。とりあえず、今までJUNKとして切り捨てられていた部分も存在する意味はあったということだろう。全体に事例を列挙したような感じになった。この分野は最先端であり、研究者だってよく整理できていない領域だろうし、解りづらいのも当然か。今後の進んだ研究が待たれるところだ。2018/03/22
haruka
28
ジャンクDNAと呼ばれていた98%の「非コードDNA」は、実はヒトの進化に関わる重要な役割を果たしていた。環境への適応能力の幅を広げ、進化を後押しし、ヒトとサルの違いを生み出したという。とくにY染色体はX染色体に比べて約6%しか遺伝子がなく非コードDNAだらけで、そのためY染色体は他の染色体と比べて進化速度がずっと速いという話が面白かった。ゲノムが1%変化するのに十分な時間である500万年後には、Y染色体はなくなるかもしれないと言われているが、性がなくなるあるいは人類が絶滅している可能性も。2024/01/12
樋口佳之
22
文章の大半が自分にとっては非コードDNAだった(頭の中に意味を再構成しない)けども、ヒトゲノム計画でゲノムが全部読み取れたなどと言う理解は全然出来ないのだな。三毛猫話を凄くわかりやすく読めたのが収穫でした。2018/08/25
中島直人
17
(図書館)DNAの98%を占めるタンパク質を作らない、ジャンクと見られていた非コードDNAが、実は生命の進化、人間の形成に決定的な重要性を持っている。途中、専門的過ぎてついていけない部分ありだが、十分楽しめる内容。生命って凄いと、改めて感じさせてくれる本。2018/12/29
紅花
10
DNAについて、高校時代の知識しか無く、あれから数十年、科学は進歩して、知らない言葉が多く、最初は読むのが大変で、読み返すことがしばしば。その後、あんまり細かいことを気にせずに読み進めことにしたが、それでも大まかなイメージはつかめる。そして、驚きの事実の連続。DNAって堅い不動のイメージだったけど、とても柔軟性があり、ダイナミックで恒に動いている。それが、人の生命に良かったり悪かったり。結果としてとても面白い本だった。2019/06/15