内容説明
日本に生まれた独自のポピュラー音楽「歌謡曲」.それは誰が,どのように作り,どう歌われたものだったのか.時代を象徴するヒット曲を手がかりに,作詞家,作曲家,編曲家,歌手の各側面から,その魅力の源泉に迫る.制作の背景,楽曲・歌唱の音楽的分析,作品の与えた影響など,初めて書かれる本格的ディスコグラフィである.
目次
目 次
はじめに
序章 戦前・戦後の歌謡曲
第1章 和製ポップスへの道──1960年代
1 新たなシーンの幕開け
2 カヴァーからのはじまり
3 青春という新機軸
4 ビート革命とアレンジ革命
5 新しい演歌の夜明け
第2章 歌謡曲黄金時代──1970年代
1 歌謡曲の王道
2 アイドル・ポップスの誕生
3 豊饒なる演歌の世界
4 阿久悠の時代
第3章 変貌進化する歌謡曲──1980年代
1 シティ・ポップスの確立
2 演歌~aor歌謡の潮流
3 アイドルの時代
終章 90年代の萌芽──ダンス・ビート歌謡
引用資料
主要人名リスト
主要曲目リスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
95
歌謡曲、この音楽ジャンルはテレビやラジオでほとんどなくなったなあ。昭和生まれの私らにとって今どきの音楽はどっちが曲名でどっちが歌っている名前なのか見当がつかず。歌謡曲の黄金時代は昭和30〜50年代にかけてかテレビの普及によるものが多い。本書ではそんな歌謡曲について語られているが音階だとかコード、スケールといったものがほぼわからないので読みにくいところもあった。しかし歌謡曲というジャンルを知る上では重要な1冊だと思った。図書館本2021/06/07
壱萬弐仟縁
15
古き良き昭和の時代。レコードのカヴァーで懐かしいと感じる世代にとっては、一読をおススメしたい。わたくしは、せいぜい、80年代かな。坂本九さんは、確か、小学生のときにラジオ体操から帰ってきたら日航機墜落の報道で驚かされた。急逝された島倉千代子さんは72頁~登場。佐良直美さんは確か、シャープの提供でTV番組をやってたような? イメージがある。若い頃の北島三郎さんは鼻の穴がでかく見えない。森進一さんは、この間の日曜音楽夢工房で社会貢献にも熱心だと知った。本書は歌手の写真なくして思い出せないものも多い。2013/11/24
タルシル📖ヨムノスキー
11
歌謡曲って言葉自体死語だもんなぁ。1960年代から80年代までの音楽シーンを解説した本。歌手や曲だけじゃなくて、作詞家や作曲家、編曲者にも着目しています。今度はこの本読みながら、出てきた曲を聴いてみようかな。2018/03/31
そうたそ
10
★★★☆☆ 日本特有の"歌謡曲"というものの歴史をざっくりおさえられる一冊。単なる曲紹介に終わらず、作詞、作曲あるいは編曲的な面からも解説されており、一冊通して見ると相当な情報量だと思う。文字だけではなかなかイメージがわかないが、「関ジャム」みたいに音と映像の情報もあわせて伝えてくれると、もっと理解が進むのかもしれない。現代においても、昭和歌謡というものは、未だ根強いファンはいるし、敢えて昭和歌謡のエッセンスを取り入れた現代の楽曲も存在する。時代遅れの面もあるが、いい所は残し続けていってほしいと思う。2023/03/22
kabeo
5
70年代以降、歌謡曲黄金時代の記述がツボ。読みながら唄ってしまう。作曲技法、作詞の感覚も時代を経て変化しているが、それ以上にレコーディング技術の向上が歌謡曲の進化に大きく寄与していたことを認識した。筒美京平は凄い。2016/08/12