講談社現代新書<br> 飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道

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講談社現代新書
飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道

  • 著者名:一ノ瀬俊也【著】
  • 価格 ¥957(本体¥870)
  • 講談社(2017/07発売)
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  • ISBN:9784062884389

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内容説明

なぜ国民は飛行機に夢を託し、人、金、物を提供したのか――。貧しい人びとの出世の手段としての航空兵。国民一人一人がお金を出しあって飛行機をつくる軍用機献納運動。防空演習ですり込まれる空襲の恐怖と、空中国防の必要性。学校、親への「説得」を通して行われる未成年の航空兵「志願」……。日本軍=大艦巨砲主義という通説をくつがえし、総力戦の象徴としての飛行機に焦点をあて、戦前、戦中の現実を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

25
第1次世界大戦からアジア太平洋戦争終結までの、日本国民の飛行機、とりわけ軍用機に対する意識形成を、丹念な史料解読から明らかにしたもの。国民の中には軍用機の重要性への理解はかなり早くから醸成されており、それが軍およびその関係者などの啓蒙から形成されているとする。ここから「日本が大艦巨砲主義から脱せなかったのが対アメリカ戦の敗因」とする説を切って捨てる。鋭い視点と手法だと思うが、軍部、特に海軍の中の主義の衝突にはメスが入りきっていないので、やや反証が不十分な気もする。また、陸軍の戦車軽視が透けて見える面も。2017/10/15

樋口佳之

21
対外戦争を支えたのは軍なのか、国民なのか、あるいはその両方なのかを論じるのが目的/本書に何か現代的な意味があるとすれば、一国の戦争はその国民の同意なしには不可能であり、軍や政府は人びとの傍観を決して許さずにその手法や勝目についての啓蒙、説得をつねに試みる、強制はあくまでも最後の手段であるということ/著者は動員された国民の実相に迫りたいというテーマで書き続けている方だと理解している。今回は航空戦力がテーマでした。2017/08/29

クサバナリスト

11
「大艦巨砲主義」論に固執した戦争敗北論を洗い直し、当時の戦力としての航空機の存在が如何なものであったかを考察した著作。こうしてみると、「大艦巨砲主義」一本槍ではなく、飛行機の重要性を庶民レベルから啓蒙していったようにも感じられる。2017/09/22

どら猫さとっち

11
本書は飛行機が戦争に使われた経緯を丹念に切り取り、描いている。飛行機をめぐる戦争の足跡である。「国民の戦争」の象徴だった飛行機、貧困層の立身出世の手段としての航空兵…。読んでいくと、まさに「永遠の0」の世界ではないかと思えてくる。僕が読んで思い浮かんだのは、宮崎駿監督作品「紅の豚」だった。英雄視されながら、戦争に怒りと虚しさを感じ、自ら豚に変えた男の物語。著者も読者も、そんな想いが読後あったとしたら、まだまともであるのではないだろうか。2017/09/18

フロム

10
当時の航空リテラシーを中心に軍上層から学童までどのような航空感を持っているかの説明である。どうも話がとっ散らかってる印象を受けるのは著者自身、米=航空優勢論、日=大艦巨砲主義『ではない』寧ろ航空に関しては進んだ考えを持っていたと言う体で論を進めようとしたら、当時の技術的限界や発想的限界を考慮するとどうしても戦艦の優位性を否定する事が出来ずに話を進めざるおえない。この当たり前の事実がどうしてもブレーキになってダイナミックな話の広がりが持てず、総花的などうにも煮え切らない論旨展開になってる気がする。2017/10/18

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