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内容説明
「想像力」,それは人であればだれでも持っている魔法だ.ご存じ『魔女の宅急便』の作者が,幼いころからの体験と重ねながら,みずからの童話作家としての歩みと創作のひみつを語ります.水平線という一本の線の魔法,主人公の名前のちから,物語のとびらが開く瞬間のこと…….あなたのすぐ隣にある不思議に気づかせてくれます.
目次
目 次
1 空想の世界
自分を救う力
人さらい
2 私の本棚
父のひざのゆらぎの中で
私だけの本
「いい気持ちライン」
3 むこうの世界
宇宙船になった帽子
大きな力
壁族と柱族
4 「はじめまして」と自分にいう
効率の悪い人生
声にのって物語がたちあがる
自分のために書き続けて
5 魔 女
旅立ち
記憶の宝箱
魔女をたずねて
6 物語の生まれるところ
扉が開く瞬間
主人公の魔力
7 魔女キキと私
名前はだいじ
わけのわからない自分
不思議が動き出す
8 音とことば
窓をあけて
ルイジンニョ先生
風景のあることば
本書で紹介されたおもな本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
201
あのときの風をなぜ忘れられないのだろう。本の頁に終わりはあっても芽生えた物語は永遠に続いていく。キキは小さな花だった。幸せな結末を望んでいた幼い頃の思い出がふと巡る。想像に縛りをかけないで自由に冒険する好奇心。いい気持ちは皆に伝わるから。大人になると大切な何かを忘れ、進む道が見えなくなるけど、この世界にはきっとまだ知らない沢山の出逢いがある。ファンタジーを心の片隅に保っていると見えないものが形になってつながる。向こうの世界に足を踏み入れると、悲しみも優しさも美しさもそのままに、感じることができるのだろう。2022/11/25
ふじ
22
今月は角野さんに浸ってましたが、最後にこれを読み、見えないものを大事にし、言葉の意味だけによらない表現を心がけるその姿勢、すごくステキにうつりました。好きな作家さんにまた出会え、満ち足りた気分です。作家デビューが30代半ば。人生何があるかわからないし、好きな、夢中になることに、ずいぶん時間がかかっても出会えるんだなと希望が持てました。2018/04/30
miu
22
角野栄子さんのお人柄と生い立ちがよーくわかるエッセイ。それからあの魅力的な魔女キキが生まれた時のお話も。わたしが『魔女の宅急便』と出会ったのは小学生のとき。ジブリ映画になる前に、祖母が面白そうだからとプレゼントしてくれた。角野さんと同じく空想好きの子供だったわたしはもぅ夢中!あのワクワクのルーツは角野さんがブラジル移民として船に乗っていたところから。そんな背景があったなんて!お父様とのエピソードも素敵。あの時の気持ちで、もう一度キキに会いたい!2016/01/05
柳 真佐域
17
角野栄子さんの自伝。冒頭は幼少期の自分とそのとき起きた事柄からどう感じ、それが作家としてどう関わっていたのかと綴り、魔女の宅急便の誕生秘話やブラジルに移民した話などが書いてあった。角野さんがどうゆう人となりで、何を思いながら物語をかいているのかが分かってすごくためになった。物語が自分にとってどういうものなのかを考えさせられて、どう向き合ったら良いのか指針となるものが出来た気がする。角野さんの世界は優しさに満ち溢れていて、読んでいて心が温かくなる。世界の見方変える、「きれいはきたない、きたないはきれい」2018/05/19
花実
16
『魔女の宅急便』の作者角野栄子さんによるエッセイ。5歳で母親を亡くした記憶から始まり、少女時代、大学時代、夫との2年間のブラジル移住などが語られる。ファンタジー作家を目指していたわけではないけれど、胸の奥にはいつも自作の物語世界が棲んでいて、それがファンタジー作家の道へと繋がったようだ。『魔女の宅急便』が生まれる過程と、それを支える価値観が開示されていてとても興味深かった。2014/11/05